作品紹介
制作 | 2019年 |
ジャンル | アニメ |
監督 | 山崎貴 |
キャスト | 栗田貫一、沢城みゆき、小林清志、浪川大輔、山寺宏一 |
『ルパン三世 THE FIRST』は、2019年、劇場版ルパンの第10作目として制作されたアニメです。
なお、サブタイトルの「THE FIRST」とは、初の3DCGを使うということの他に、ルパン一世にまつわるエピソードが要素として入っていることが由来となってます。
このアニメのみどころ
本作のみどころは、ルパンシリーズ初、フルで3DCGを使用したアニメというところです。
昔のルパンの作品と見比べてみると、「進化したんだなー」って思います。
基本的には、2Dアニメと比較してもなかなかの再現度。一部、イメージと違うキャラもいますが…
また、この作品は、長年次元大介の声役を務めた小林清志さんにとって、最後のルパンTVスペシャル作品となっています。
この時の小林さん、なんと86歳!ここまでご高齢になりながらも声優として仕事を続けているなんてすごい!!!
なお、ルパンTVスペシャル作品としては最後ですが、小林さんは「ルパン三世 part6」でも次元大介役としてこの後も活動を続け、2021年9月に勇退されています。
この時、小林さんが後任者である大塚明夫に宛てた手紙がなかなか良いんです!
ということで、ここで全文を紹介しちゃいます↓
我儘を言えば90歳までやっていたかったが残念。
何とかかじりついていたかったが 無理だった。
歳をとればそれなりの深みが出てくるはずだ。ただ映像とのギャップがあるか。話は違うが以前、明夫ちゃんに聞かれたことがある。
「なぜ親父は五ェ門を辞めたんでしょう?」と。
親父とは大塚周夫先輩である。答えに窮したことがある。
さぞ先輩も 無念だったにちがいない。
一部の方々から言われる事があるのは、次元は歳をとった 聞きづらい。
当たり前だ わたしゃ 齢88歳であるぞ。俺なりに努力した結果だ。
これからはそう言われることを気にしないですむ。ほっとしている。あとは明夫ちゃんに委ねます。
頑張ってちょうだい。
ただ、次元はそんじょそこらの悪党とは違うぞ。
江戸のイキというもんだ。変な話だが、次元は江戸っ子だ。
明夫ちゃん、これは難しいぞ。
雰囲気はJAZZにも似ているんだ。最後に
これまで応援してくれた人たちにお礼を申し上げる。ありがとうございました。ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。 あばよ。— 小林清志
登場人物
レティシア
本作のゲストヒロイン。考古学者で、考古学にかける情熱は他の誰よりも強い。
ボストン大学で考古学を本格的に学ぶのが夢。
根は優しい性格で、人を気付付けたり物を盗んだりという行為は好まない。
幼い頃、交通事故で両親を亡くし孤児院で生活していたところでランベールに引き取られ、ランベールを唯一の肉親であると思い込んでいる。
以後、野望高きランベールに手駒のように扱われている。
ブレッソン
第二次世界大戦当時に活躍した考古学者。
無限のエネルギー発生装置である”エクリプス”の研究に成功するが、人類にこの力を使うには早すぎると判断すると、その秘密をブレッソン・ダイアリーの中に書き記し、頑丈に施錠した。
ブレッソン・ダイアリーを奪い取ろうと押しかけて来たランベールによって殺される。
なお、ブレッソンにはとある強力な協力者がいるようだが…
ランベール
かつては、ナチスドイツお抱えの研究機関アーネンベルゲに所属していた優秀な研究者だったが、今や己の野望と名声のためなら手段を選ばない男となり下がった。
レティシアはランベールを本当の祖父と思い込んでいるが、実はそうでなく、レティシアを利用するため祖父のフリをしているだけである。
レティシアの両親を死に追いやったのはランベール本人なのだが、レティシアはそれを知らない。
現在は、ゲラルトの部下として仕えており、第三帝国復活のためブレッソン・ダイアリーの謎の解明に全力を尽くしている。
ゲラルト
第三帝国(ナチスドイツ)復活を夢見る危険思想の持ち主。
非情に冷酷な性格で、部下の命などは一切気に留めることは無い。
第三帝国の復活には、ブレッソン・ダイアリーが必要不可欠であると考えてる。
ヒットラーを崇拝しており、今もどこかで生存していると信じている。
ストーリー(細部)
序盤
とあるオークションに出品された『ブレッソン・ダイアリー』。第2次世界大戦当時、世界に名を知られた考古学者ブレッソン教授が書き記した日記だ。この日記を読んだ者は、莫大な財宝を手に入れることができるという。
この日記は、機械仕掛けの鍵がかかっており、通常では中身を見ることは出来ない代物だった。
ルパンは、早速オークション会場に忍び込み見事な手口でこれを盗み出すが、いいところで峰不二子が登場して横取りをしていったのはいつものパターン。
なんとここでは、ルパンと同じくこの日記を狙う若き女盗賊がいた。その名はレティシア。しかし、レティシアはどうやら誰かに命令されていて、嫌々泥棒をやっているようだった。
レティシアを操っていたのは、闇の組織を束ねるゲラルトとその部下であるランベール。ランベールは、ブレッソン・ダイヤリーを開くカギとなる”メダリオン”をブレッソン本人から奪い取った男だ。
ランベールは、早速ダイヤリーを開こうとするが、何故か開かない。他に何か仕掛けがあるのだろうか?
