作品紹介
制作 | 1987年 |
ジャンル | アニメ |
監督 | |
声優 | 古川登志夫、銀河万丈、塩沢兼人、小山茉美、荘真由美 |
劇場予告 | https://www.youtube.com/watch?v=iKzF-wYeNYo |
「ルパン三世 風魔一族の陰謀」は、1987年に作成され、ルパン三世劇場版映画の第3作目かつOVA第1作目となる作品です。
諸事情により、声優陣が総入れ替えとなっています。
このアニメのみどころ
本作のみどころは、アクション要素に重点を置いているという点です。
そもそも、ルパンシリーズのアニメはアクションシーンが多めですが、本作は特に多いように思います。
具体的には、
・砦の謎を解き、罠を掻い潜っていくシーン
・戦闘シーン
などへの時間配分が長めです。
ストーリー自体は比較的単純ですので、視聴者はアクションシーンをメインで見ることとなるでしょう。
また、ルパンシリーズの中では唯一、声優の総入れ替えが行われた作品でもあります。理由については諸説ありますが、会社の経営状況の悪化が理由ではないかとされています。
声を聴いてみると最初は違和感を思えますが、最後の方は馴染んできて「これはこれでありだな」と思えてしまうのは不思議です。(個人的には、次元の声が渋くて好き(^^♪)
また、この作品は1987年、つまり昭和62年に作られたアニメなのです。
今は令和ですが、平成ならぬ昭和とは!?古すぎて、VODでもなかなか配信されていないですねー(;’∀’)
特に昭和生まれのおじさん世代は、「あー、むかしのアニメってこんなだったなー」と、懐かしみながら見ることができると思います。
登場人物(メインキャラクター以外)
墨縄紫
五エ門の結婚相手。年齢は不詳だが、下手したら10代まであり得る。
天真爛漫な性格で、何に取り組むにしても明るくて前向き。
俺の嫁。
墨縄馬場
紫の祖父。
墨縄家の先祖が残した財宝を守るため、その秘密が隠された壺を守っている。
からくり細工を作るのが得意。
風魔小太郎
風魔一族のボス。かつて北条家に仕えた歴史上の人物「風魔小太郎」と同姓同名。
七節棍を使いこなすだけでなく、親指の力だけで弾丸のように硬貨を弾き飛ばして相手を攻撃する。
ストⅡのサガットに顔がそっくり。
風見刑事(偽)
風魔小太郎の部下。
警察官に扮し、銭形に取り入ってルパンを排除しようとする。
小物臭が半端ない。
ストーリー
序盤
ある日、石川五エ門と墨縄紫の結婚式が行われました(ご、五エ門が結婚!?)。
この日をもって、石川五エ門は墨縄五エ門となるのでした(しかも婿入りしてる!?)。
しかし、この祝いの場において、怪しい間者たちが突如現れ、墨縄家に伝わる家宝の壺を持ち去ろうとするのです。
五エ門や墨縄家親族たちの必死の抵抗もあって、家宝の壺はなんとか死守したものの、花嫁の紫がさらわれてしまうのです。
間者の正体は、風魔一族。約400年前からこの壺を狙い続けてきた、強盗軍団だったのです。
そしてこの壺には、墨縄家の祖先が隠した財宝の秘密が隠されているという代物だったのです。
五エ門は、壺をやつらに渡して紫を取り戻そうと、紫の祖父である墨縄馬場に進言しますが、馬場はそれを拒否します。いくら孫がかわいいとはいえ、先祖代々受け継いできた壺には代えられないというのです。
ここで動いたのが、ルパンと次元。早速その壺を盗み出すと、五エ門の元へもっていっていきます(この時ルパンは、偶然にも財宝が隠されている場所のヒントを見つけ出します)。
かくして、ルパン、次元、五エ門の三人は、壺をもって紫を救出しに行くことになったのです。
一方、「ルパンは死んだ」と勘違いして警察官を辞めた銭形警部でしたが、新部下である風見刑事の要請を受けて、刑事に復帰しています。
中盤
ルパンたち3人は、風魔一族が待っている取引現場へ向かい、壺と引き換えに紫を取り戻すことに成功します。
その後、財宝を盗みたいルパンと次元と、内輪の問題に首を突っ込んでほしくない五エ門で一時的に仲違いになり、それぞれ別ルートで財宝が隠されている砦へと向かうのです。
