【考察】『ルパン三世 カリオストロの城』(ネタバレ)ルパンシリーズ最高傑作といったらコレ!国民1人につき1回は必ず見るべし!

アニメ

作品紹介

制作 1979年
ジャンル アニメ
監督 宮崎駿
キャスト 山田康雄小林清志井上真樹夫増山江威子納谷悟朗

『ルパン三世 カリオストロの城』は、1979年、ルパンTVシリーズの第2作目として放映された作品です。

監督は、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」などで知られる日本を代表するアニメ作家、宮崎駿氏が担当しています。

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この映画のみどころ

「ルパン三世シリーズの中で、最高傑作は何か?」と聞かれたら、この『カリオストロの城』を挙げる人が一番多いのではないでしょうか?

見てみればなるほど、確かにこれは最高傑作ですねと納得できるほどの秀作です。

もちろん、他の作品も大好きなんですが、この『カリオストロの城』だけは頭一つ飛び出しているように思います。

 

そんな名作カリオストロの城、私の思うみどころは次の三つです。

ストーリーの完成度

まず、ストーリーがものすごく凝っています。さすがは宮崎駿、といったところです。

 

その一つとして象徴的なのが、銭形警部の存在です。

他の作品を見ると、銭形警部はどちらかというとギャグ担当で、あまりストーリーに関わってきません。

それもそのはず、ルパン逮捕を目指す銭形はルパンから見たら”敵”なわけです。

毎回のように登場する巨悪の存在を考慮すると、銭形とあわせて敵が二人になってしまいます。

それゆえ扱いが非常に難しく、銭形をギャグ担当として扱っていた方が実はすごい楽なのです。

 

しかし、本作は銭形という存在を、見事なまでにストーリー上に食い込ませています。

この辺の手法は、本当に見事というしかありません。

キャラ全員の個性が光る

ルパン作品には、次元大介、石川五エ門、峰不二子、銭形警部など魅力的なキャラクターが多数登場しますが、本作では、彼らの個性が特に躍動します。

他の作品では、それぞれ存在感にバラツキがみられるのですが、本作では、実にバランスよく描かれています。

 

また、先ほども触れましたが、銭形警部をただのギャグ担当ではなく正義感が強く硬派で男らしい人物として描いているのが、私としてはかなりポイントが高いです。

本作を見て、「銭形警部のファンになった」という人は多いと思います。

 

そして、カリオストロ伯爵の悪役っぷりもなかなかいい味が出ています。

主題歌『炎のたからもの』が最高

なんといっても、主題歌『炎のたからもの』が最高です。

もちろん、他の作品でもいい曲はたくさんあるのですが、この作品の雰囲気にベストマッチするのは、この曲以外に考えられません。

登場人物

クラリス

本作のヒロイン。

カリオストロ公国太閤殿下の一人娘。両親を火事で亡くして以来、修道院にて修業を積む。

伯爵との婚姻話が持ち上がり、国に帰ってくるが、クラリス本人は結婚を望んでいない。

 

普段は大人しく、上品で、どんな人間に対しても敬語で喋る淑女。しかし、時には自分の危険を顧みない大胆な行動に出ることもある。

カリオストロ伯爵

カリオストロ公国の摂政を務める。

太閤殿下が死亡して以来、実質的に権力を握ることになる。

カリオストロ公国が建国されてからの約400年間、伯爵の先祖は代々闇の仕事を受け持ってきた。

 

狡猾な性格で、自分の目的を達成させるためなら手段を選ばない。

カリオストロ家の財宝を手に入れるため、クラリスと政略結婚しようと目論む。

ジョドー

伯爵に仕える執事。

伯爵のスケジュール管理など秘書的な仕事をする一方で、暗殺部隊のリーダーとして現場指揮を執り、さらには伯爵の政務に助言をすることができるなど、超有能。

伯爵から絶大な信頼を受けている。

グスタフ

カリオストロ公国において、警察や軍隊の役目を受け持つ衛士隊の隊長。

巨漢で脳筋。

与えられた任務は忠実にこなすが、融通が利かず、柔軟に物事を判断する能力に欠けるところがある。

庭師の老人

太閤殿下の屋敷の庭を整備する庭師。

火事で屋敷が焼け落ちた後でも、一人黙々と庭整備を続けている。

クラリスのことを、幼い頃からずっと見守っている。

愛犬に、カールという老犬がいる。

カール

庭師の老人に付きそう老犬。

老人とクラリス以外には決して懐かない。

ストーリー(細部)

