【考察】「アルキメデスの大戦」(ネタバレ)戦艦大和建造に係る費用の嘘を、数学の力を持って暴く映画

名作

作品紹介

製作 2019年
ジャンル 戦争
監督 島崎 貴
キャスト 菅田将暉柄本佑浜辺美波笑福亭鶴瓶小林克也國村隼舘ひろし田中泯橋爪功山崎一奥野瑛太

近年作成された戦争映画(邦画)の中では群を抜いて面白いのが、この『アルキメデスの大戦』です。

この映画は、日本海軍内で大鑑巨砲主義と航空兵力主義が対立するなか、100年に一人の逸材と言われる天才数学者がその類まれな計算能力を持って戦艦大和建造に係る予算捏造の真実を暴くといった内容になっており、2015年から『ヤングマガジン』において連載された『アルキメデスの大戦』を実写化したものになります。

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この映画の見どころ

内容はフィクションではありますが、「大鑑巨砲主義VS航空兵力主義」の論争は実際に行われていたことであり、また、登場人物に実在した人物が登場など、臨場感あふれる内容となっています。

 

この映画は、ストーリー構成が本当にしっかりしていますね。中盤から終盤にかけて物語が盛り上がっていく場面はドキドキハラハラ、そして最後のどんでん返しは、予想だにせず驚くと同時に、「なるほど、一理ある」と頷いてしまいたくなるような説得力があります。

キャストも、全員はまり役だと思います。主役の菅田将暉も、なかなかの演技力。

なんといっても、ジャ○ーズやAK○48などアイドル出身の人物を起用しなかったのは、監督GOD JOB!b(´∀`)

 

以下、ネタバレの内容が含まれますので、まだ映画をご覧になっていない方は注意してください。

主な登場人物

櫂直(かい ただし)

本作の主人公であり、架空の人物。演じるのは、菅田将暉

100年に一人と言われる程の数学の天才。東京帝国大学(現在の東大)数学科に所属していたが、家庭教師の教え子である尾﨑鏡子と不埒な関係があるのではという噂が流れ、同大学を退学。

美しいものを見ると、どんなものでも計測しなければ気がすまないという変わった嗜好を持っている。

「国家予算の約4割が軍事関係」という事実が、著しくバランスに欠ける(美しくない)という理由で、軍隊を忌み嫌っている。

長野修身(ながの おさみ) 海軍大将

実在した人物であり、航空兵力主義派の中心人物。山本五十六とともに、藤岡案を全面的にバックアップしている。

演じるのは、國村隼。

山本五十六(やまもと いそろく)海軍少将

実在した人物であり、航空兵力主義派の主要人物。大砲を撃ち合うという海戦の時代はもう終わり、これからは航空兵力が優劣を決めるという強い信念を持っている。

演じるのは、舘ひろし。

藤岡喜男(ふじおか よしお)海軍少将

架空の人物(モデルは藤本喜久雄)であり、航空兵力主義派の主要人物。海軍では造船担当で、本作では、戦艦大和を建造するという平山案に真っ向から対抗し、航空母艦を作るべきという藤岡案を提唱する。

演じるのは、山崎一。

平山忠道(ひらやま ただみち)海軍中将

架空の人物(モデルは平賀譲)であり、大鑑巨砲主義派の中心人物。常に冷静沈着に行動し、言動一つ一つに説得力がある。どんな汚い手を使ってでも、戦艦大和を完成させたいと考えている。

本作では、藤岡案に対抗し、戦艦大和を建造すべきという平山案を提唱している。

演じるのは、田中泯。

島田繁太郎(しまだ しげたろう)海軍少将

実在した人物であり、大鑑巨砲主義派の主要人物。日露戦争に参加した歴戦の強者だが、「戦艦は大きいが正義」「海戦は大砲を撃ち合ってなんぼ」という、前時代的な発想から抜け出せないでいる。効率や実用性よりも、精神論を重視する傾向がある。

演じるのは、橋爪功。

田中征二郎(たなか せいじろう)海軍少尉

架空の人物で、山本から櫂の世話役を命じられる。本人は、至って真面目な軍人であり、上下関係に厳しく、軍規をきっちり守る。それゆえ、自分の上官である山本に対しても、歯に衣着せぬ物言いをする櫂を嫌っている。

