漫画「ヒミズ」(ネタバレ)ギャグマンガと思いきや超絶鬱ストーリー・・・その魅力を紹介!

漫画

作品紹介

制作 2001年
著者 古谷実
連載元 ヤングマガジン

今回紹介する『ヒミズ』は、古谷実さんによって書かれたサスペンスホラー漫画です。

古谷実といえば、『稲中卓球部』『グリーンヒル』(この2作品については、子供の頃読んでいて爆笑していた記憶があります)など、ギャグマンガを書いているというイメージが強い作者ですが、この『ヒミズ』については、これまでのギャグ路線とは明らかに一線を画したものとなっています。

 

ストーリーの前半については、割と平凡な中学生達の青春を描いている”ほのぼの系”と言えるのですが、中盤から後半に移るにつれてどんどん陰鬱かつ暗い雰囲気になっていき、最後はあまりにも救いのない終わり方となっています。

ギャグ漫画家が、笑いとは正反対とも言えるようなジャンルを、ここまで高いレベルで書き上げることができるなんて・・・

改めて、古谷実のマンガ家としての才能を再認識せざるを得ない、そんな漫画となっています。

 

ちなみに”ヒミズ”とは、モグラのことを言うみたいです。

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この漫画のみどころ

本作の魅力は、少年誌に掲載されていたとは思えないほどの凄惨かつ悲惨なストーリー展開です。

最初の方は、ギャグ要素が盛り込まれた中学生の平凡な日常が描かれるなどしており、「あ、やっぱり古谷実が書いた漫画なんだな」っと思わせるのですが、2巻以降を読み進めていくと、ストーリーはどんどんシリアスに・・・

出血シーン、暴力シーン、人がタヒぬシーンなど、バイオレンスな描写がどんどん増えていきます。

また、登場人物たちもなかなかクレイジーな奴らが登場します。

お金欲しさに強盗殺人を犯す男、パチンコに負けるたびに放火する男、仮面を被り女装をして人を襲う男、ハイソックスを頭にかぶって通りがかりの女性に無理やりフ〇ラをさせる男、溺れたふりをして助けに来た友人を溺死させる少年・・・etc

 

安っぽい漫画であれば、「この後はだいたいこうなるだろう・・・」などと、今後のストーリー展開を容易に予想できてしまいますが、この漫画に関しては安直な予想など全く通用しません。

すべてが読者の予想の斜め上を行くストーリ展開になっており、私も読みながら「まさか・・・」「マジかよ」「ありえねぇ!」などと、独り言を連呼していました(・・;)

 

主人公の住田は、作中全般を通して「世の中に迷惑をかけるような悪い奴をやっつける」と言って、悪い奴を求めて夜な夜な街を練り歩くのですが、そう簡単に出くわすことはありません(住田の理想は、犯罪の現場に居合わせること)。

しかし実際には、住田の身近にいる人間や、住田が信用を置く人間こそが悪党だったりするのです。

そんな住田ですが、徐々に精神的に追い詰められていき、最後には目を覆いたくなるような悲惨な結末を迎えてしまいます。

 

とにかく、ストーリーが破天荒すぎて、読んていて全く退屈しません。普通の漫画に飽きてしまった人、クセの強い漫画を読んでみたい人などには是非ともオススメです。

登場人物

住田裕一

本作の主人公。両親は離婚し、母親と二人暮らしをしている。父親のことをひどく憎んでいる。実家は貸しボート屋を経営している。

正義感が強く、”世の中に迷惑をかける奴は許さない”という信念を貫く一方で、ややひねくれた側面も持っており、自分の夢に向かって突き進んでいる人間を「本当は”普通の人間”のくせに、自分を”特別な人間”と思い込んでいるヤツ」と揶揄し、嫌う傾向がある。

