漫画『クロマチ』(ネタばれ無し)ホラーとコメディのバランスが絶妙!新感覚読み切り短編集。

漫画

『黒街』の作品紹介

 連載 2015年(少年チャンピオン)
単行本 3巻(完結)
 ジャンル ホラー&コメディ
 作者 小池ノクト

『黒街』は、2015年、「少年チャンピオン」にて連載されたのホラー漫画です。

『黒街』のみどころ

この漫画のみどころは、ホラー要素とコメディ要素の絶妙なバランスです。

もともと作者の小池ノクトさんは、『殺戮モルフ』『餓獣』などホラー漫画を得意としており、本作に関しても割合的にはホラー要素が強めと言えるでしょう。

そんな中、要所要所でクスッと笑えるようなコメディ要素が入ってくるので、それがまたいい味出しているんです。

まず、ホラー要素の中心になっているのは、ゾンビの存在。

主人公・黒街耕一の住む町では、なぜかゾンビが大量発生。さらに、ゾンビの他にも得体のしれない化け物のような奴も次々と登場します。

耕一とその父のひろみは、終始ゾンビたちとの戦闘を強いられるのです。

やはり、ホラー漫画を得意とする作家さんだけあって、ホラーの雰囲気を絵で醸し出すのがとても上手ですね。周囲の人間が、知らず知らずのうちにアッチ側の人間に変貌してしまうさまは、まさにゾンビ系漫画の王道とも言えます。

以前このブログで『後遺症ラジオ』という漫画を紹介しましたが、進行し方は若干似ているのかもしれません。基本的には、1話完結型の短編の連続でストーリーを紡いでいくという方式です。

 

次にコメディ要素ですが、大爆笑…という感じではなく、ホラー世界の中に隠された違和感的な笑いがちりばめられています。

例えば、とってもいいキャラをしているのが、耕一の父親のひろみ。

彼は、いたって真剣に襲い掛かる危機と対峙していくのですが、その姿がどことなくシュールで面白いんですよね。

例えば、法被を着ながら真顔でゾンビたちに総菜を配る、とか…笑

まるでクレーンゲームのように背中から吊るされて、さす又を持ちながら眼下のゾンビたちと戦う…とか笑

何度仕事を首になっても「大丈夫、ツテはあるから」という決まり文句で逆境を乗り越えていく謎の人脈と精神力。そして、都度怪しげな仕事に就いて結局ゾンビに追い回されるという不幸。

この人がいないと漫画が成り立たないんじゃないか?ってくらい、ひろみは重要人物です笑

是非とも、彼の背中を追ってみてください。

 

漫画自体は3巻で完結していますので、時間のない時でもさっと読み切れちゃいます。

軽い気持ちで読んでみてください。

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『黒街』のストーリー

高校2年生になる黒町耕一の父親ひろみは、妻には既に逃げられ、定職に付かずにアルバイトを転々していた。

耕一は、そんな天然で破天荒な父親に振り回され、貧乏でみじめな生活を強いられていた。

 

そんなある日、耕一は、忘れ物を届けにひろみのバイト先であるスーパーへと向かった。

そのスーパーは、一見すると何の変哲もないどこにでもあるスーパーなのだが、そこで耕一はとんでもないものを目の当たりにする。

法被姿をして、「タイムセール!」と叫びながら惣菜をばらまくひろしの前には、なんと気味の悪いゾンビの群れが…

そしてゾンビたちは、ひろしのばらまいた惣菜を貪り食っているのだ。

さらに、惣菜を食べ終えたゾンビたちは、食べたりないと見えて、パートのおばちゃんにまで食いついてしまう。

 

あまりの出来事に、全力で逃げ出す黒町ひろしと耕一親子。

「あんなところ辞めろよ!」と促す耕一に、「安心しろ、ツテならたくさんある!」とのんきに答えるひろし。

しかし、この日の出来事は、やがて二人に訪れる不幸の始まりでしかなかった。

以後の展開

この後もひろしは、止めればいいものを怪しげなバイトを転々とします。

そんなひろしは、変な植物に食われかけたり、クレーンに吊るされながら大量のゾンビを相手に戦ったりと、間抜けで悲惨な目に合い続けます。

そして、耕一の前に現れたマスク姿の謎の女子生徒・小早川。彼女が部長を務める「邪心部」とは、一体どんな部活なのか?

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