演じるのは、柄本佑。

高藤久仁彦(たかとう くにひこ)海軍中尉

架空の人物であり、島田の忠実な部下。エリート意識が強く、人を見下すような態度を取る。謀略のためなら、どんなに汚い手でも使う。

演じるのは、奥野瑛太。

尾﨑鏡子(おざき きょうこ)

架空の人物であり、櫂の教え子。櫂のことを心から慕っているが、鏡子の父親は櫂のことを嫌悪しており、交際を認めてもらえない。

演じるのは、浜辺美波。

ストーリー

大和沈没

時は昭和20年4月7日、沖縄海上特攻の旗艦として出撃した大和は、アメリカ空母から飛び立った航空機の猛攻に遭いました。

戦闘員の必死の反撃も虚しく、アメリカ機が放つ魚雷や爆弾は、次から次へと大和に命中していきます。

(ここでは、高射砲手の体半分が吹っ飛ぶなど、結構グロテスクな描写があります)

 

やがて大和の船体は大きく傾き、船員たちは海に投げ出されます。そして、世界最強の名を誇る戦艦大和は、戦隊を真っ二つに折りながら、海に沈んでいくのでした。

山本五十六

時は遡り、昭和8年。山本五十六と部下将兵達は、空母・赤城の甲板から飛び立っていく艦載機を見て、喜びの声を上げていました。

「これからは航空機の時代だ、大きいだけの艦はいらない」山本には、このような確信にも近い信念がありました。

 

戦艦を作るくらいなら空母を作るべき、そう考える山本でしたが、実は海軍内には未だに大鑑巨砲主義者が蔓延り、「艦は大きくあるべき」と主張する者が少なくありません。

海軍省では、「戦艦を作るべき」と主張する平山案「空母を作るべき」と主張する藤岡案の二つが浮上していましたが、予算を考えると、どちらか片方の案しか採用されません。

侃々諤々

海軍省では、平山案をとるか、または藤岡案をとるかの会議が今日も開かれていました。

平山案支持派の主要人物である嶋田は、「巨大戦艦は優雅で淡麗」「砲撃こそがすべて」「空からの攻撃は卑怯」という、前時代的かつ精神論に傾注した主張に終始します。

全く合理的な議論が出来ていないことに呆れ果てる藤岡案支持者(永野、山本、藤岡)ですが、最終決定権を持つ海軍大臣・大角岑生は、残念ながら嶋田寄りの思想を持つ人物。

巨大戦艦の模型を見て、「美しい」「かっこいい」の連発。このままだと、心象だけで平山案が採用されかねません。

 

そして、平山案を採るか、藤岡案をとるかの最終決定会議は、2週間後に決定されます。

天才数学者、櫂直

「どうしたらいいものか・・・?」思案に暮れた永野、山本、藤岡の三人は、料亭で集まり作戦会議。

そこで山本は、たったひとりで料亭の芸者全員を独り占めしているという変わった若者と出会います。この男こそ、100年に一人の逸材と呼ばれる天才数学者櫂直です。

「芸者を少し分けて欲しい」そのように話す藤岡でしたが、軍隊嫌いの櫂は要求をすべて突っぱねてしまいます。

 

一見してただの生意気そうな若者に見えますが、ここで面白いことが起こります。扇子を投げて的に当て、点数を競うという芸者の遊び『投扇興』をやるなかで、櫂は、芸者がどの位置から扇子を投げれば的に当てることができるかをすべて計算で算出してしまうのです。

恐ろしい計算能力を目の当たりにした山本は、「この男は面白い」そう思うようになります。

打開策

ここにきて嶋田、山本、藤岡の3人は、一つの打開策を思いつきます。

そもそも艦建造にかかる費用としては、平山案は8900万円、藤岡案は9300万円となっていましたが、平山案はどう考えても安すぎるそこで、平山案の予算算定の嘘を暴くことができれば、必然的に平山案を廃案にせざるを得ないという作戦です。

しかし、これには大きな問題があります。建造費を正確に算出するためには、単純に材料費だけでなく、人件費や工期などその他の要素を勘案しなければならず、2週間という短い期間ではとてもできるものではありません。

 

ここで山本が思いついたのは、ずば抜けた計算能力を誇る櫂直でした。

櫂をスカウト

山本は早速櫂の元を訪れ、事情を話した上で、平山案の予算算出をやって欲しいと依頼します。しかし、元々軍隊が嫌いなうえアメリカの大学に入学が決まっている櫂は、首を縦に振りません。

