【考察】「ルパン三世 東方見聞録 〜アナザーページ〜」(ネタバレ)ルパン殺人犯疑惑!?なんて白々しい設定((+_+))

アニメ

作品紹介

制作 2012年
ジャンル アニメ
監督 亀垣一
キャスト 栗田貫一沢城みゆき小林清志浪川大輔山寺宏一

『ルパン三世 東方見聞録 〜アナザーページ〜』は、2012年、ルパン三世TVスペシャルシリーズ第23作目として放映されたアニメです。

なお、名探偵コナンの絵と同じです(笑)

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このアニメのみどころ

本作のみどころは、マルコポーロが記した東方見聞録がメインテーマとなっているところです。

東方見聞録とは?

冒険家であるマルコポーロの、約24年にわたるアジア旅行の内容が書き記されている旅行記。実際は、マルコポーロの口述内容をルスティケロ・ダ・ピサという人物が編纂したものである。

東方見聞録の中では、日本を「黄金の国ジパング」と表記していることから、これに影響を受けた多くの航海士が船で日本を目指すようになり、これが大航海時代のきっかけになったと言われている。

なお、マルコポーロは中国で日本の噂を聞いただけで、実際に日本に渡ったというわけではない。

そう、「日本は黄金の国」という噂が世界中に広まるきっかけとなったのが、この東方見聞録なのです。

もっとも、日本には1124年に建立された中尊寺金色堂というものがあり、佐渡金山などもあったらしいので、それらの話がどんどん大きくなり、まるで国中が黄金に囲まれているかのようなイメージを与えてしまったのでしょう。

歴史のお勉強はこんなとこ。とにかく、この東方見聞録がメインなのです。

 

肝心のストーリーはというと…、うーんイマイチ。淡々と始まって淡々と終わるといった感じ。

登場人物

リサ・アルジェント

本作のゲストヒロイン。アルジェント教授の孫で、考古学を専攻している。

アルジェント教授がルパンに殺害されるというニュースを見て以来、ルパンを恨むようになる。

純朴で良い子なのだが、世間知らずで世の中を渡っていく逞しさに欠ける。

鈍感過ぎて「いい加減気づけよ!」と突っ込みたくなる。

情緒不安定なのか、しょっちゅう泣く。

ベルナルド・ビラール

ロンバルト重工の社長で、敵味方問わず武器を売りつけることで「死の商人」と呼ばれている。

ルパンと同じく、東方見聞録のアナザーページを狙っている。

常にインカムを身に着けて、直接現場指示を出す指揮官の鑑。

テオ・アルジェント

リサの祖父。アナザーページを発見した張本人。アナザーページに書かれてある内容が人類に不幸をもたらすと知り、封印しようと目論む。

リサのことをかわいがっており、考古学者として成長したリサと共にマルコポーロの謎を解くことが夢。

序盤、何者かによって殺害される。

クラウディオ・ベラルディ

リサの先生で、アルジェント教授と共同でアナザーページを探索していた。

道中、祖父を無くして不安なリサの良き相談相手となっていた。

アルジェント教授の殺害犯がルパンであることを信じて疑わない。

住職

平泉にある八宝寺の住職で、博美、留美、亜美三姉妹の祖父。小柄でおちゃらけているが、実は武道の達人。

寺には、先祖代々武蔵坊弁慶の七つ道具が伝承されており、それを守るのが使命と考えている。

以前、七つ道具を守ろうとした息子夫婦を亡くしている。

博美

八宝寺に住む三姉妹の長女。姉妹の中では、一番落ち着いている。

七つ道具を守るのは自分の使命であると強く思い込むがあまり、自分のことを後回しにしてしまう。ゆえに、まだ独身である。

五エ門に微かな恋心を抱く。

留美、亜美

八宝寺に住む三姉妹の次女と三女。何かにつけて、二人で組んで五エ門に悪戯をする。

包龍(バオロン)

中国マフィア。武器売買を生業とする。

ロンバルト重工にハメられ、投獄される。

ストーリー(細部)

序盤

イタリアのジェノバにあるサンジョルジョ宮殿の牢獄跡で、アルジェント教授が殺害されるという事件が起きた。

アルジェント教授はとクラウディオ准教授の二人は、マルコポーロの隠し遺産が記されているとされている東方見聞録のアナザーページを探していたのだった。

アルジェント教授の遺体の傍には、あのルパンが立っていた。ということで、ルパンはアルジェント教授殺害の犯人として警察から追われることとなる。

一方で、ルパンから奪うようにアナザーページを手に入れた人間がいた。それが、ロンバルト重工社長ベルナルド。そして、そのパートナーに峰不二子がいた。

 

