作品紹介
制作 | 2007年 |
ジャンル | アニメ |
監督 | 安藤真裕 |
キャスト | 長瀬智也、知念侑李、竹中直人、山寺宏一、大塚明夫 |
『ストレンヂア 無皇刃譚』は、2007年、激しすぎる戦闘シーンのためR-12指定で放映された劇場アニメです。
主人公である『名無し』の声は長瀬智也、僧の『絶界』の声は竹中直人が担当しています。
なお、ストレンジアではなく、ストレンヂア、です。
このアニメのみどころ
このアニメのみどころは、過激すぎる戦闘シーンと、重要な登場人物たちが容赦なく瞬殺されていくところです。
まず戦闘シーン。
時代背景が戦国時代というだけあって、刀の斬り合いや合戦のシーンがメインとなりますが、アニメーションが使いまわしの無しで、首や腕がポンポン空中に飛び交うなどめちゃくちゃ迫力があります。
さらに、腕が折れてプラーってなったりするところなど、人間の身体のかなり細かいところまで描かれているところに、強いこだわりを感じます。
しかし、内臓グチャーみたいなグロ表現はありませんので、ご安心ください。
次に、登場人物たちに容赦ないというところ。
普通、主要な人物が死ぬときは
みたいなやりとりがあってしかるべきですが、このアニメはそんな甘えはありません。
叫び声をあげる暇などなく、0.5秒で血がブシャー、はい死亡
これで終わりです。
ということで、結構主要思われていた人物たちが、まるで雑魚的がなぎ倒されるかの如くバンバン死んでいきます。
これまでの時代劇アニメにはなかなかない、いさぎよすぎる戦闘シーン。
一見の価値ありです。
登場人物
名無し
本作の主人公。全般を通じて本名は明らかにされない。仔太郎からは、「おい、名無し」と呼ばれている。
幼い頃、難破した船から拾われて日本にやってきているので、両親の顔も、自分がどこの国の人間かもわからない。
髪は赤色で、定期的に黒に染めている。
かつて某国に仕えていた武士だったが、反乱に加担させられたうえ、幼い子供を斬首。この出来事がトラウマとなり、自ら刀を封印して世捨て人となる。
剣の腕は超一流で、体術にも長けている。
羅狼(らろう)
民国武装集団(後述)のリーダー的な存在。
剣の腕は超一流で、剣豪が揃う民国武装集団の中でも随一。十数名程の野党を、たった一人で全滅させる。
強い奴と戦うことだけが生きがいというサイヤ人みたいな人間で、それ以外のことに興味はない。
名無しの実力を認めており、名無しと戦うことに生きがいを感じている。
武装集団の中では唯一、薬を服用していない(後述)。
仔太郎
民国から脱出し、日本に渡ってきた子供。なぜか民国の武装集団に追われている。愛犬の飛丸は無二の親友。
虎杖将監(いたつきしょうげん)
赤池国に仕える赤池国の武士で、剣の腕は赤池国No.1。主君からの信用は厚く、部下から慕われている。相談役的なポジションにあり、国の軍隊の運用をほぼ任されている。
妻と幼い子供がいる。
かつては、名無しと共に同じ国に仕えていた。
国に忠義を尽くしているかのように見せているが、実はかなりの野心家で、いつかは己の腕で出世したいと考えている。
羅狼と道場で立ち会うが、打ち込まれてしまう。
羅狼との戦闘の最中、白鸞に火縄銃で心臓を撃ち抜かれて戦死。
戍重郎太(いぬいじゅうろうた)
赤池国に仕える武士。将監を兄のように慕っており、将監からも絶大な信頼を置かれている。
剣の腕はまだまだだが、弓の腕は超一流。
赤池国の姫君に片思いをしている。
木酉の手斧に頭を割られて戦死。
祥庵
仔太郎の民国脱出を手助けした日本の僧。
人格者だったが、己の保身のため仔太郎を民国武装集団に引き渡す。
その後、自分のした行いを悲観し自殺。
民国の武装集団
不老不死の薬「仙薬」を獲得するため、民国皇帝から赤池国に派遣された総勢10名の武装集団。
各個の戦闘能力は極めて高く、訓練された武士が束になってかかっていっても、一瞬にして皆殺しにしてしまう。
現在でいうマリファナのような薬を定期的に常用しており、骨が折れようが指がちぎれようが全く痛みを感じない。
白鸞(びゃくらん)
民国武装集団の長。皇帝に対しての忠義は厚い。
皇帝のために不老不死の薬を探しているが、実は自分自身が使おうとしている。
獅子音の砦攻防戦において、羅狼に裏切りられ、斬られて死亡。
羅狼(らろう)
略
風午(ふうご)
羅狼を兄のように慕っている。ある界隈では、「羅狼にBL的な感情を抱いているのではないか?」とすら言われている。
