コアなファンを引き付けて止まないクソ映画の存在
これまで世界では、「名作」との呼ばれる映画が数多く生まれてきました。
それらは、アクション、ホラー、恋愛など様々な分野において存在しますが、共通して言えることは、人間の文化形成に対して非情に大きな影響力を持ち、見る者に非日常的な快楽を与えてくれるとうことです。
一方、「名作」と呼ばれる映画の陰に隠れるようにして、「クソ」と呼ばれる映画が数多く制作されてきたのもまた事実。
それらは、制作費の問題であったり、ストーリー性の問題であったり、キャストの問題であったりと、クソと認定される理由は様々です。
しかし、人間不思議なもので、「クソ映画」と分かりつつも「一度はそれを見てみたい!」という欲求に駆られてしまうのです。
そして、そんなクソ映画を一度見ることによって、「名作」と呼ばれる映画の偉大さを再認識することが出来るでしょう。
今回は、一般的に評価が低くなおかつ個人的に見て「こりゃクソだ!!」と思えた、愛すべきクソ映画たちを紹介していきます。
この記事は、こんな人におススメです!
✔ クソ映画が見たい!
✔ 普通の映画に飽きた!
✔ 名作映画の偉大さを再認識したい!
クソ映画7選
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
✔ ストーリーが酷過ぎて原作ファン大激怒
✔ 令和が始まったばかりだというのに、「令和の駄作」と言われる
あらすじ
リュカは、尊敬する父親であるパパスと共に世界を旅していた。この時、幼いリュカは、父親の旅の目的を理解できずにいた。
その後、突如現れたゲマという魔物によりパパスは殺されてしまう。
父親との別れを悲しむ暇もなく、リュカはゲマに捕らえられ神殿に監禁され、青春時代のほとんどを奴隷として過ごす。
8年後、リュカはヘンリーと力を合わせて、神殿からの脱出に成功。
その後、久しぶりに故郷のサンタローズに戻ってきたリュカは、亡き父パパスの日記を発見する。
解説
序盤は、原作を忠実に再現していて面白いです。
戦闘シーンも、なかなか迫力あるアニメーションを駆使しています。
途中、リュカが結婚相手をフローラかビアンカかどちらかを選ぶとき、「人道的にどうなの?」と思えるような鬼畜っぷりを発揮しますが、ビアンカがかわいいのでギリギリ許せます。
問題は、ラストシーン。
このシーンのとあるセリフで、多くの原作ファンを激おこぷんぷん丸状態にさせてしまったのです。
このシーンさえなければ、このアニメはそこそこの評価がされていたのではないかと思います。
そう考えると、とてももったいない作品です。
明日、君がいない
✔「吐き気がする」「辛い」「精神が崩壊しそう」などの辛辣な感想多数
✔ ストーリーが鬱展開すぎる
✔ 最後は「ファ?」ってなる
あらすじ
ある日の午後2時37分、オーストラリアのとある高校の教室において自殺事件が発生する。
6人の男女が繰り広げる、昼ドラ顔負けのドロドロの人間関係。皆それぞれ、人には言えない悩みを抱えながら生きている。
果たして、自殺をしたのはいったい誰なのか?
