作品紹介
制作 | 2019年 |
ジャンル | アニメ |
監督 | 川越淳 |
キャスト | 栗田貫一、沢城みゆき、小林清志、浪川大輔、山寺宏一 |
『ルパン三世 グッバイ・パートナー』は、2019年、ルパン三世TVスペシャルシリーズ第26作目として放映されたアニメです。
このアニメのみどころ
本作のみどころは大きく分けて二つ!
一つ目は、世界的な作曲家であるショパンがメインテーマであるということです。
本名は、フレデリック・フランソワ・ショパン。1910年、ワルシャワ公国にて生を受ける(諸説あり)。
19世紀のヨーロッパで、ピアニストとして活躍。美しい旋律が特徴で、周囲からは「ピアノの詩人」とも呼ばれていた。
代表曲には、「革命のエチュード」「幻想即興曲」「子犬
のワルツ」などがある。
1849年、39年の短い生涯を終える。
恥ずかしながら、私も少しだけピアノをかじってまして…(〃´∪`〃)ゞ
ショパンの曲は弾いたことがあります。本当にいい曲ばっかなんです!
作中、ショパンの曲が数多く流れます。アニメとはいえ、結構聞き入ってしまいますよね。
そして、終盤には本作ゲストヒロインのアリサと不二子が、ショパン「革命のエチュード」を連弾します。結構聴きごたえがありますよ。注目です。
みどころの二つ目は、次元の裏切りです。
サブタイトルの「グッバイ・パートナー」のパートナーとは、次元のことなんですね。
次元といえば、「卑怯な手は使わない」「後ろから撃たない」など、男の美学を数多く持つガンマンの鑑。そんな次元の持つ信念の中に、「絶対に仲間を裏切らない」というものがあります。
しかし…、次元はそれでもルパンを裏切ってしまうわけなんですよね。
一体何が次元をそうさせたのか?そこには、結構切ない理由が隠されているんですよね。
登場人物
アリサ・カーライト
本作のゲストヒロイン。ピアノが得意で、ショパンコンクールでファイナリストになるほどの腕前を持つ。
父親と母親は、幼い頃に死亡。
母親の元恋人は次元だが、アリサはそれを知らない。
正式名称は、フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール。ポーランドのワルシャワで、5年に一度開催される国際的ピアノコンクール。
優勝者には、金メダルと4万ユーロ(約135万円)が贈呈される。
本選に進むには、予備審査、予備予選、一次予選、二次予選、三次予選を通過しなければならず、非常に厳しい審査が行われている。
ロイ・フォレスト
テレビ局のオーナー兼政治家。アメリカの次期大統領を狙っている。
以前は特殊部隊に所属していたという異色の経歴を持ち、腕はたつ。
自分の野望のためなら、手段を選ばない。
加藤
量子コンピューターの研究を行っている科学者。
ロイの部下ではあるものの、愚直に研究に向き合っているだけで、悪い男ではない。
ストーリー(細部)
序盤
シンガーポールの観光地マリーナ・ベイ。ルパンはここへ忍び込み、仕事を遂行する。獲物は、ミステリー・クロック。
いつものように銭形が駆け付けてルパンを追うが、何故か銭形は地元警察に逮捕されてしまう。
銭形は、ルパンを追うふりをしているだけで、実はルパンと共謀し犯行を手助けしているという噂が立っていた。銭形は否定するが、地元警察は聞く耳を持たない。
後日、ルパン犯行の黒幕は銭形であり、ルパンは一人では何もできないコソ泥であるというニュースが世界を駆け巡る。
焚きつけられたルパンは、世界を征服できるくらいのとんでもない力が秘められているというタイム・クリスタルを盗むこととなる。
裏でルパンを操っているは、アメリカ大統領候補であるロイ。ロイの傍らには、不二子がいた。
ロイは、世界ショパンコンクールファイナリストの少女アリサを誘拐。そして、アリサを部屋に閉じ込めたうえ、プレイエル(ショパン愛用のピアノ)とエラール(エラール愛用のピアノ)を貸し与える。
さらに、ロイはアリサのクビにマイクロ爆弾付の首輪を取り付ける。ロイの腕時計のスイッチ一つで、爆発させられる代物だ。
一体、ロイの目的は何なのか?
