【考察】「ルパン三世 生きていた魔術師」(ネタバレ)ルパンが、往年のライバルであるパイカル(白乾児)と対決!

アニメ

作品紹介

作成 2002年
ジャンル アニメ
監督 浜津守
キャスト 栗田貫一小林清志井上真樹夫増山江威子納谷悟朗

『ルパン三世 生きていた魔術師』は、2002年、ルパン三世OVA第2作目として放映されたアニメです。

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このアニメのみどころ

『ルパン三世 生きていた魔術師』のみどころは、ルパンの往年のライバルであるあのパイカル(白乾児)が登場し、ルパンと死闘を繰り広げるというところです。

 

パイカルは、これまで原作やTVアニメ、小説にまで登場し、その都度ルパンたちを苦しめてきた強敵と言えるでしょう。

ルパン三世1st.第2話「魔術師と言われた男」では、弾丸を跳ね返すほどの強靭な体を持ち、空を飛んで指先から炎を出すなどの魔術師っぷりを披露。

しかし、彼の魔術は実はイカサマで、トリックが暴かれて最終的にはルパンに負けてしまいます。

ところが、本作ではトリックなしの本物の魔術師として登場。ルパン一味の前に立ちはだかります。

 

また本作は、これまで放映されてきた劇場版ルパンの映画とは一風変わった作風になっています。それは、OVAとして作られたという経緯がそうさせているのかもしれません。

ルパンシリーズおなじみの”ヒロイン”も、今回は登場しません。

全体的にユーモア要素は少なめで、シリアスな場面が多いように思います。

エンディングも、銭形編、不二子編、謎の老人編の3パターンがあり、本編視聴後に選択できるようになっているところも、特徴の一つです。

登場人物(メインキャラクター以外)

とある富豪

コートダジュール在住の富豪。

世界に7つ存在するといわれる『天球の水晶』のうちの1つを持っている。

謎の老人

東ギリシャに住む謎の老人。

彼が弾く竪琴の音色は、生きている者を癒す効果がある。

パイカル

”魔術師”と言われる男。

空に浮かんだり、銃弾をはね返したりと、不思議な魔術を使う。

『天球の水晶』を集めている。

ストーリー

序盤

ルパンは、世界に7つ存在するといわれるドラゴンボール『天球の水晶』を集めていた。

ルパンは、7つの天球の水晶うちの一つをとある富豪から盗み出したあと、銭形警部の追跡を受ける。

しかし、その銭形警部はいつもの銭形警部とは雰囲気が違う。しかも、しきりに峰不二子の居場所を尋ねてくる。

そして、どうやらルパンに”恨み”を抱いているという。

「こいつの正体は銭形警部じゃない」ルパンは思う。

そして、ルパンを見失った銭形警部は、空に浮かんで消えてしまった。

 

次元と合流したルパンは、東ギリシャへと向かう。

東ギリシャは、天球の水晶の発端とされている土地。五エ門は、そこでヨーロッパ暗黒街の腕自慢が集う格闘試合に参加していた。

そのルパンたちを、謎の老人がもてなす。

 

東ギリシャに到着すると、次元は原因不明のアレルギーを起こし、くしゃみが止まらない。しかも、耳が聞こえすぎるという症状が現れる。

しかし、謎の老人が竪琴を引くと、たちまち次元の症状が治まる。

その竪琴の音色には治癒の効果があり、古来よりこの地方では、病気の治療には音楽を用いてきたという。

 

ここで、この謎の老人の家に峰不二子が駆け込んでくる。どうやら、誰かに追われていて、ルパンに助けを求めている。

 

「面倒なことになるぞ・・・」次元は呟く。

中盤

不二子は、天球の水晶のひとつを盗み出したことで、”魔術師”と呼ばれている男パイカルに追われているという。

パイカルは、ルパンのライバルともいうべき強敵。パイカルも、ルパン同様天球の水晶を集めているらしい。

そう、かつて銭形警部に変装してルパンを襲ったのも、パイカルだったのだ。

 

次の日の格闘試合。

五エ門は、偶然にも相手の剣に飾られている宝石を切った時、謎の老人の竪琴が奏でる音色と同じ音が発生する。

その音を聞いて謎の老人は、「オルペウスの音だ!!」と感動し、斬鉄剣に興味を持つ。

しかし、五右衛門自身、斬鉄剣がなぜこのような音を発したのかを知らなかった。

 

その日の夜、パイカルは不二子を襲いにルパンたちの屋敷を訪れる。

しかし、ルパンたちはそのパイカルを待ち構えていた。

パイカルは、天球の水晶を差し出すようしきりに要求し、「水晶の本当の価値は、お前にはわからない」と叫ぶ。どうやら水晶には、隠された秘密があるらしい。

もちろんルパンは応じない。

そしてルパンは、次元、五エ門と力を合わせ、パイカルを撃退することに成功する。

 

さらにルパンは、天球の水晶の謎を解くためにパイカルの本拠地に乗り込むこととした。

二人が奥へと進んでいくと、水晶の分析装置が置かれた部屋に行きつく。

ルパンは、水晶の分析結果が書かれた画面を撮影すると、そのまま本拠地を脱出しようとする。

 

しかし、外に出たとたんにパイカルと出会う。

パイカルは、ルパンと次元がパイカルの本拠地に忍び込んでいる間、不二子をさらい、不二子が持つ水晶を入手することに成功していたのだ。

パイカルは、ルパンたちを罠にはめて殺そうとする。しかし、ルパンは機転を利かせて罠を掻い潜り、本拠地を脱出する。

終盤

ルパンは、水晶に刻まれた図形が、隠された謎のヒントと考えていた。

図形の意味を知ったルパンは、パイカルに挑戦状を送り付ける。7つの水晶の所有者を決めようというものだった。

 