ここで山本は言います「近いうち、日本はアメリカと戦争になる」

アメリカと戦争をしても、絶対に勝てないことを櫂は知っているのですが、山本はさらに「だからこそ、大きな戦艦は如何に無駄かかわるだろう」「巨大戦艦は、日本を戦争に駆り立てる」と続けます。

 

しかし、櫂はそれでも断ります。

櫂の過去

実は櫂は、造船を手がける巨大財閥・尾崎家へ家庭教師として勤めていた過去がありました。しかし、尾崎家は海軍と裏で癒着しており、軍艦の建造を不正に受注していた会社でした。

ある日、尾崎家に平山案推進派の平山が訪ねた時も、巨大戦艦の発注を尾崎家に依頼する話を櫂は聞いていました。そこで櫂は、巨大戦艦の建造が費用対効果に見合っていないことを嶋田の目の前で論破してしまうのです。

当然、嶋田はカンカン。尾崎家の家長である尾崎留吉も、このことがきっかけで櫂を忌み嫌うようになったのです。留吉はやがで、長女である鏡子との不埒な噂にかこつけ、櫂を家庭教師クビにしたのでした。

櫂の決心

櫂は、アメリカへ行く船の上にいました。これからは、自分の明るい未来が待っている、そのはずでした。しかし、「戦争になるかもしれない」と山本から言われた言葉が引っかかります。

 

ここで、櫂の出港の見送りにと尾崎鏡子が港にやってきます。櫂は、鏡子を見ると「もしかしたら鏡子も戦争に巻き込まれるのかもしれない」そう思います。

これが決め手となります。「数学的に考えておかしい!」と叫びながらも、櫂はアメリカ留学を断念して日本に残り、山本の依頼を受けることを決心したのです(男だぜ、櫂!)。

無理難題

櫂は、海軍少佐という階級を貰い、海軍省経理局に配属されます。櫂のお世話役は、なりたての若い士官田中少尉です。

さっそく平山案の資料に目を通そうとする櫂ですが、田中が持ってきた資料はペラ紙が2~3枚だけ。分かっているのは、算出された予算が8900万円であることと、これが異常な程に安すぎるということだけで、その他の情報はすべて軍事機密、一切情報がありません

最終決定会議まであと2週間をきっているのにこの有様ではと、櫂は頭を抱えます。

平山と嶋田の電話

平山案の予算の細部を調べている者がいる、という情報は、さっそく平山本人のもとにも届きます。

嶋田は平山に電話し、「いくらなんでも8900万はやりすぎたのでは?」と訪ねます。それを受けて平山は「2週間では無理です、安心してください」と答えます。

 

やはり、平山案は胡散臭い雰囲気が漂ってきましたね。

櫂の半端ない行動力

何も資料が無い櫂は、とりあえずなんでもいいから戦艦を見てみようということになりました。

ここで、たまたま沖に停泊していた戦艦『長門』を櫂は見つけます。そして、櫂は「今から長門の中に入りたい、調整しろ」と、田中にむちゃぶりをします。

「そんな、今からなんて無理です!」と狼狽する田中でしたが、長門の艦長がたまたま永野の旧友であったため、永野の取り計らいで、櫂と田中は乗艦することができました。

 

乗艦護も、櫂の溢れんばかりの行動力は止まりません。艦長室に案内されると、そのへんの書棚をガサガサ物色して、長門の設計図を盗み見ようとするのです。

必死に止める田中ですが、櫂は田中に「艦長が部屋に入ってきたら、おまえが艦長を外へ連れ出せ」と、さらに無茶ぶりをします。

 

焦りまくる田中ですが、機転を利かし、なんとか艦長を室外に連れ出すことができました。その間を見計らい、櫂は長門の設計図を自身のメモ帳に書き写すのでした。

その後も櫂は、乗艦が許されている夕方までに、長門の船体のすべてを巻尺一本で図ろうとします。最初は櫂の破天荒っぷりに呆れ果てていた田中少尉ですが、櫂の一生懸命さに感化され、自分の歩幅を活用して縮尺を図るなど、徐々に櫂に対して協力的な態度を見せ始めます。