その頃ルパンと次元は、アルジェント教授の孫娘リサからアナザーページに関する情報を聞き出そうとしていた(リサはルパンが犯人と思い込んでるため、ルパンたちは「ICPOの刑事である」と正体を偽っていた)。

しかし、リサは不二子によって誘拐され、ベルナルドのアジトに移されてしまう。

ルパンと次元はその後、ベルナルドのアジトに侵入してリサを救出し、アナザーページを手に入れる。そしてさらに、コンピューターをハッキングしてロンバルト重工のある秘密を握る。

ルパン、次元、リサの三人は、アナザーページの謎を解くために北京へ向かう。

中盤

北京に到着したルパンは、中国マフィアの包龍(バオロン)と接触。

ロンバルト重工の狙いは、戦争を引き起こして軍需産業の派遣を握ることにあると知らされる。

さらにルパンは、マルコポーロには二つの宝があり、一つはマルコポーロ自身が、そしてもう一つは日本の岩手県平泉にあることを知る。

ここで、包龍のアジトにベルナルドが乱入。衛星惑星兵器ZEALの威力を見せつけるが、ルパンたちは間一髪で脱出。

そして、マルコポーロの宝が平泉にあると知ったベルナルドは、日本へと向かう。

 

一方、五エ門は平泉にある八宝寺に身を寄せていた。武道の達人である住職から、修行をつけてもらうことになったのだ。

八宝寺では、先祖代々弁慶の七つ道具を守ってきた。そして、弁慶の八つ目の武器「黄金の刀」がそこかに存在し、それを見つけることも八宝寺に産まれた者の宿命だったのだ。

ルパンたちは、奇遇にも修行中の五エ門と出会う。そして、住職に事情を話すと、なんとマルコポーロが残した宝の一つが、実は弁慶の八つ目の武器「黄金の刀」であることが判明する。

ここで、ベルナルドの私兵が乱入し、リサを庇った博美を誘拐してしまう。リサは、責任を感じて博美の後を追う。

終盤

その後リサは、師のクラウディオと再会するが、その場にルパンが登場。そしてルパンは、自分の正体がルパンであることを初めてリサに明かす。

リサは、ショックと怒りで銃口をルパンに向けるが、ここでルパンはアルジェント教授殺害事件の真相を語る。

アルジェント教授を殺害した真犯人は、なんとクラウディオだったのだ。

本性を現したクラウディオは、ルパンを銃で撃つ(空砲だったので無傷)と、リサを連れてベルナルドが乗る飛行兵器「LD03」へ向かう。

しかし、ここでルパンの仲間たちが大活躍。不二子が機内でベルナルドの私兵を倒し、五エ門がLD03をひと斬り。

クラウディオを載せたLD03は、そのまま墜落する。

ルパンは、八宝寺の庭にてリサが首から下げているペンダント型の笛を吹く。すると、共鳴するかのように黄金の刀が姿を見せる。

なんと黄金の刀は…、爪楊枝ほどの大きさしかない小ぶりのお宝だったのだ。

 

ここで、ベルナルドが登場し、衛星兵器ZEALを使って最後の反撃に出る。しかし、衛星攻撃はルパンではなくベルナルドの頭上へ落下。ベルナルドは一瞬にして消滅する。

ルパンは、事前にZEALのシステムデータを入手しており、包龍にシステムの書き換えを依頼していたのだ。

 

さらにルパンは、黄金の刀をリサのペンダントに入れこむ。すると、「Pren den do und lezi Den  dal Passa to(古きを訪ねて新しきを知る)」というメッセージが浮かび上がる。

悲しい過去に拘らずに新しい未来を見る大切さに気付き、リサは涙する。

ラストシーン

住職は、弁慶の七つ道具を土に埋める。

過去に拘るがあまり、未来を失ってはいけないと考えたのだ。

一方で、役目を終えた五エ門は八宝寺を後にする。

そんな五エ門の後ろ姿を、博美は寂しそうに見送っていた。

 

五エ門は、刀は敵を倒すために抜くのではなく、大切なものを守るために抜くものであると悟り、残されたZEALを一刀のもとに破壊する。

1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)

忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。

✔ 東方見聞録アナザーページの研究者アルジェント教授が殺害される。その犯人がルパンであると、クラウディオは語る。その知らせを聞いて、アルジェントの孫リサはルパンを恨む。
✔ アナザーページを奪っていったのは、ロンバルト重工社長のベルナルド。ベルナルドは、アナザーページの謎を解くため、リサを誘拐する。
✔ ルパンは、正体を偽りながらリサを救出。ルパンは、ベルナルドは武器商人であり恐ろしい衛星兵器を所持していることを調べ上げる。ルパンは、マルコポーロの財宝が平泉にあると睨む。
✔ 一方、五エ門は岩手県平泉にある八宝寺にで住職と共に修業をしていた。この寺のどこかに、弁慶の八つ目の武器「黄金の刀」があるという。
✔ ここで、ベルナルドが八宝寺に出没し暴れまわる。ここでリサは、アルジェント教授殺害の犯人が実は師と仰いでいたクラウディオだったということを知る。
✔ ベルナルドは、衛星兵器を使い自滅する。
✔ マルコポーロの財宝は、爪楊枝サイズの小さな黄金の刀。それにリサのペンダントを合体させると、「温故知新」を意味するイタリア語が浮かび上がる。

興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!

考察及び感想

”ルパン殺人犯疑惑”の設定はいかがなものか…

さて、本作の最も視聴者ウケを狙ったであろう”ルパン殺人犯疑惑”という設定ですが、私からすれば白々し過ぎてかなり微妙な設定。

だって、ルパンが明らかに良い人そうなキャラを殺すなんて、ありえないですから。

開始3分で、「あ、これはルパンが人を殺したように見せかけて、実は黒幕がいるパターンだな」ってのが分かってしまいます。

なので、アルジェント教授殺害の犯人が実はクラウディオだったという事実が判明する緊迫したシーンでも、「あ、やっぱりね」という感じになり、関心も感動もしない。

 

てか、銭形はしきりに「ルパンは人を殺すようなやつじゃない」といって擁護してますが、結構ルパンは人を殺してますからね。

これまでの対雑魚敵の銃撃戦で、一体何十人撃ち殺してきたことか…

考えてみれば、これまでルパンが犯してきた殺人行為は、すべてが正当防衛/緊急避難で違法性が阻却されるものばかりではなさそうなので、ルパンには複数の殺人罪が科せられているのかもしれないですね。

フビライハン、チンギスハンは本当に平和を願っていたのか?

作中、「マルコ・ポーロと同じように、チンギス・ハーンやフビライ・ハーンも世界の平和を願っていた」と語るようなシーンがありますが、果たして本当にそうでしょうか?

世界史以上、モンゴル帝国の軍隊はかなり残虐行為を行ってきた集団として有名です。

一番有名なのは、1258年、チンギス・ハーンの孫フレグが行ったバグダート包囲戦

この戦いでモンゴル軍は、敵であるアッバース朝が降伏した後、約2週間にわたり虐殺、強姦、略奪、破壊を繰り広げました。

これにより、バグダート内の歴史的建築物や貴重な書物などはほとんど焼き払われ、女子供を含む100万人以上の市民が虐殺されたと言われています。

(もっともこれは、「投降を拒否した国は許さない」という方針を明確にするための見せしめ戦略だったと言われていますが)

今とは時代が違いますので、同じ価値観で語れない部分はあったにせよ、はたしてこれが平和を願う指導者(の孫)がすることなのでしょうか?

そもそも、「世界平和」などという言葉が当時あったのかすら疑問ですが…

五エ門はどうやってZEALを斬ったのか?

最後のシーン。

刀を抜くタイミングについて悟りを開いた五エ門は、空に飛びあがって太刀一閃。宇宙に浮遊しているZEALを斬ってしまうというシーンがあります。

えっと、どうやったら地球上から宇宙の人工衛星を斬り落とせるのでしょうか?

五エ門の腕?斬鉄剣の力?気合?

剣の先から真空波みたいなのが発生して、それが宇宙まで届いたとでも?

アニメなのでこういうところを突っ込むのはナンセンスなのかもしれませんが、地上から「エイッ!」ってやって人工衛星を斬り落とすというのは、さすがに無理があり過ぎる気がします(;’∀’)

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