序盤

ルパン次元の二人は、モナコにある国営カジノの大金庫から大金を盗み出す。

しかし、ルパンはこの盗んだお札がすべて偽札であることを知る。これこそが、幻と言われた”ゴート札”なのだ。

ゴート札の発信地として噂されてるのは、カリオストロ公国。そして、その秘密を覗こうとした者は誰一人として帰ってこないという。

ルパンと次元は、ゴート札の謎に挑戦すべくカリオストロ公国を訪れる。

 

入国早々、怪しい4人組に追われている花嫁姿の女の子に出会う。ルパンたちは、一度はその女の子を助けるものの、結局は攫われてしまう。

その一連の騒動の中で、ルパンはヤギの紋章が刻まれてる白い指輪を手に入れる。女の子が置き忘れていったのだ。ルパンには、そのヤギの紋章に見覚えがあった。

その後、花嫁姿の女の子はカリオストロ家太閤殿下の娘クラリスであり、逃げ出したクラリスを追っていたのはカリオストロ伯爵であることが判明する。

 

一方、カリオストロ伯爵は、クラリスの指から指輪が無くなっていることを知る。

クラリスが持っていた白い指輪は、伯爵が持ってる赤い指輪と対になっており、2つの指輪がそろって初めてカリオストロ家の財宝の謎が解かれるとされていたのだった。

 

クラリスの逃亡を手助けした二人(ルパンと次元)が指輪を持っているに違ないと考えた伯爵は、指輪を奪ってくるよう部下のジョドーに命じる。

その夜、ルパンたちはジョドー率いる暗殺部隊に襲われるが、間一髪のところで逃げ出すことに成功する。

中盤

ルパンは五エ門と合流。さらには、犯行予告状を出すことによって、日本から銭形警部を間接的に呼び出す。

本格的に動きだしたルパンは、カリオストロ伯爵の城に忍び込むこととした。

 

城に侵入し数々の罠を掻い潜ったルパンは、ついにクラリスが幽閉されている部屋まで行きくつ。

そしてルパンは、「自由にしてあげるから、ここから出よう」と説得しようとするが、クラリスは伯爵を恐れて部屋から出ようとしない。

そうこうやっているうちに、伯爵が部下を連れて二人のもとにやってくる。

ルパンは、二度と出ることができないとされる城の地下下水道へ落とされてしまう。

 

ルパンが地下道をさ迷っていると、偶然にも銭形警部と出会う。銭形も、城の罠にハマって地下に落とされていたのだった。

二人りがさらに地下を歩き続けると、造幣所のような場所に行きつく。ここでは、世界中の偽札が保管されていた。

なんとここが、幻と言われたゴート札の心臓部だったのだ。

偽札造りという国家的犯罪を目の当たりにし、銭形は一時的にルパンと休戦することとなった。

 

ルパンと銭形は、偽札を燃やしてボヤ騒ぎを起こし、混乱に乗じて地下から脱出。さらにオートジャイロを奪い、クラリスを連れて逃げ出そうと試みる。

しかし、作戦は失敗。

ルパンは凶弾を胸に受けて重傷クラリスは伯爵に捕まってしまう。そして、ヤギの紋章をかたどった指輪さえも伯爵に奪われてしまう。

 

銭形はその後、この偽札事件についてインターポール長官に報告をする。しかし、政治的な理由により、銭形に捜査命令が下されることは無かった。

 