平山陣営の反撃

櫂の行動を快く思っていないのは、平山とその一味でした。

嶋田は、櫂が女性関係が原因で家庭教師をクビになったという噂を聞き付けると、さっそく海軍省内でも噂をばら撒きます。

この工作活動により、櫂は海軍省内では完全に孤立することになります。

価格表

造船のことなど全く知らない買いでしたが、そこは100年に一人の天才、一晩で造船に関する書物を読み込み、一日で平山案の戦艦の設計図を書いてしまいます。

あと必要なのは、船の価格表です。櫂と田中は、都内の民間造船会社に赴き、戦艦の価格表を見せてもらえるよう頼み込みます。しかし、すでに平山の手が回っており、価格表を入手することができません。

 

櫂は、藁にもすがるような思いで鏡子の元を訪れます。鏡子は、嶋田とズブズブの関係にある尾崎造船の社長令嬢なため、もしかすると価格表がもらえるかも知れないと思ったのです。

しかし、鏡子は父親の仕事に関することはからっきしで、有益な情報を得ることはできませんでした。

 

ところが鏡子は、代わりにある人物を櫂に紹介します。それは、大阪で造船会社を営んでいる大里という人間で、昔は尾崎財閥の一員であったところ、軍隊との癒着が気に食わなくて会社を辞めたという男のようです。

 

その話を聞くと、櫂と田中は早速大阪に向かいます。

門前払い

櫂と田中は、鏡子が書いた紹介状を片手に、大里の会社を訪ねます。紹介状があるとはいえ、不信感を隠せない大里に、櫂は「このまま戦艦が完成してしまうと、国民は自国の軍事力を過信してしまい、戦争に突入する。なんとしても平山案を廃案にしたい。」と言って土下座します。

しかし、大里は首を縦に振りません。

 

櫂と田中は、その次の日も朝から大里を訪ねますが、今度は会ってもくれません。その時点で、最終会議まであと6日。

結局その日も大里に会えず、途方に暮れる櫂たちでしたが、ここで奇跡が起きます。櫂の様子が心配になった鏡子本人が、大里の会社を訪れたのです。

 

鏡子本人が来たことにより、櫂と田中はようやく大里と平山案の廃止に関する具体的な話を進めることが出来るようになったのです。

早まった最終決定会議

平山案の話を聞いた大里は、「8900万でこんな大きな戦艦ができるわけがない」と言います。造船の専門家が見ても、平山案の8900万という数字は、不自然なものなのでした。

大里の話では、8900万で巨大戦艦の建造を可能にしているカラクリは、『抱き合わせ』という手法を使っている可能性があるというのです。

抱き合わせとは、戦艦を安く作る代わりに、その他の巡洋艦等を高値で買い取ってもらうことで、最終的な辻褄を合わせるという手法です。

 

櫂は、過去大里が携わった軍艦製造の資料を参考にし、平山案の正確な価格を割り出す作業にかかろうとするのですが、ここで超絶悲報が舞い込んできます。

6日後に予定されていた最終決定会議が、明日に早まったのです(もちろん、平山たちの根回し)。

 

エクセルなんか無く、すべて手書きの時代ですから、さすがの櫂でも、明日の10時までに平山案の正確な価格を計算することはできません。

 

これで万事休すか・・・と思われましたが、櫂の頭にはあるアイディアが浮かびます。そこで櫂は、大里、田中、鏡子全員を巻き込んで、とある計算をさせます。

これこそ、平山案の価格の矛盾を証明するための、唯一の方法だったのです。

最終決定会議

海軍省では、ついに最終決定会議が始まろうとしています。

決定権を持つ海軍大臣の大角は、元々大鑑巨砲主義思想な上予算も安い平山案を気に入っていたので、よほどのことがない限り覆すことは難しい状況でした。

櫂と田中は、滑り込みセーフで会議室に入室します。

 

そこで櫂は、「平山案の予算が明らかに妥当性を欠いている」という主張をします。そして、黒板に数式を書き、「この数式を使えば、すべての軍艦の価格が解るから、今から平山案の本当の予算を暴く」と説明します。

櫂が思いついたアイディアとは、軍艦に使用された鉄の総量を数式に当てはめて価格を割り出すといった方法だったのです。これは、大里が持っていた過去の資料から統計を取ったものです。

 