実は、ダイヤリーの鍵となるメダリオンは二つ存在する。一つはランベールが、そしてもう一つはルパンが持っている。この二つが合わさらなければ、ダイヤリーは開かない。
ランベールは、ルパンともう一つのメダリオンをゲラルトのもとに持ってくるようにレティシアに命令する。
中盤
レティシアは、共に手を組んでブレッソン・ダイヤリーの謎を解こうとルパンに申し出る。ルパンはこれを承諾。
ルパンは、レティシアの案内の元ゲラルトの本拠地に忍び込み、ブレッソン・ダイアリーを盗み出す。そして、二つのメダリオンを使用して開錠し、暗号を解いてダイヤリーの中身を開ける。
そこには、無限のエネルギー発生装置である”エクリプス”の仕掛けが書かれていた。ブレッソンは、このエクリプスの謎を守りたいがために命を落としたのだった。
ここで、レティシアが暗い表情でルパンに銃を向ける。レティシアは、ランベールの命令を守ったのだった。ここにゲラルトやランベールが現れ、ダイヤリーを持ち去ってしまう。ルパンは捕まってしまう。
ゲラルトは、ヒットラー総統の生存を信じ、ナチスの復活を夢見る危険思想の人物だった。エクリプスの謎を解いたゲラルトは、ナチスの復活は確実であると歓喜する。
ゲラルトの危険思想を知ってしまったレティシアは、本拠地である飛行艇から追放されてしまう。
しかし、ルパンはダイヤリーを偽物とすり替え、本物を手にしていたのだった。
レティシアを救出したルパンは、次元、五エ門、不二子、銭形と合流したのち、ゲラルトの計画を止めるため、ヘリでメキシコのティオティワカンへと向かう。
途中、ルパンはレティシアの本当のお爺さんがランベールではなくブレッソンであることを告げる。ダイヤリーの暗号が「Retishia」だったことにピンと来たのだ。
そのことを知ったレティシアは、ゲラルトに協力してしまっていた自分の行動を悔い、なんとしてもエクリプス計画を食い止めようと決意する。
終盤
ゲラルトとランベール、そしてその部下たちは、エクリプスが眠る洞窟を進んでいた。
しかし、巧みに仕掛けられた罠にハマり、部下の一人が命を落とす。どうやら本物のダイヤリーが無くてはこの罠を解除できないと踏み、本物のダイヤリーを取り戻すため飛行艇で島を出て行ってしまう。
これをチャンスと見て、ルパンたちは洞窟に進入する。本物のダイヤリーをもとに、次々と仕掛けを乗り越えていく。
そして、ついに最深部へと到達すると、そこには巨大な機械が鎮座していた。
ついにエクリプスに辿り着いたかと思われたが、ここでゲラルトとランベールが現れる。飛んで行った飛行艇は、ゲラルトが仕掛けた罠だったのだ。すっかり油断していたルパンたちは、銃を向けられ拘束されてしまう。
ランベールは、レティシアからダイヤリーを奪い取ると、エクリプスの装置にセットする。
エクリプスは、ゲラルト、ランベール、レティシアを乗せて空へと浮き上がっていく。
エクリプスを飛行艇に収納すると、ゲラルトたちは島から脱出しようと試みる。
そして、ランベールはエクリプスを起動させ、マイクロブラックホールを作り出す。そして、島の大半を吹き飛ばしてしまう。
巨大な力を手に入れたランベールは暴走を始める。上司であるはずのゲラルトを跳ねのけ、レティシアを張り倒し、世界を破壊しようとエクリプスを操作し始める。
怒り心頭に発したゲラルトは、ランベールを放り投げると、レティシアに向けて銃を撃つ。すると、おどろくことにランベールがレティシアを庇う。腹部を撃たれたランベールは、その場で力尽きる。
ここで、なんとヒットラーがゲラルトの前に現れる。しかし、これはルパンの変装。ゲラルトが生存を信じていたヒットラーは、やはり史実どり死んでいたのだ。
ルパンは、混乱に乗じてエクリプスを封印しようと試みる。ゲラルトは必死に抵抗。
ところが、自滅用に作り出されたマイクロブラックホールに吸い込まれ、ゲラルトはエクリプスとともに消滅する。
ラストシーン
レティシアはルパンに着いて行こうとするが、ルパンはこれを拒否。別れを告げる。
この時、ルパンはレティシアにボストン大学の招待状を手渡す。
なんとルパンは、レティシアがボストン大学で考古学を学びたいという夢を慮り、こっそり論文を大学に送り付けていたのだった。