その頃、重傷を負ったルパンは庭師の老人に匿われていた。

ここでルパンは、クラリスとの出会いについて語りだす。

10年以上も前、ルパンはゴート札の謎を解こうとカリオストロ城に侵入するが、返り討ちにあってしまう。

「年貢の納め時」と思ったその時、ルパンに一杯の水を出しだす少女がいた。それが幼い日のクラリスだった。

 

もう伯爵に対抗すべは無いのか?と思われていたその時、あの峰不二子が動き出す。

終盤

伯爵とクラリスの結婚式当日。式は順調に進行していた(クラリスは、薬を飲まされ喋ることができない状態)。

しかし、式の途中で突然ルパン一味が乱入する。

ルパンは、不二子から「式に参加するためバチカンから大司教が来る」という情報を聞きつけ、大司教に変装していたのだった。

さらに、ルパンが登場したことにより、銭形警部ら機動隊が場内に乱入する。そして銭形は、ルパンを追跡するフリをして偽札造幣所に赴き、偽札造幣の現場を世界中に生中継させる。

銭形もまた、不二子から「ルパンが結婚式を襲う」という情報を聞きつけていたのだった。

 

ルパンは、赤・白二つの指輪を奪うと、クラリスを連れて場外へ脱出。

伯爵は、部下を連れてルパンを追う。

 

脱出の途中、ルパンは二つの指輪に隠されていた秘密を知るが、伯爵に時計塔まで追い詰められ、クラリスを人質に取られてしまう。

ルパンは、クラリスの命との交換条件で、二つの指輪を渡し隠された秘密を伯爵に教える(その後ルパンは、クラリスを抱えて湖に脱出)。

 

時計塔に一人残された伯爵は、言い伝え通り二つの指輪を時計台にハメてカリオストロ家の財宝を覗き見ようとする。

すると、急に時計台の針が動き出し、伯爵は長針と短針に挟まれて圧死

さらに、湖の水が逆流し、水の底からローマの街並みが現れる。

カリオストロの財宝とは、カリオストロ家が密かに受け継いでいた、このローマの街のことだったのだ。

ラストシーン

すべてが終わったその時、クラリスは

クラリス
泥棒はまだできないけど、いつかきっと覚えます。だから、だから・・・お願い、一緒に行きたい。

と言い、ルパンの胸元に飛び込む。

 

そんなクラリスを、ルパンは強く抱きしめようとするが、すぐに思い直し、

ルパン
馬鹿な事言うんじゃないよ。また闇の中に戻りたいのか?やっとお日様の下に出られたんじゃないか、な?お前さんの人生は、これから始まるんだぜ。俺のように、薄汚れちゃいけないんだよ。

と優しく引き離す。

 

そして、クラリスが愛犬カールとの再会を喜んでいる隙に、ルパンは車に乗り込んでどこかへ行ってしまう。

 

最後、銭形警部が現れ

銭形警部
奴はとんでもない物を盗んでいきました。・・・あなたの心です。

という、ルパン史上最も有名な名言を放ち、この映画は終わりを迎える。

1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)

忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。

✔ 「本物以上」とまで言われた幻の偽札”ゴート札”の謎を解くため、ルパンたちはカリオストロ公国へ向かう。
✔ カリオストロ公国では、国王である太閤殿下は既に死亡し、摂政であるカリオストロ伯爵が実権を握っていた。伯爵は、嫌がるクラリスと無理やり結婚しようと企んでいた。
✔ さらに、伯爵が持つ赤い指輪と、クラリスが持つ白い指輪の二つが合わされば、カリオストロ家に伝わる財宝の謎が取れるとされていた。
✔ ルパンは、伯爵の城に忍び込み、ついにゴート札の造幣所を目撃する。しかし、返り討ちにあい重傷を負ってしまう。
✔ 反撃したルパンたちは、伯爵とクラリスの結婚式を襲って二つの指輪を奪い、さらにはクラリスを城の外に連れ出す。
✔ しかし、伯爵の執拗な追跡により追い詰められ、クラリスを人質に取られてしまう。クラリスの命を守るため、ルパンは二つの指輪を伯爵に渡し、財宝の秘密を伝える。
✔ 伯爵は、ルパンの言うとおり財宝の謎を解こうとするが、時計台の長針と短針に挟まれて死亡。
✔ クラリスは、今後もルパンに着いて行こうとする。しかしルパンは、「俺のように薄汚れちゃいけない」とクラリスを説得。結局二人は、別々の道を進むこととなる。

 

興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!