その頃、風魔一族のアジトでは、壺の解析がされていました。そこには、風魔一族のボスである風魔小太郎、そして銭形警部の部下だったはずの風見刑事の姿もありました。
実は風見刑事は、風魔一族の一員であり、警察官に化けて銭形警部を扇動し、ルパンを排除しようとしていたのです。
そして財宝の隠し場所は、錫杖岳の麓の矢代ということがわかりました。
と、ここで手錠で縛られた峰不二子がアジトに担ぎ込まれます。不二子は、風魔一族が財宝を狙っているという情報を聞きつけ、アジトに侵入して情報収集を行っていたところで小太郎の部下に捕まってしまったのです。
不二子はその後、小太郎たちが外出中に脱出しますが、その時の騒ぎで墨縄家の家宝である壺が割れてしまいます。すると、割れた壺の中から何かの鍵が出てくるのでした(不二子は、ルパンたちと合流します)。
終盤
小太郎たち風魔一族は、墨縄家の財宝が隠されている砦に来ていました。
小太郎が入り口を開けると、そこには銃を構えた墨縄馬場の姿がありました。壺が盗まれたことに責任を感じ、一人で財宝を守ろうとしたのです(盗んだのはルパンなのですが・・・)。
しかし馬場は、あっけなく小太郎に捕まってしまうと、崖から突き落とされてしまいます。
その後、ルパン、次元、峰不二子に、途中で合流した五エ門と紫の2人を合わせた5人と、ルパンを追ってきた銭形警部や岐阜県警機動隊が続々と砦に集結していきます。
ルパンたち5人は、あちこちに仕掛けられている罠を掻い潜りながら砦の奥へと進んでいきます。
この時銭形は、川辺で気絶している馬場を発見します。
馬場の話によると、この砦はあと1時間で崩壊し、解除するには鍵が必要だけど、その鍵穴は馬場自身が破壊したとのことです。
銭形は、ルパンたちが崩落で死んでしまうことを危惧し、馬場の案内の元砦の中に突入するのです。
そしてルパンたちは、ついに砦の最深部にたどり着き、墨縄家の財宝である”黄金の瓦で作られた城”を発見するのです。
しかし、同時に風魔一族も財宝までたどり着いており、財宝を巡る激しい戦いが始まります。
ラストシーン
五エ門と小太郎は、最後の決闘を始めます。五エ門は斬鉄剣の使い手ですが、小太郎は七節棍の使い手であり、なかなかの強敵です。
互角の勝負が繰り広げられますが、途中風見が紫を人質に取り、五エ門はピンチを迎えます。
しかし、紫は風見と共に天守閣から飛び降りるという勇気を見せ、これがきっかけとなって形成は逆転し、五エ門は小太郎を切り伏せるのです(紫はルパンたちが救出)。
五エ門と小太郎の勝負がついたころ、銭形と馬場がようやく到着し、「崩落するから逃げろ!」と大声で呼びかけます。
ここで、砦の崩落が始まりますが、全員が無事に脱出します。
そして最後、五エ門は「修行が足りない」という理由から、紫との婚姻を破棄し、再び修行に出てしまうのです。
考察及び感想
五エ門はなぜ結婚しようと思ったのか?
作中、いきなり五エ門の結婚式のシーンから始まります。このシーンを見て、驚いた方もいいと思います。
あの五エ門が結婚!?
どうも結婚相手の紫とは、昔ながらの恋仲のようです。回想時代を見るに、紫が高校生あたりから二人の関係は始まっているようですね。
(五エ門が紫からキスをせがまれ、照れながらも応えようとするシーンを見ると、二人はまだ具体的な行為に及んでいないと思われる。むしろ、五エ門はきっと童〇に違いない!)
しかも気になるのは、五エ門が婿養子として墨縄家に行くというシチュエーション。五エ門が婿に行ってしまって、石川家は大丈夫なのか?
五エ門は、古来の日本文化を大切にする人間なので、家督を誰が継ぐかという問題に関しては強いこだわりをもっていそうなもんですが…
実は、五エ門の家族についてはシリーズ全作を通じて詳しく語られておりません。母親の存在と、祖母の存在がほのめかされているくらいです。
式の参列者を見ても、五エ門の関係者はルパン、次元、不二子の3人だけ。あとはすべて墨縄家の関係者のように見えます。
これは想像の範囲を超えませんが、きっと五エ門には兄がいて、家督は兄が既に継いでいる、もしくは継ぐ予定であるのではないでしょうか。
だからこそ、五エ門は墨縄家へ婿に行く決心をしたのだと思われます。
墨縄馬場は本当に殺人罪?