幻覚をよく見る。

夜野正造

住野の親友。友達思いで情が熱いが、やっていることはかなりクズ。

お金が大好きで、すべての行動基準にお金が絡む。手癖が悪く、友人の財布だろうがなんだろうが平気で盗む。お金がなくなると、電車でスリをして小遣い稼ぎをする。

行動は大胆だが、気は小さい。

茶沢景子

住野の同級生。ちょっと変わった女の子。住野に好意を寄せている。地味な見た目の割には積極的で、住野には果敢にアプローチをかけている。

最初に住野に煙たがれてしまうが、徐々に無二の存在になっていく。

常識的な思考の持ち主で、ヤケクソになりかけている住野を戒める係りでもある。

赤田健一

住野の同級生。クラスのイジメられっ子。漫画家になることを夢見て日々努力しているが、絵は下手くそ。

小野田を師匠と仰いでいるが、”お金持ちになりたいから漫画家を目指している”ということ本人に言えない。

小野田きいち

プロの漫画家を目指す青年で、実力は相当なものを持っている。

実直な性格で、「魂だけはお金で買えない」という信念を持つ。「世の中はお金」と思っている人間を嫌う。

飯島テル彦

スリの常習犯。夜野のスリの腕前を認め、手を組まないかと持ちかける。

良識が欠落しており、犯罪を犯すことに抵抗がない。

塚本とし夫

中年のホームレス。住野に気に入られ、ボート屋で働く事になる。

真面目で人当たりがよく、30歳以上年が離れた住野に対しても敬語を使う。

しかし、その裏では・・・

住田の父親

正確には、住田の元父親。住田の家庭を崩壊させた張本人。自堕落な性格で、ヤミ金業者から約600万円もの借金を抱えている。

たまに実家に顔を出しては、母親から金をせびっている。

住田の母親

父親と離婚して以来、女手一つで住田家を支えている苦労人。

愛人がいる。

少しだけストーリーを紹介(ネタバレ注意)

特別な存在じゃなくていい。ずっと普通でいい。とにかく”普通”な人生を歩みたいと願う住田祐一は、中学校に通いながら、貧しいながらも慎ましい生活を営んでいました。

住田の両親は離婚しており、住田は現在、母親と二人暮らしをしています。そんな住田は、自分達をこんな目に合わせた父親を非常に強く憎んでいました

そんな住田は、とある悩みがあります。それは、時折見るバケモノの幻覚のことです。そのバケモノは、住田が思い悩んでいる時などに現れて住田に笑いかけてくるのです。

このバケモノの正体は一体何なのか、住田に知る由はありません。

 

ある日、住田は学校から帰ってくると、なんと母親が愛人と駆け落ちしてしまい、もう家には帰ってこないということを知ります。住田は、中学生にして父親と母親を失い、たった一人で生きていかなければならなくなったのです。

その日から住田は登校拒否となり、生活費を稼ぐために新聞配達のアルバイトを始めます。

 

一方、住田の親友である正造は、電車内でのスリに明け暮れていました。そして正造は、ひょんなことからスリ常習犯の飯島テル彦と出会います。

飯島は、「二人でパチンコ屋店長の家に忍び込み、タンス貯金の2000万円を盗まないか?(報酬は山分け)」と正造に持ちかけますが、正造はこの話に乗らず、その場を立ち去ります。

 

その後、さらなる不幸が住田を襲います。

ある日、住田の家にふたりのヤクザが押しかけてきて、住田の父親が借りた600万円を返して欲しいと言うのです。もちろん、中学生の住田に返済能力はありません。

 

住田には、父親が作った600万円の借金がある・・・この事実を知った正造は、直ちに飯島のもとへ行き、「やっぱり2000万円窃盗の件を決行しよう」と持ちかけます。

正造は、報酬としてもらう1000万円の内600万円を、親友の住田が抱える借金の返済に充てようと考えたのです。

 

かくして飯島と正造は、パチンコ屋店長の家に忍び込み、2000万円を探し出すことに成功します。しかし、タイミングよく帰宅してきたパチンコ屋店長に見つかってしまうのです。

飯島とパチンコ屋店長は取っ組み合いになりますが、争っているうちにパチンコ屋店長は柱の角に頭をぶつけ、ピクリとも動かなくなってしまいます。

正造は、この不測の事態にパニックを起こし、「救急車を呼ぼう!このままだと強盗殺人になってしまう!」と言いますが、飯島は、そんな正造を尻目に驚くべき行動を起こします。

それは、部屋の証拠隠滅を図り、死体を山中に埋めるというとんでもないものでした。

そうして正造は、中学生にして強盗殺人の片棒を担がされることになったのです。

 

この後も、強烈な個性を持つ登場人物が次々と登場し、とんでもない事件が立て続けに発生していきます。

そして、幻覚に悩みつつも父親を恨み続ける住田の運命は、最悪の結末へと向かっていくのでした。

まとめ

以上、ヒミズの魅力を紹介してきました。

この後も、バイオレンスな描写の連続で、「よく少年誌で連載できたな・・・」と思えるような過激な展開の連続になっています。

 

また、この記事でも何度も触れていますが、ラストシーンがとてつもなく衝撃的かつ難解なものとなっています。

なぜ住田はあんな行動をとったのか?住田の会話には、どんな意味があったのか?

ネタバレになるため考察は控えますが、何度読んでも抽象的で解りづらい。

気になる方は、是非とも最後までこの『ヒミズ』を読んでみてください。

 

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