作品紹介
作成 | 2006年 |
ジャンル | アニメ |
監督 | 亀垣一 |
キャスト | 栗田貫一、小林清志、井上真樹夫、増山江威子、納谷悟朗 |
『ルパン三世 セブンデイズラプソディ』は、2006年、ルパンTVスペシャルシリーズ第18作目として作成された映画です。
監督は、『静かなるドン』『史上最強の弟子ケンイチ』などを手掛けた実績を持つ亀垣一さんです。
このアニメのみどころ
このアニメのみどころは、次元大介が男の美学全開で大活躍を見せるというところです。
本作では、次元の傭兵時代の仲間・ライオットという人物が敵として登場し、物語は次元とライオットの二人を中心として展開されていきます。
次元は、元々男のカッコよさを凝縮させたようなキャラです。
物語全般を通じて、次元が持つ信念や信条がよく表れており、男の美学をたっぷり堪能することができます。
また、回想シーンの中で次元の恋人も登場します。
次元は、女性関係のエピソードが少ない人物なので、本作ではなかなか貴重なシーンが見れると思います。
次元大介ファンは必見の映画です。
登場人物(メインキャラクター以外)
ミシェル
本作のヒロイン。カズ・キューイックの娘。16歳の少女。超金持ち。
家をも一括で買えるというブラックカードを持ち歩き、一泊8000ドルのホテルを「安い」と言う。
母親の死よりも仕事を優先する父を嫌っている。
良く寝る。
ライアット
次元のかつての傭兵時代の仲間。
常に大量のショットシェルを持ち歩いている。
傭兵当時、次元の恋人を守り切れずに死なせてしまう。
カズ・キューイック
ミシェルの父親。かつては軍人で、階級は大佐。
次元やライアットとは、昔共に戦った仲間。
仕事が忙しくて妻の死に目に会えず、それ以来ミシェルと不仲になっている。
副社長
警備会社『MIX』び副社長。カズの右腕的存在。
密かに社長の座を狙っている。
ダノン
宝石商の男。
右手首には、タトゥーが彫られている。
ファイヤー
雇われのチンピラ。なんでも燃やしたがる。
ストーリー
序盤
ルパンと次元は、アメリカで行われる競馬レース『マンハッタンステークス』において、八百長レースを行い大金を設けようと考えていた。
その夜、ルパンはミシェルと名乗る若い少女と出会う。どうやらミシェリは、数人の男に追われているようだ。
ここでミシェルは、「ルパンを雇いたい」と申し出る。
ミシェルには父親がいて、その父親は”悪いこと”をやっているという。
その”悪いこと”を食い止めるため、ルパンに巨大なダイヤを盗んでほしいというのだ。
こうして、ルパンのミシェルの契約は成立することとなる。
同じころ、次元はかつての傭兵仲間ライアットと出会う。
ライアットは、次元にとって因縁の相手ではあったが、ひょんなことから共同で”儲け話”を行うことに。
旧軍人のガズ・キューイックが社長を務める、世界的な警備会社『MIX』。ここで開発された秘密兵器を奪い、一儲けしようという塩梅だ。
その頃、峰不二子は五エ門を雇い、世界最大のダイヤ原石『女神のダイア』を略奪する計画を立てていた。。
そして不二子は、宝石商を名乗る男ダノンに接近。しかしルパンは、ダノンの左手首の入れ墨を見て、ただ者じゃないことを察する。
こうして、ルパン、次元、五エ門の3人は、マンハッタンレースが開催されるまでの1週間(セブンデイズ)、それぞれ別行動することとなる。
ところが、ルパンが目を離している隙に、ミシェルはファイヤーという男にさらわれてしまう。
ファイヤーは、ミシェルを連れてタイに行ったらしい。
ルパンと五エ門は、ミシェルを追ってタイへと飛ぶ。
中盤
タイに到着したルパンと五エ門だったが、早速謎の武装集団から手荒い歓迎を受け、ルパンは白衣を着たの老人に捕まってしまう(五エ門は、不二子から呼び戻されて帰国)。
この場には、ミシェルをさらったファイヤーの姿も。ミシェルは、ここに捕らわれていたのだ。
ルパンは独房を脱出するが、その過程で、白衣を着た老人は世界的警備会社『MIX』の社長カズ・キューイックでミシェルの父であること、そして不二子も狙っている『女神の涙』と何かしらの関わりがあることを知る。
ここでカズ・キューイックは、用心棒として次元とライオットの二人を雇う。
『MIX』の秘密兵器とは、ダイヤの形をした爆弾NDW(ニトロ・ダイナマイト・ウェポン)だ。カズは、『女神の涙』とそっくりなNDWを作り、本物とすり替えるつもりなのだ。
ここで、ミシェルを救出するため、カズの屋敷にルパンが登場する。そして、カズに雇われたばかりの次元には「ルパンを殺せ」という指令が下る。
しかし、次元が躊躇した一瞬のスキをつき、ルパンは脱出する。
ルパンは、ミシェルを連れてワット・ヤイチャイモンコン遺跡へと向かう。この遺跡には、カズの秘密工場があるというのだ。
二人が地下の秘密工場に忍び込んでみると、『女神の涙』の偽物が研磨されていた。ルパンは、偽物の『女神の涙』を盗み脱出を図る。
ここでルパンの前に立ちはだかったのは、次元とライオット。