鷹を自由に操る。
戦闘タイプは青龍刀の二刀流。
獅子音の砦攻防戦において、名無しとの戦闘で左腕を折られた挙句、刀が脊髄付近に突き刺さって戦死。
木酉(もくゆう)
木卯の姉。そこそこ歳はいっているかもしれないが、全然許容範囲。
戦闘タイプは手斧。
獅子音の砦攻防戦において、将監の槍が腹部を貫通したうえ、弓兵の弓を全身に受けて戦死。
木卯(もくぼう)
木酉の妹。普通にかわいい。
戦闘タイプは弓。
獅子音の砦攻防戦において、重朗太の弓を受け、顔面が吹っ飛んで戦死。
金亥(きんがい)
戦闘タイプは鞭。
名無しとの戦いの最中、喉に刀の柄による強烈な一撃を食らい、首の骨が折れて死亡。
土巳(どし)
戦闘タイプは不明(戦闘シーンが無いため)。
赤池国に捕らえられ、拷問を受ける。
はじめのうちは平然としていたものの、薬の効果が切れると途端に苦しみだす。
民国武装集団の秘密の全てを吐き出した後、将監の命により殺される。
月申(げっしん)
戦闘タイプは鎌付き三節根。
獅子音の砦攻防戦において、名無しに胴体を真っ二つにされて戦死。
水辰(すいしん)
戦闘タイプは薙刀。
獅子音の砦攻防戦において、名無しに脳天から刀を突き刺されて戦死。
火丑(かちゅう)
ただのデブの占い師・・・ではなく、れっきとした戦士。
儀式を執り行う際の進行役を命じられる。
獅子音の砦攻防戦において、名無しが放り投げた刀が喉に突き刺さり戦死。
ストーリー(細部)
序盤
土砂降りの中、赤池国領地内を更新する怪しい集団があった。
それは、民国から派遣された、白鸞率いる総勢10名の武装集団だった。
獅子音の砦に怪しげな施設を作っているというだけで、彼らの日本の滞在目的は不明。赤池国の武士たちは、武装集団のことを訝し気な目で見ていた。
一方、赤池国内を浮浪する少年・仔太郎は、廃れたお堂の中である男と出会う。
それが、流浪の剣士・名無しだった。
仔太郎は、なぜか赤池国の武士から、そして民国武装集団から追われていた。名無しは、仔太郎を追ってやってきた民国武装集団の金亥と戦闘になり、辛うじてそれを退ける。
こうして名無しは、万覚寺まで到達するまでの間、仔太郎の用心棒をすることになった。
街に買い物に出かけた名無しは、偶然にも街を偵察中の羅狼とすれ違う。
羅狼は、瞬時に名無しの実力を察知すると、突然切りかかり一進一退の攻防を繰り広げる。
しかし、名無しは一向にして刀を抜こうとしない。名無しが刀を抜かないのには、深いわけがあるようだった。
その後羅狼は、同行していた風午から「金亥と土巳が殺された」との報告を受け、赤池の城に戻ることとなる。
中盤
殺された思われていた土巳は、実は赤池国の武士によって捕らえられ城に監禁されていた。
赤池国の領主は、民国武装集団の怪しげな行動を知るため、土巳を拷問して吐かせようとする。
しかし、土巳は一向に口を割らないばかりか、どんな責めに対しても顔色一つ変えない。
ところが、しばらく時間がたつと土巳は急に苦しみだす。服用していた薬の効果が切れたのだ。
土巳は、民国武装集団の秘密のすべてを話し出す。
明の皇帝は、仙薬と呼ばれる不老不死の薬を求めていた。そのため、獅子音の砦に儀式に必要な祭壇を作っていた。
そして、その儀式の生贄として仔太郎の血が必要だというのだ。
赤池国領主は、民国武装集団を国から追い出し、仔太郎を捕まえて民国皇帝に売り渡そうと企む。
白鸞たちは、赤池国の裏切りの気配を感じ取っていた。
白鸞は、この国脱出し早急に儀式を執り行うよう羅狼たちに命じる。
一方、名無しと仔太郎は、目的地である万願寺に到着していた。ここには、仔太郎の民国脱出を手助けしてくれた僧・祥庵がいた。
名無しは、仔太郎を祥庵に引き渡すと、また宛てのない旅に出ようとしていた。
ところが、仔太郎を待ち受けていたのは民国武装集団の月申と水辰だった。万覚寺の住職である絶界は既に赤池国と通じており、味方と思われていた祥庵も、自らの保身のため絶界の方針に従っていたのだった。
月申と水辰は、仔太郎を連れて祭壇へと向かおうとする。
ここで赤池国の武士が現れ、仔太郎を奪い返そうと月申と水辰に切りかかる。
不穏な空気を察知して寺敷地内に戻る名無しだったが、時すでに遅し。仔太郎は既に連れ去られた後だった。
名無しは、祥庵から「小太郎は儀式の生贄として殺される」と聞かされると、殺されると知りながら引き渡した祥庵に
と言い放ち、袈裟を斬って小太郎の救出に向かう。
終盤
将監は、軍を率いて獅子音の砦に向かう。