この時ルパンは、五エ門と合流し、上海沖の海底基地へと向かう。そして、見事な手口でタイム・クリスタルを盗みだす。
その後ルパンたちは、別行動をしていた次元と合流。
しかし、なんと次元は突然ルパンに銃口を向け、胸を撃ち抜く。ルパンは、胸から血を流して倒れこむ。
そして次元は、タイム・クリスタルを奪いロイのもとへ向かう。
中盤
ロイの本拠地に到着した次元は、ここでピアノを弾くアリスと出会う。そして、昔を思い出す。
次元は、アリサの母親と交際していた。しかし次元は、彼女の幸せを優先させるため敢えて別れを決断。アリサは、次元が彼女と別れた後に産まれた子供だったのだ。
次元は、ロイのもとで科学者を務めている加藤にタイム・クリスタルを渡す。タイム・クリスタルさえあれば、量子コンピューターを完成させることができるのだ。
加藤は、コンピューターにクリスタルをセットし、AIのエミルカに量子コンピューターを起動するよう指令を出す。しかし、量子コンピューターは起動しない。
なんとルパンは、次元の裏切りを予測して予め偽物にすり替えておいたのだ。
一方、ルパンは胸を撃たれながらも生きていた。次元が撃った弾丸は、ルパンが胸ポケットにしまっていたライター(次元からの土産物)に当たっており、ルパンは致命傷を避けることができたのだ。
しかし、裏切りは裏切り。五エ門も、次元を斬るといきり立つ。
ルパンは、逮捕された銭形を助け出し協力をせがむ。そして、銭形の協力のもとICPOのビルに忍び込み、パソコンをハッキング。すべての黒幕がロイであることを突き止める。
ロイは、量子コンピューターを完成させ、大統領に成り上がることを目論んでいたのだ。
ルパンたちは、ロイの本拠地であるエリア61に侵入する。
ルパンは、ロイと対面。しかし、アリサを人質に取るロイに手も足も出ない。
ここで次元が登場。ルパンと対峙する。
そして次元は、ルパンの胸元に向けて銃を撃つ。しかし、胸の鉄板に跳ね返された弾丸は、ロイの時計に命中。これは、ルパンと次元の目論見通りだった。
次元は、アリサを人質に取るロイに強引に操られていたのだった。しかし、ルパンとのコンビネーションで苦境を脱した次元は、再び元の鞘に納まったのだ。
しかし、この場にいたロイは影武者。本物はプライベートジェットの中にいる。
ロイは、クリスタルを渡さなければ基地を自爆させると脅しかける。ルパンは、ロイの要求を承諾。本物のクリスタルを加藤に渡す。
終盤
加藤は、クリスタルをコンピューターにセット。ロイは、ついに量子コンピューターを入手。オペレーションシステムをエミルカに移行し、量子コンピューターのすべての権限を手に入れる。
ロイは、量子コンピューターを使って世界中の金融システムをハッキング。世界中を大混乱に陥れる。
なんとかエミルカの操作権を手に入れたいルパンは、アリサにショパンの楽曲「革命のエチュード」を弾いてもらう。これがパスワードとなっており、ルパンはエミルカの操作権を奪取する。
ルパンは、エミルカの力でロイの飛行機を墜落させる。ロイは途中で脱出するが、会場で銭形に逮捕される。
この時、アメリカ大統領が軍隊にエリア61への攻撃を指示。これを受けて、エミルカは操作権をルパンからはく奪して防衛システムを起動。ルパンたちへ攻撃し始める。
アリサは、ショパンを弾いてエミルカへのアクセスを試みる。さらに、不二子はもう一つのピアノを使い、即興でアリサのショパンに音を重ねる。
すると、この音色にエミルカが反応。姿を表して歌い出す。
同時に、ルパンと次元は基地の発電装置の破壊に成功。エミルカは姿を消す。
五エ門は、タイム・クリスタルごと量子コンピューターを真っ二つに斬る。
ラストシーン
ルパンは、ショパンコンクールに参加させるためアリサをヨーロッパに向かわせる。
アリサは、次元にお礼を申し述べる。次元は、「君ならやれる」と励ましの言葉を贈る。
ヨーロッパへ向かう飛行機の中、アリサは次元からもらった花を見つめながら「最高に幸せです」と呟く。
その後、ショパンコンクールに参加したアリサは、見事は演奏を披露する。
そして演奏後、そっと会場を後にする次元の姿をアリサは見逃さなかった。
