漫画『後遺症ラジオ』(ネタバレ無し)最恐のホラー漫画 閲覧注意※怖い話が苦手な人は絶対に観ないください

漫画

『後遺症ラジオ』の作品紹介

 連載 2013年~2018年(ネメシス)
単行本 全6巻(完結)
 ジャンル ホラー
 作者 中山昌亮

 

『後遺症ラジオ』は、2013年~2018年にかけて、ネメシスで連載された中山昌亮さんの作品です。

蔵石ユウさんの代表作には、「不安の種」などがあります。

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『後遺症ラジオ』のみどころ

後遺症ラジオのみどころ、それはめちゃくちゃ怖い!というところ。

最近のホラー漫画の中では一番怖いんじゃないかと個人的には感じています。

まず、作者が描く絵がめちゃくちゃ怖い。

例えば、この左に載せている首だけの人形の絵。よくぞここまで禍々しい絵が描けるものだと感心してしまいます。

 

この漫画には幽霊が数多く登場しますが、作者の蔵石ユウさん、幽霊を描かせたらピカイチですね。

怪物やゾンビなどとは違う、幽霊の独特な恐怖感。一見普通の人間のように見えるけど、よく見たらちょっと違う。そんな違和感的恐怖を、絶妙な筆遣いで表現しています。

 

さらに、描く絵だけではなくストーリーもめちゃくちゃ怖い。

登場する人物たちはすべて一般人。皆、ごく普通の日常生活を営んでいます。

そんな日常生活の中で、誰にでも起こりえるようなシチュエーションで、あの不気味な幽霊が登場するわけです。なので、恐怖をより身近に感じることができます。

 

また、この漫画は少し変わったストーリー構成をしています。

決められた一本のストーリーは無く、異なった複数のストーリーが、2~3ページというごく短い間隔で交互に展開されるのです。

一見すると、それぞれの話は全く関係ないように思えますが、読み進めていくうちに徐々に共通点が見えてくるのです。

それは、「おぐしさま」と呼ばれる神様的存在。そして、人間の髪の毛。この二つは、物語全般にわたってたびたび登場します。

おぐしさまは本来、森で迷った子供を帰り道に導くなど人間にとって益となる存在。

しかし、何百年という時を経て、おぐしさまはいつの間にか人間に害する存在となり果ててしまったのです。

村人たちは、人生で3回、男女問わず髪を全剃りしなければいけないという儀式があります。全剃りするタイミングは、年齢で定められています。

しかし、ついうっかり全剃りを忘れてしまうと…とんでもない恐怖を味わうことになります。

 

なお、作者の蔵石ユウさんは、この漫画を描くにあたって実際に不思議な体験をしたそうです。

登場人物の一人が大量に吐血するシーンを描いたところで蔵石ユウさんご自身が口から大量に出血して入院し、休載を余儀なくされたり(「特発性血小板減少性紫斑病」という難病だそうです)。

格安で移り住んだ北海道の某アパートで、説明不可の怪奇現象が起きたり。

ホラー映画の撮影現場では心霊現象がよく起こるようですが、漫画を描いている現場にも幽霊たちが引き寄せられたということでしょうか?

これらの不思議な体験談は、後遺症ラジオ単行本の5~6巻に書かれています。

 

最高の恐怖を味わいたい方、是非とも『後遺症ラジオ』をご覧ください。

『後遺症ラジオ』の登場人物

※ この漫画には、主要となる人物が登場しないため割愛します。

『後遺症ラジオ』のストーリー(細部)

※ 印象的だった話を3話ほど抜粋して紹介します。本当に1話1話が短いです。

夜明けの晩に

男が二人、ビルの屋上に立っていた。吸い込まれそうな高さだ。

片方の男がもう一人の男に尋ねる。

「なんで高所恐怖症ってあるんだと思う?」

男は続ける。

「何かが強く引きずり落とそうとしていることを肌が感じていたんだ…。だからだったんだ、そうだったんだ…」

そう呟いた男が見つめる先には…

水底深く浮き上がり

深夜、タバコを買いに男は表へ出た。

田舎町で街灯は無く、まさに「鼻をつままれても分からない闇」。

男は、最後に残った一本の煙草に火をつけるが…

さめざめ笑い、クスクス泣く、軒下の虫

真夜中、少年は妙な気配を感じて目が覚めた。

廊下に出てみると、そこには得体のしれない黒い管のようなものがあった。

この管は、おじいちゃんの部屋まで続いている。

そして少年は、人間程の大きさの塊が、この黒い管の中を移動していく様子を認めた。

「おじいちゃんだ」少年は直感的に思った。

「このままだとおじいちゃんは死んじゃう」そう思った少年は、黒い管に飛び掛かって塊の部分を抑えつけた。

次の瞬間、おじいちゃんの部屋から大きなうめき声が聞こえた。

 

おじいちゃんは死ななかった。しかし、生きてもいない。

今後の展開

こんな調子で、ごくごく短い話が次々と繰り出されていきます。

そして、読み進めていくうちに一見バラバラに見える話の共通点が見えていきます。

とりあえず、1話の尺が短いので、サクサク読み進めていくことができます。飽きっぽい性格の人でも、楽しんで読むことができると思います。

 

おぐしさまとは何者なのか?おぐしさまを祀るこの村には、どんな秘密が隠されているのか?

皆さんは、この静かな恐怖に絶えることができるでしょうか。

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