それに対して白鸞は、赤池国領主を人質に取り、武装集団の生き残りと共に獅子音の砦に立て籠もる。
しかし、野望に生きる将監は、重朗太に命じて領主を殺させ軍の全権を手中に収める。そして、そのまま獅子音の砦に攻め入り、激しい攻防戦が繰り広げられることとなる。
一方名無しは、飛丸の鼻を頼りに獅子音の砦に辿り着き、仔太郎を救出するためにその攻防戦に加わる。ここで名無し、これまで封印してきた刀をついに解禁する。
名無しが戦闘に加わったことにより、獅子音の砦攻防戦は三つ巴の戦いへと発展する。
(この攻防戦において、名無し、仔太郎、羅狼以外の全ての主要人物が戦死する)
数々の強敵と戦い既に満身創痍の名無しだったが、最後に残った名無しと羅狼は最後の斬り合いを行う。
お互いの意地をかけた壮絶な戦いの結果、最後に勝ったのは名無し。
かつて、仔太郎から用心棒の報酬としてもらった翡翠の宝石が盾となり、名無しは致命傷を避けることができたのだ。
ラストシーン
名無しは、仔太郎が手綱を取る馬の背に乗っていた。
名無しが獅子音の砦攻防戦において受けた傷は深く、身動きが取れずにぐったりしていた。
仔太郎は、「傷が治ったらこの国を出よう」と名無しに提案し、笑顔で馬を走らせていく。
名無しは、そのままゆっくりと目を閉じる。
馬が走った後には、馬の足跡と名無しの血だけが雪の上に残されていた。
1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)
忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。
✔ 流浪の少年仔太郎は、民国武装集団から狙われていた。名無しは、万覚寺に到着するまで仔太郎の用心棒をすることにした。
✔ 民国武装集団の本当の狙いが明らかになった。彼らは、不老不死の薬・仙薬を手に入れるため、儀式の人質として仔太郎を探していたのだった。
✔ 赤池国領主は、民国武装集団の狙いを逆手に取ろうとするが、失敗。仔太郎を捉えた白鸞たちは、獅子音の砦に立て籠もり、儀式を強行しようとする。
✔ 将監は、軍を率いて獅子音の砦に攻め込むが、部隊は全滅。民国武装集団も羅狼以外は戦死する。名無しは、仔太郎を助けるため、羅狼と最後の決戦を行う。
✔ 結果、名無しが勝つ。しかし、最後は名無しの生死不明の状態で終焉。
興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!
考察及び感想
名無しの生死は不明
このアニメの最後は、獅子音の砦攻防戦において満身創痍となった名無しが、馬の上で力なくゆっくりと目を閉じるシーンで締めくくられています。
果たして、名無しは死んでしまったのか?それとも眠っただけなのか?
その辺の真偽は明らかになっていません。
名無しが目を閉じる直前に仔太郎が発した「傷が治ったら、この国を出よう」というセリフも、「この戦いが終わったら、俺、結婚するんだ」に代表されるTHE 死亡フラグのようにも聞こえます。
おそらく、どちらでも捉えられるよう敢えてぼかした終わり方にしているのでしょう。
この終わり方、なんとなく”明日のジョー”っぽい気もします。
野望のために生き、野望によって死んだ将監
虎杖将監は、初めは忠臣っぷりを装っていたのですが、最後は自分の仕えていた領主を殺し、国を乗っ取ろうとした超裏切り者です。
とはいえ将監は、重朗太を始めとする赤池国の多くの武士たちから慕われていましたし、ところどころで人望の厚さをうかがわせる場面が出てきます。
きっと、元々は武芸に秀でた人格者、武士の見本のような人物だったのでしょう。
また、獅子音の砦攻防戦において将監が羅狼に殺された時、将監の胸元からは民国武装集団が服用していたものと同じ薬がポロリ・・・
強さを求めるためか、麻薬に心を売ってしまった将監。
野望に目がくらむことの哀れさを、将監は我々に教えてくれたのかもしれません。
ストレンヂア強さランキング発表
ということで、ストレンヂアの登場人物の強さランキングを発表します。
評価基準は、戦闘の勝敗などから見た相対評価となりますが、基本的には完全に独断と偏見です。
なお、異論は認めます。
主要VOD4社配信状況
見放題 | 有料 | |
Amazon Prime Video | × | 〇 |
U-NEXT | 〇 | 〇 |
hulu | × | × |
TSUTAYA TV | × | × |
コメント