解説
主人公たちの悩ましい日常生活を見ながら、自殺したのが誰なのかを視聴者が推測するというスタイルを採用しています。
また、ストーリーの展開の仕方も、主人公たちの事後コメントと回想シーンが交互に映されるという斬新なもの。
しかし、内容が本当に辛い。
「これじゃあ、自殺をしても不思議じゃないな・・・」
と思ってしまうような出来事が、雨あられと降り注いできます。
そんな辛すぎる出来事を見ながら、視聴者は2時間を耐えなければなりません。
鬱耐性が無い人が見たら本当に病んでしまうかもしれない、そんな危険性をはらんでいる映画です。
※注意※
鬱耐性が無い方、既にうつ病を患っている方、本気で死ぬかどうか迷っている方は絶対にこの映画見ないでください。
黒い太陽 恐怖の細菌部隊731
✔ 極端な反日思想
✔ 歴史の捏造
✔ 流ちょうな中国語を話す日本兵たち
✔ 本物の遺体を解剖するのはやり過ぎでしょ・・・
あらすじ
ある日、医者である飯田太郎のもとに徴兵状が届く。
飯田太郎は、恋人の愛子と離れ離れになり、満州の731部隊へ赴任することとなった。
しかし、飯田太郎が731部隊のなかで見た光景は、想像を絶するほど酷いものだった。
彼らは、捕虜たちを「マルタ(丸太)」と呼び、まるでモルモットのように人体実験の被験者として扱っていた。
毎日繰り返される、残虐非道な人体実験。
飯田太郎は、良心の呵責に悩まされることになる。
解説
日本をネガキャンすることだけを目的に作られた、悪意のある映画です。
これでもか!!ってくらい、日本兵を鬼か悪魔のように描いています。
キャストが全員中国人なのはまだいいのですが、登場する日本兵は何故か全員流ちょうな中国語を喋ります(何故か返事だけは「はいっ」と日本語になっている)。
「そこは日本語音声の中国語字幕にしてくれよ!」っと、思わず突っ込みを入れてしまいます。
そして、今世紀最大のコンプライアンス違反映像が出てきます。
それは、本物の遺体を使用した解剖シーンです。
今の時代にこの映画を作ろうと思ったら、間違いなく撮影許可は下りないでしょう。
そういう意味では、貴重な映画なのかもしれません。
TO 共生惑星(アニメ)
✔ 主人公の脳内がお花畑
✔ 無理やりすぎるハッピーエンド
あらすじ
地球で資源を取りつくした人類は、宇宙に活路を見出そうとしていた。
水瓶座ベータ星第5惑星では、アメリカ・ユーロ共同コロニーとユーラシア連邦の二つのコロニーが、激しい資源開発競争を行っていた。
そんな中、イオン(アメリカ・ユーロ共同コロニー出身)とアリーナ(ユーラシア連邦出身)は、夜な夜なコロニーを抜け出し、秘密のデートを繰り返していた。
ある日、両コロニー間の緊張が高まり、一触即発の事態に陥る。
「この戦争マニアめ!!」イオンは、怒りの声をぶつけるのだが・・・
解説
要は「戦争は悪いことですよ」ってことを主題としたアニメ。
言いたいことはわかるのだが、主人公のイオン君の脳内がお花畑すぎるのと、あまりにも無理やりすぎるハッピーエンドっぷりが、見ていて痛々しい。
「植民地」「征服」という、なんだか気になるキーワードもたくさん出てくるのですが、言葉の使い方が正しいかどうかは極めて微妙。
魔の巣
✔『IMDb』の”史上最悪な映画”で第3位受賞
✔『Hollywood’s Most Wanted』の”史上最悪な映画”で第2位受賞
✔『エンターテイメント・ウィークリー誌』の”史上最悪な映画”で第1位受賞
✔ 学芸会並みの演技力
✔ カメラワークが雑
✔ ストーリーが謎
あらすじ
マイケルは、妻のマーガレット、娘のデビーを連れて旅行中のところ、宿泊先のホテルが見つからずに道に迷ってしまう。
そしてマイケルたちは、辺りをさ迷っているうちに怪しい屋敷へたどり着く。
この屋敷には、トーゴと名乗る挙動不審な管理人がいる他、”ご主人様”と呼ばれている男が住んでいた。
そしてマイケルは、この奇妙な住民たちが執り行う”悪魔の儀式”を目の当たりにしてしまう。
解説
不名誉な記録を総なめにしたこの映画ですが、誰が見ても納得するクオリティーの低さ。
まず、映画の製作費を極限にまで切り詰めており、監督の節約家っぷりが如何なく発揮されています。
従って、プロの俳優など雇えるはずがありません。
登場するキャスト全員が素人で、終始学芸会に毛の生えたような演技が繰り広げられます。
また、プロのカメラマンを雇うことすらしないという潔さ。
完全素人の監督がカメラを担当しているので、カメラワークがとっても雑。
じゃあ、低予算のデメリットをストーリー性でカバーできているのかというと、全くそんなことはありません。
登場人物たちは支離滅裂な行動を繰り返し、感動をしなければ盛り上がることもありません。一応、ホラー映画というジャンルですが、怖いと感じる瞬間もありません。
ここまでクソな映画に出会うことができたのは、ある意味奇跡と言えるでしょう。
ストリート・ファイター
✔ 全体的に原作の再現度が低い
✔ 名前間違いが散見される
✔ キャラ設定が謎
あらすじ
国連軍は、悪の組織『シャドルー』と抗争を繰り広げていた。
『シャドルー』のボスであるバイソンは、民間人63人を人質に取り、国連軍に対して200億ドルの身代金を要求する。
国連軍に所属するガイル大佐は、そんなバイソンの脅しに屈することなく、人質を救出するため『シャドルー』への潜入を試みる。
ガイル大佐は、その過程においてたくさんの格闘家たちと出会い、戦っていくことになるのだが・・・
解説
あの世界的に有名な格闘ゲーム『ストⅡ』を実写化した映画です。
この手の映画(アニメやゲームの実写化)は、クソ映画が生まれやすいというジンクスが存在するのですが、本作も例に漏れずちゃんとクソ映画になっています。
まず、全般的に原作キャラの再現度が低いです。
コレジャナイ感が拭えない春麗、何故かサモア人のE.ホンダ、体が二回りほど小さいサンダー・ホークなど・・・
そして、原作キャラの名前を間違えるという致命的なミスを犯しています。
ベガが「バイソン」になり、バルログが「ベガ」になり、バイソンが「バルログ」になっています。
なぜ最後まで誰も気づかなかったのか…?