ルパンと次元は、銃撃戦を始める。
ここで、ライオットはミシェルを捕まえ、大量のNDWをばらまいて単独で工場を脱出する。たちまち工場は大爆発を起こす。
ライオットは本性を現し、ルパンもろとも次元も殺そうとしたのだった。
さらにライオットは、雇い主であるカズを撃ち殺す。NDSを使って一儲けしようというのだ。
一方、ルパンと次元は、工場の大爆発から生き残っていた。
ライオットに再度裏切られた次元には、これ以上「ルパンを殺す」という契約を履行する理由がなかった。
こうしてルパンと次元は、再び相棒同士として行動を共にすることとなる。
ライオットはその後、かつてカズの部下だったファイヤー達をつき従え、副社長を『MIX』の社長の座に就かせると、己はNDWでの金儲けを本格化させようとしていた。
終盤
『MIX』の新社長から、NDWを使った恐ろしい計画が発表された。
『MIX』が開発した偽の『女神の涙』は、リモート操作により爆発させることができ、周囲10kmを吹き飛ばすほどの威力を持っている。
この偽物を、ホワイトハウスに運ばれる予定の本物の『女神の涙』とすり替え、これをネタに大統領をゆすって金銭をせびろうというものだった。
展示を明日に控えた夜、『女神の涙』の略奪のため不二子と五エ門が展示会場に忍び込んでいた。不二子は、協力者ダナンから「追加の警備は来ない」と聞かされていた。
しかし、当初の予定に反して追加警備が続々と現れる。予定外の出来事に、不二子と五エ門は退散。
不二子は、ダノンに騙されていたのだった。実はダノンは『MIX』側の人間で、不二子が警備員に追われているどさくさに紛れ、偽物の『女神の涙』を本物とすり替えていたのだった。
ルパン、次元、五エ門、不二子の4人は、『MIX』の本社へ乗り込み、ダノン、ライオットとの最終決戦に挑む。
間一髪でミシェルを助け出すことは出来たが、ダノンのライオットには『女神の涙』を持たれたままエレベーターで逃げられてしまう。
しかし、ダノンが偽物の『女神の涙』と本物をすり替えた直後、ルパンはさらに偽物と本物をすり替えていたのだ。つまり、ダノンとライオットがエレベーター内に持ち込んだのは、偽物の『女神の涙』。
偽物の『女神の涙』はエレベーター内で爆発し、ダノンとライオットは息絶える。
ラストシーン
すべては終わった。
しかし、ミシェルの父親であるカズは撃ち殺されており、もう戻っては来ない。
母親だけでなく父親まで亡くし、悲しむミシェル。
そんなミシェルに、ルパンは一枚の紙を渡す。そこには、とある病院の住所が書かれていた。
きょとんとするミシェルに対して、ルパンは一言。
「君のパパはここに入院しているよ」
父親が生きていることを知って、ミシェルは飛び上がって喜んだ。
考察及び感想
次元大介らしさが全開
今回、次元が主役級に活躍しています。
ライオットとの因縁に決着を付ける過程で、次元が持つ美学が至る所で発揮され、かっこいい名台詞もたくさん出てきます。
文字だけではなかなか伝わり切れない部分があるので、気になる方は是非とも本作を見てみてくださいね(^^♪
五エ門がお笑いキャラに??
次元がかっこよさ全開で活躍する一方で、五エ門はお笑い担当になるなどやや迷走(笑)
これまでの映画では、石川五エ門は硬派で気難しいキャラクターでしたが、お笑い要素強めのキャラとは珍しい。
また、16歳のミシェルに好かれるルパンを見て「羨ましい…」と嘆くなど、なぜかロリコンキャラとして変貌を遂げています(笑)
もちろん、大事なところではちゃんと真面目に決めてくれるので、キャラ崩壊とまではいきません。
五エ門ファンとしても、「こんな一面もあったんだ」と微笑ましく思えることでしょう。
『MIX』新社長はどうなった?
本作では、ダノンとライオットが死んでめでたしめでたし、という感じで終わっていますが、もう一人の悪党である『MIX』新社長はまだ生き残っています。
彼の去就は、一体どうなったのか?この部分については、触れられていませんでした。この辺は、作りがやや中途半端。
ダノンやライオットに勝るとも劣らない(というか、一番の)大悪党なのですから、何かしらの罰は受けて欲しいところです。
伏線の回収し忘れ?
本作で、「ん?伏線の回収し忘れかな?」と考えられる箇所が一か所ありました。
ミシェルは、父のカズが母の死に目よりも仕事を優先させたことを不満に思っていました。
そんなミシェルを見て、ルパンは「なんでパパがママよりあのダイヤ(『女神の涙』)を選んだのかは、盗んでみればわかる」と説得するシーンがあります。
きっとあのダイヤには、カズが仕事を優先せざるを得なかった秘密が隠されているのだと期待してみていましたが…
結局その部分は語られることなく終焉(;’∀’)
うーん、これは伏線の回収し忘れな気がします。
理由次第によっては感動できそうな部分だっただけに、ちょっと残念です(+_+)
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