考察及び感想

塔におけるルパンのクラリスの会話

ストーリー中盤、カリオストロ城に潜入ルパンはクラリスの部屋にたどり着きます。

そこでルパンは、クラリスに対して極めて優しく、紳士的な態度で接するのです。

 

ルパンの目的は、クラリスを連れ出すことなのですが、ここでルパンがクラリスにかけた言葉が、

ルパン
どうかこの泥棒めに、盗まれてやってください。

です。

 

この言葉、何気に名言だと思いませんか?

盗みの対象となるのは”物”ですが、今回ルパンが盗み出そうとしたのは”人”。

人を”盗む”と表現することは滅多にありませんので、このような表現になったのです。

 

その後、クラリスの前でちょっとした手品を披露した後、二人で笑い合うシーンは本当に名シーン。

無念の銭形

銭形は、人一倍正義感の強い人間です。

カリオストロ公国の偽札造りを知った銭形は、自身の命題であるルパンの逮捕を後回しにしてまでも、この不正に立ち向かおうとします。

しかし、政治的な理由によりインターポールからの出動命令は無し。そればかりか、「おまえはなんでそんなに空気が読めないんだ」的なお叱りまで受けてしまいます。

 

犯罪を目の当たりにしながらも、何もすることができない。

この時の銭形は、さぞかし悔しかったことでしょう。

 

しかし、そんな煮えくり返るような思いをぐっと堪えつつも、部下の前では冷静な態度を崩すことなく、「帰国の準備をしろ」と淡々と命令を下す銭形。

その後ろ姿には、哀愁が漂っていました。

「背中で語る」とは、まさにこのこと。

 

このシーンを見た時、私は「銭形そこ男の中の男だ」と感じ、胸が熱くなりました。

100回は見れる、ラスト5分

なんといっても本作のラストシーンは、ルパンシリーズ屈指の名シーンです。100回繰り返し見れます。

 

クラリスは、「着いて行きたい」と言ってルパンの胸に飛び込みますが、ルパンは、クラリスの両肩を持って優しく引き離します。

この時ルパンは、本心ではクラリスを強く抱きしめたかったのだと思います。

だって、こんなかわいい子から「泥棒はきっと覚えるから」と言われながら「着いて行きたい」と懇願されたら、嬉しくないわけないですよね。

 

しかし、ルパンと一緒に行くということは、クラリスに泥棒の道を歩ませることになります。

ルパンはきっと、こんなかわいくて純粋な女の子に、自分と同じような闇の道を進ませたくなかったのでしょう。

クラリスを優しく説得するルパンには、男の優しさが詰まっていると感じました。

 

それから、銭形が現れて「奴は大変なものを・・・(略)」という名言を残し、部下と共にルパンを追います。

そして、庭師の老人が「なんて気持ちのいい連中だろう」と言い残します。

 

ここまでの一連の流れ、見ていてとても清々しい気分になれます。

銭形警部と機動隊の強い絆

作中、銭形警部が部下に強く慕われていことがわかるエピソードがあります。

 

銭形が城の地下室に落とされた後、伯爵は機動隊に「銭形は本国へ帰った」と伝えています。

しかし、機動隊は帰らずに銭形と合流を果たしています。

 

これはつまり、銭形と機動隊との間で強固な信頼関係が築かれている証拠なのです。

「先に帰ったらしいよ」と伝えられても、機動隊員は「いや、銭形警部に限ってそんなことはしない」と思っていたのでしょう。

この信頼関係が、カリオストロ公国の偽札事件を世界に知らしめるという大手柄を立てることに繋がったのです。

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