また、キャラ設定が謎過ぎます。
硬派で格闘一筋というイメージが強いリュウですが、本作ではなぜか詐欺師という設定。
さらに、ダルシムに至っては格闘家ですらなくただの研究員で、その辺の雑魚キャラに普通にボコられています。もちろん、手足も伸びませんし、火も吐きません。
しかし、見ていて不快になるような映画ではありません。主人公のガイルが無駄にかっこいいので、映画としてはそこそこ楽しめると思います。
二ノ国(アニメ)
✔ 登場人物たちの頭が悪すぎる
✔ ヒロインが棒読み
✔ ご都合主義的ストーリー
あらすじ
ある日、親友同士のハルとユウは、ひょんなことから異世界に飛ばされてしまう。
そこは、足が不自由なはずのハルが元気に走り回ることができる、不思議な世界。
そこで二人は、同級生のコトナと瓜二つであるエスタバニア王国王女のアーシャと出会う。
元の世界(一ノ国)と異世界(二ノ国)で見られる数々の共通点から、ユウとハルはある仮説を立てる。
「もしかしたら、一ノ国と二ノ国は繋がっているんじゃないか?」
ユウとハルは、二つの世界を往来し謎を解きあかしながらも、エスタバニア王国に迫る巨悪へと立ち向かっていく。
解説
RPGゲームが元なっているこのアニメ。
監督は有名な人で、アニメーションは奇麗で、声優もそこそこ豪華で・・・
クソになりえる要素がなさそうに見えて、それでもクソ映画になってしまった残念な作品がこの『二ノ国』。
このアニメの残念なところは、なんといっても登場人物たちの思考回路(特にユウ)。
「普通、そんなふうにはならないだろ・・・」と、疑問に思ってしまうようなことを彼らは平然とやってのけます。
そんな摩訶不思議な出来事が次から次へと畳みかけてきますので、見ている方も突っ込みが追い付きません。
また、主人公に謎に懐くピンク色の犬みたいなキャラが出てくるのですが、結局そのキャラが何だったのかは明らかにされないなど、伏線を回収しきれていないところも散見されます。
まとめ
以上、非常に残念な出来となってしまったクソ映画・アニメを7作品紹介しました。
ゲームの世界では、クソゲーを愛してやまない「クソゲー愛好家」という人たちが存在します。
実は、それと同じように、クソ映画を愛してやまない「クソ映画愛好家」も一定数存在するのです。
事実、今回紹介した救いようのないクソ映画『魔の巣』は、一部の熱狂的なファンたちがいたおかげで、2012年になんとゲーム化されています。
可もなく不可もない映画はすぐ忘れ去られてしまいますが、仲間と映画談義をする際に盛り上がりやすいのはクソ映画の方でしょう。
クソ映画は、人々の記憶に長く残り続けます。
それが、クソ映画の存在し続ける意義なのかもしれません。
なお、「この映画を見てみたい!」と思った方は、各項目最下段に貼られてあるリンク記事を読んでいただき、視聴方法を確認してください。
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