次の日の夜、ルパンとパイカルは円形闘技場で対峙する。

この時パイカルは、水晶に隠された謎を既に知っていた。

水晶に刻まれている図形は、実は音楽の音符を意味していた。

パイカルは、不二子から奪った水晶を分析し、かつて船乗りを惑わした「セイレーンの歌声」を手に入れていた。

 

ここでパイカルは、「セイレーンの歌声」を流してルパンを攻撃する。

しかし、ルパンはビクともしない。

それもそのはず、ルパンの後ろでは、謎の老人が人を癒す力を持つ竪琴を引いていたのだ

神話では、セイレーンの歌声を鎮めたのがオルペウスの竪琴。この謎の老人は、オルペウスの竪琴の弾き手だったのだ。

 

次にパイカルは、「復讐の女神」を演奏する。

この演奏により、耳が聞こえすぎる次元は脳をやられ、ルパンに対して拳銃を撃ちまくる。

ここで謎の老人は、五エ門に宝石を投げつけ、五エ門は斬鉄剣でそれを斬る。竪琴と同じ音が発生し、次元は正気に戻る。

しかし、時は既に遅く、次元が撃った銃弾はルパンの心臓に命中する。

 

パイカルは、4つの水晶をもってグライダーで脱出しようとするが、通りがかりの船から撃ち落され、パイカルは海に沈む。

パイカルを撃ち落としたのは、死んだと思われていたルパンだった。ルパンは、胸のポケットに水晶を入れていたため、銃弾は心臓を直撃していなかったのだ。

 

「まったく、幸運の水晶だぜ」とルパンは呟く。

エンディング

銭形警部Ver.

銭形は、水晶を奪ったルパンを追いかけていた。

結局、追跡に使った小舟はルパンに破壊され、泳いで追跡することとなるのだが、銭形は最後にこのように呟く。

「人類の英知を、一部の金持ちや悪党・盗賊などに渡しやせん!」

不二子Ver.

不二子は、パイカルから奪った水晶(偽物)を持ち、バイクで疾走する。

しかし、バックミラーに一瞬パイカルの姿が映る。

不二子はバイクを止めて、粉々になっている水晶をすべて海に捨てる。

 

そしてパイカルを、ギリシア神話で登場するオルペウスの妻”エウリュディケー”のようだと例える。

謎の老人Ver.

「あの男(ルパン)、よく働いてくれた・・・」

これまで、竪琴を弾くなどしてルパンたちを援助していた謎の老人だったが、実は天球の水晶を集めるため、ルパンを利用していただけだったということが判明。

パイカルが持っていた4つの水晶は、既に謎の老人の手にあった。

 

残りの3つの水晶を、どうやってルパンから奪えばいいのか?謎の老人は考えていると、老人のもとに五エ門が訪れる。

五右衛門は、「格闘試合の優勝賞品は3つの天球水晶で良い」と告げ、水晶を持ってルパンたちと共に東ギリシャの地を後にする。

 

3つの水晶をルパンたちに持っていかれてしまった、謎の老人。

最後、「かーーー!!!」という謎の叫び声をあげたかと思うと、まるで魔術師のようにその場から消えてしまう。

考察及び感想

パイカルの生死は?

パイカルの生死は、はっきり言って「不明」です。

 

パイカルは、グライダーで飛行中、ルパンに撃ち落されます。

その時、墜落する途中のパイカルを、ルパンは網のようなもので捕まえて海中に沈めます。

そして、一言。

「感謝しろよ、太陽が怖くないところに沈めてやったんだから」(パイカルは、太陽の光を浴びると弱体化するため、夜に活動していた。)

そして、そのままルパンは網を引き揚げることなく、パイカルは水中に沈んだままでした。

 

普通であれば、溺死したと考えるのが自然でしょう。

しかし、相手はあの”魔術師”と言われたパイカル。どこかで生きていても不思議ではありません。

 

なお、エンディング(不二子Ver.)において、一瞬だけパイカルが登場しますが、あれは本物だったのか?それとも不二子が見た幻影だったのか?

それも不明のままです。

しかし不二子は、最後にパイカルをエウリュディケーのようだと言うセリフの前に、「もし死んでしまったならば」という枕詞をつけています。

もし、パイカルが本当に死んでしまっているのであれば、このような枕詞は付けないでしょう。

 

きっと、どこかでパイカルは生きているのでしょう。

謎の老人

このアニメで一番の謎は、エンディング(謎の老人Ver.)での老人の不可解な行動でしょう。

 

謎の老人は、天球の水晶を集めるため、ルパンを使った。なかなかの策士ですね。

しかし、最後に3つの水晶を持っていかれて、老人は謎の奇声を上げます。

それだけならまだいいんですが、そのまま霧のように消えてしまうのです。

その時のエフェクトは、パイカルが魔術を使って姿を消したときと同じです。

 

考えられる可能性は二つ。

①老人の正体はパイカルだった。
②老人は、実は水晶を狙う盗賊で、パイカルと同様に魔術を使うことができた。

 

①は、ストーリー展開上可能性は薄い。

だとすると、②の方が可能性は高い。

老人は、実は水晶を狙う盗賊で、まるで東ギリシャの地方に長く住んでいるかのように見せかけ、ルパンを操って水晶を集めさせた。

しかし、あとちょっとのところで、ルパンたちは水晶を持っていってしまった。

作戦が破綻したので、これまで演じてきた老人の役柄を放棄し、次の作戦へを移行する。

 

これが、私の予想です。

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