ストーリー終盤、墨縄馬場から「砦の崩落を止めるための鍵穴を自ら壊してしまった」という申告を受けて、銭形が「殺人罪だ!あなたはお孫さん(紫)を殺そうとしている!」と騒ぎ立てるシーンがあります。
馬場は本当に殺人罪なのでしょうか?
実は、殺人罪は、ナイフや鉄砲で直接的に相手を傷つけて殺害する「作為犯」だけではありません。
例えば溺れかけている小さな子供を故意的に助けないがために死んでしまった場合は、「不作為犯」として殺人罪が適応される場合があります。
馬場が行った行為は、鍵穴を壊すことによって故意的に砦の崩落(つまり、かなり高い確率で中の人間が死ぬ)を招く行為であるため、不作為犯の殺人罪が適応されてもおかしくありません。
ただ、殺人罪の立証で一番難しいのは「殺意の立証」です。「殺してやる」という意思がなければ、殺人罪は適応されないのです。
馬場が、取り調べにおいて「まさか人が死ぬと思っていませんでした」と答えようものなら、殺意は認められず、明らかに安全管理に問題がある施設を放置していたとして「業務業過失致死罪」が適応される可能性が高いのではないでしょうか?
しかし、馬場に少しでも殺意があれば、例えば「『もしかしたら人が死ぬかも』とはちょっと思ったけど、『まあいいや』と思ってやってしまいました」的な供述をした場合、”未必の故意”が認められて殺人罪が適応される可能性がグンと上がります。
それにしても、銭形が少し気になる発言をしています。
財宝を狙っているルパンの姿を見て、「ここは国有地だ、どんなにおまえが財宝を掘り当てようと、国庫に返される」的なことを言っていました。
国有地、つまりこの砦の管理は国ということでしょうか?
そうなると話は変わってきます。安全管理の責任はすべて国が受け持つということになってしまうからです。
この砦の罠にかかって死んだ者の遺族は、間違いなく国に対して訴訟を起こすでしょう。その場合、完全に国は負けます。
いずれにせよ、この砦の管理は国なのかそれとも墨縄家なのか、その辺がはっきりしなければなんとも言えない話です。
鍵の存在意義
不二子は、壺を壊した時に鍵を手に入れます。
これは、砦の崩落を食い止めるための鍵であることが後ほど判明します。
しかし、肝心なその鍵穴は、馬場の手によって破壊されてしまうのです。
ここで思うのは・・・
この鍵、いる?
この鍵の存在がストーリーに関係してくる場面は散見されず、別になくてもいいんじゃないかと思ってしまいます。
五エ門のけじめのつけ方はこれでよかったのか?
最後、五エ門は自分の未熟さを理由に紫との婚姻を断っています。
果たして、けじめのつけ方としてこれでよかったのでしょうか?
五エ門の言う「未熟」とは、砦の中での出来事に深く関係していると思われます。
とある室内を探索中、幻覚を見る薬を嗅いでしまい、紫を敵と勘違いして斬りつけてしまったのです。紫は腕に軽傷を負い、五エ門はものすごく気にしていたのです。
「愛する者を守るどころか、自ら傷つけてしまった」ということなのでしょうか?
しかし、途中で風魔一族の邪魔がはいったものの、実際に式が行われるまで話が進んでいるのに、ここで「やっぱり無しね」としてしまうのは、紫はともかく墨縄一族がだまっていないでしょう。
花嫁も「他に相手ができたのか?もしかして、浮気!?」って疑うと思います。
それに、手続き関係も気になります。通常、婚姻届けを市役所に提出してから式を行うのが一般的ですので、五エ門たちも既に婚姻届けを提出しているものと思われます。
ということは、紫と婚姻関係は続けつつもいきなり別居状態ということなのか、又は早速離婚届を提出して婚姻関係を正式に破棄するのか?
それとも、婚姻届け自体をまだ提出していないのか?
いずれにせよ、これから結婚を考えている方に言っておきたいことは、「自分が未熟だから」という理由で結婚の破棄を申し出た場合、間違いなく両家親族からフルボッコにされますので、くれぐれも注意してくださいね。
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