もちろん嶋田は反発しますが、櫂は数式を使用し、実在する軍艦の価格をすべて的確に言い当てます。これで、櫂の考えた数式の信ぴょう性が証明されたのです。

そこで、数式を使用して平山案の適正価格を割り出してみると・・・なんと1億7564万円!元の予算の倍近い価格です。

平山の反撃

これで、平山案の価格が妥当性を欠き、さらに尾崎造船との癒着の疑いまで浮上し、廃案待ったなしの状況になります。

しかし平山は「確かに、予算を捏造したのは認める。しかし、それがどうした?」と開き直ります。

さらに平山は、「2億円近い戦艦を作れば、他国が警戒する。よって、敢えて値段を安く捏造することにより、他国を油断させるつもりだった」と続けて説明します。

大角は、この平山の思考に「なんという深謀遠慮!」感動し、平山案の採用を決定するのでした。

平山の誤算

最終決定会議の結果が平山案の採用に決定し、櫂は落胆の様子を隠せません。

そして、何気なく平山が提出していた新型戦艦の設計図を見てみた結果・・・偶然櫂は、設計図の欠陥を見つけるのです。

 

「ちょっと待ったー!」

 

と、逆転裁判バリに意義を唱えると、櫂は、平山案の設計図では、30m級の大波に耐えることができないことを指摘します。さらに櫂は、自分が作成した設計図であれば、30m級大波に耐えることが出来るということも説明します。

 

この説明を聞いた平山は、造船の素人であるにも関わらず短期間でここまでの設計図を作成してしまう櫂の能力に脱帽し、自ら平山案を取り下げます。そしてここで、藤岡案の採用が逆転で決定されるのです。

 

見事平山案を廃案に追い込むことができ、永野、山本、藤岡は大喜びいますが、櫂だけは浮かない顔をしています。

櫂は、平山案の予算捏造を暴くためとはいえ、平山が作成したものを上回る程の設計図を自ら作成したのです。櫂の立場からすれば、自分が苦心して作成した設計図が世に生み出されない、そんな研究者としての悲しみがあったのでした。

山本の本心

「真実を知ったら櫂はどう思うだろうか?」

最終決定会議が終わった後、山本は帰りの車内で、永野にボソッと話をします。

 

山本の言う真実とは何か?それはなんと、新型空母を手に入れて、真珠湾攻撃を成功させるという野望でした。

山本は、以前から「平山案が採用になれば、日本は戦争になる。戦争を回避するために廃案にする」という言葉で櫂を説得していました。しかし、山本の本心は、別なところにあったのでした。

平山の告白

そして1ヶ月後、突然平山は櫂を呼び出します。なんと平山は、櫂が作成した新型戦艦の設計図を譲ってくれと交渉してきたのです。

突然の申し出に櫂は驚きますが、当然拒否します。しかし平山は、「設計図を作ったのなら、完成した姿を見たいはず」という櫂の研究者としての本心を見抜いていたのです。

 

逡巡する櫂ですが、「この巨大戦艦が出来てしまったら、日本は戦争になる。だから設計図は渡せない。」と反論します。

しかし、平山はこのように続けます。

「巨大戦艦が完成するしないに関わらず、日本はアメリカと戦争になる」
「日本は、最後の一人まで戦うだろう。そうなれば、国は滅んでしまう」
「『絶対に沈まない巨大戦艦』が沈めば、日本はそこで目が覚めて、国が滅びる前に戦争を終わらせることができる」

だからこそ平山は、この巨大戦艦(名前は『大和』)を完成させる必要があるのだと櫂に説きます。

 

このようにして大和は『必ず沈む艦』という運命を背負ったまま、建造計画が進められることになるのでした。

大和の完成

9年後(真珠湾攻撃から2ヶ月後)、櫂が設計した戦艦大和はついに完成し、竣工式が開かれていました。

 

式後、沖の方に進んでいく大和を見て、櫂は涙を流します。その様子を見ていた若い士官が、「なぜ泣いているのですか?」と聞くと、櫂は「私には、大和がこの国そのものに見えてくる」と答えます。

何も知らない若い士官は、「はい、素晴らしい艦ですね」と答え、この映画は終わりを告げます。

考察及び感想

ずっと悪役と思われていた平山が、実は日本の国を滅亡から救うために大和を作ろうとしていたこと、また、戦争を回避したいと口にしていた山本が、実は積極的に真珠湾攻撃を画策していたこと・・・

最後の最後は、まさかの結末でした。

 

ストーリー全般を通じて、とても楽しんで見ることができました。いい役者さんをたくさん使っているので、演技も上手です。

戦闘シーンは冒頭の10分間だけなので、「激しい戦闘シーンが見たい」と期待している方には、少し物足りない映画かもしれません。

 

また、原作の漫画では、ストーリーが映画と違うみたいですね。興味がある方は、漫画の方も見てみてくださいね。

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