1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)
忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。
✔ ロイはさらに、ショパンコンクールファイナリストの少女アリサを誘拐し、幽閉する。
✔ ロイの狙いは量子コンピューターの開発にあった。
✔ 次元は、突然ルパンを裏切ってタイム・クリスタル奪いロイへ献上。しかし、クリスタルは偽物。ルパンは、次元の裏切りを悟っていたのだった。
✔ 次元の裏切りには理由があった。ロイが誘拐したアリサは、次元の元恋人の娘だったのだ。
✔ ルパンは、ロイの本拠地に侵入。アリサの身の安全を確保し、次元は元の鞘に収まる。
✔ 追い詰められたロイは、量子コンピューターを起動。人工頭脳「エミルカ」を起動し、全世界を混乱させる。
✔ ここで、アリサと不二子がショパンを演奏。その音色で、エミルカの操作権をロイから奪取。
✔ 最終的に、エミルカは消滅。ロイは次元に撃ち殺される。
✔ 最後、ショパンを演奏するアリサのコンクール会場には次元の姿があった。
興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!
考察及び感想
次元とアリサ母の関係
本作の最大の謎は、なんといっても次元とアリサ母の関係でしょう。
これに関しては、ストーリー上明確になっておりませんので、状況やセリフで判断するしかありません。
というわけで、次元とアリサ母親との会話のシーン。
前提を整理すると、
①次元とアリサ母は恋人同士だった。
②ある日、アリサ母は別な男性からプロポーズを受け、指輪を渡された。
③アリサ母は次元にこのことを報告。
④しかし、次元はそのことを許容する。思ってもいない次元の態度に、アリサ母は困惑。
恐らくこのような状況から、二人の会話はスタートします↓↓↓
(次元とアリサ母が机に椅子って向き合っている。机の上には、指輪が入った箱が置かれている。)
(アリサ母、悲しそうな目で次元を睨む)
(アリサ母、泣きながら指輪の箱を手に取り、次元に投げつけようとするが躊躇する)
(アリサ母、泣きながら)
(次元、アリサ母の肩を持ちながら)
(次元、部屋を出ていく。アリサ母、その場で泣き崩れる。部屋に飾られているカランコエの花が、やけに寂しく見えた)
うーん、なんともつかみどころのない会話ですね(+_+)
次元の「どうしたって俺には、叶えてやれないからさ。」というセリフ、気になりますね。おそらくアリサの夢のことを言っているのだと思いますが、一体どういう意味なのか?
考えられることは二つ。
①子供を残せない体なので、夢を叶えられない。
②裏稼業に染まっているため、結婚生活を送ることができない。
とりあえず、①の線は薄いと思われます。次元が無精子症だという設定は、聞いたことがありません。
なので、恐らく②の線が強いでしょう。裏の世界でしか生きられない次元は、自分ではアリサ母の夢を叶えられないと考えたのでしょう。
次元とアリサの関係
もう一つの謎、それは次元とアリサの関係です。
最後、飛行機の中で交わされたアリサと不二子の会話。
不二子は「ねえ、あなたと次元の関係って…」と聞きかけて、「いや、やっぱり聞かないでおくわ。」と途中でやめてしまいます。
…なんで最後まで聞かないかなー!!(T_T)そこが一番気になるじゃん!!
つまり、アリサは次元の子供なのか?それとも、アリサ母の結婚相手との子供なのか?ということ。
私は、ワンチャン次元の子供じゃないかと思ってます。
なぜなら、絶対に仲間を裏切らないという強い信念を持っているはずの次元が、アリサのためにルパンを裏切った。
これは、アリサが実の娘だったから、じゃないかなと。
また、最後に次元はアリサのショパンコンクールをわざわざ聞きに行ってます。
これも、アリサが実の娘だからこそそうしたのではないか?と思うわけです。
なんにせよ、これはルパンシリーズお得意の「正解は無い。いわば、視聴者が想像したものが正解。」のパターンなんでしょうけどね(笑)
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