レティシアは、涙を浮かべながらも笑顔でルパンたちを見送る。
1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)
✔ このダイヤリーには、”エクリプス”の真相が記されており、ゲラルトはこれを解き明かすことにより夢を実現できると信じていた。
✔ ランベールの下部であるレティシアは、ルパンをたぶらかし、ブレッソンダイヤリーを開錠させることに成功する。しかし、ゲラルトたちの正体を知ってしまったことにより、組織から追放される。
✔ なんとかエクリプスの発動を止めたいレティシアは、ルパンたちと合流し、ゲラルトたちの野望を阻止しようとする。
✔ ルパンたちの努力も空しく、エクリプスは起動してしまう。エクリプスは、マイクロブラックホールを発生させることができる恐ろしい兵器だった。
✔ ヒットラーに変装したルパンは、ゲラルトの目を欺き、エクリプスを自爆させることに成功。
✔ 最後、ルパンの取り計らいにより、レティシアはボストン大学へ通えるようになる。
興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!
考察及び感想
3DCGアニメも悪くない
今回は、ルパンシリーズ初の3DCGを使用したアニメーション。
見た印象は…違和感はある者の悪くないなという感じ。
ルパンと銭形は2Dアニメとイメージはほぼそのまま。
不二子は3Dの方が個人的には好き♡
五エ門はまぁまぁというところか?
しかし、一番ギャップを感じたのは次元ですねー。見れば確かに次元には間違いなんですが…なんというか、コレジャナイ感が拭えないんですよねー(;´Д`)
なんだろうこの違和感?って思っていたら、正体は髭でした!
これまでの次元の髭は、もみあげかまで繋がるアゴヒゲ!口周りに髭はありません。
それに対し今回の次元は、自慢のアゴヒゲに加えて、ほっぺから口周辺にかけてまで髭が生えていました。
ここんとこ…なんとかならなかったのかなー(T_T)
ブラックホールは…2度目です(笑)
エクリプスは、なんとマイクロブラックホール発生装置であり、一撃ですべてを消滅させてしまう恐ろしい兵器だったというわけなんですが…
実は、追い求めていたお宝が兵器で、しかもブラックホールを発生させるという下りは『ルパン三世 the Last Job』でもやっているんですよね(;’∀’)
いや、決して同じネタを使っちゃダメという決まりは無いので全然いいんですが…
これまでルパンシリーズを見続けてきてネタが被るということは無かっただけに、少し意外な気がします。
ちなみに、ゲラルトは最後ブラックホールに飲み込まれて消滅してしまいますが、『ルパン三世 the Last Job』においても、悪の親玉であるモルガーナが、”風神”が作り出したブラックホールに飲み込まれて消滅しています。
この流れも一緒なんですよねー(+_+)
斬鉄剣は流星剣?
エクリプスが眠る洞窟で、銭形は五エ門に向かってこのようはセリフを発します。
「お前の斬鉄剣、流星剣の類だな…」
銭形の言う流星剣とは、恐らく『流星刀』を示す言葉であると考えられます。
流星刀とは、隕鉄(隕石から採取された鉄)を使用して製造された日本刀の総称。
明治時代、榎本武明が刀鍛冶士に命じ、隕鉄を使用して作らせた日本刀四振のうちの一振りを流星刀と呼ぶこともある。
この後、洞窟内に充満していた青白く光る粒子は、斬鉄剣が向いている方向に一直線に並ぶのです。これは、粒子が隕鉄が原料である斬鉄剣に共鳴したと考えられます。
なるほど、斬鉄剣は隕鉄を使って作られたのか!!
…だがしかし、待って欲しい。
『ルパン三世 燃えよ斬鉄剣』では、「斬鉄剣は伊賀の国に代々伝わる特別な製法を元に製造された刀」とあり、隕鉄を使っていたというシーンはありません。
これを矛盾というのでは…
しかし、このような矛盾はルパンシリーズのような超ロングヒット作品にはよくある話(*^_^*)
あの名探偵コナンだって、連載当初と今では大分矛盾点が出てきちゃってますからね(笑)
これ以上突っ込むのはナンセンスというところでしょう。
配信状況
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