【考察】「ルパン三世 ハリマオの財宝を追え」(ネタバレ)銭形警部が窃盗を?!あと、結局保険金の負債はどうなったのか?

アニメ

作品紹介

制作 1995年
ジャンル アニメ
監督 出崎統
キャスト 栗田貫一小林清志増山江威子井上真樹夫納谷悟朗

『ルパン三世 ハリマオの財宝を追え』は、ルパンTVシリーズの第7作目として1995年に放映されたアニメです。

なお、本作よりルパンの二代目声優として栗田寛一が正式に就任しています(初代声優山田康雄が死去したため)。

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このアニメのみどころ

本作の見どころは、実在する盗賊団のボス「ハリマオ」がテーマとなっているところです。

ハリマオは、昭和の初期から中期にかけて、マレー半島を中心に活動をしていた盗賊で、その暴れっぷりから「マレーの虎」と呼ばれ、周囲から恐れられていました。

その後、マラリアに侵され、1941年に亡くなっています。

そのあまりにも破天荒な生い立ちから、彼の人生は後に映画や小説、漫画などに書き起こされています。

 

そしてなんと、実はハリマオは日本人(本名:谷豊)というのは、意外に知らない人が多い事実。

 

今回、ルパンたちが狙うのは、世紀の大盗賊ハリマオの財宝。一体、どんな財宝なのか?

そして、ハリマオを知るという英国紳士アーチャー卿の正体は?

登場人物

ダイアナ・アーチャー

本作のヒロイン。

表向きは、ロンドンの大学で考古学を教える助教授だが、銃を持って敵に立ち向かったり、ルパン顔負けのテクニックでお宝を盗んだりと、かなりアクティブに動く。

気に入らない男には、容赦なく往復ビンタを食らわせるという気の強い性格。

アーチャー卿

ダイアナの祖父。莫大な資産を築き上げ、”保険会社のための保険会社”と言われるロイズ保険の引受人でもある。

かつては、イギリス情報部に50年在籍していた経歴があり、相当に腕は立つ。

不二子を気に入り、秘書に雇う。

ハリマオとは縁がある。

ラッセル

アーチャー卿専属の弁護士。

強かな性格で、計算高い。

ヘルマン・フォー・ディート

謎のカルト集団「ネオ・ヒムラー」 の女総帥。

サディスティックな性格で、ミスを犯した部下には容赦なく身体的な罰を与える。

ゲーリング

「ネオ・ヒムラー」の幹部。脳筋。

武器の扱いに長け、戦闘ヘリも自由に操る。

素手による格闘戦が得意。

ストーリー(細部)

序盤

ルパン、次元、五エ門の3人は、アラスカの美術館から”サルの像”を盗み出す。

この像には、ハリマオが隠した財宝のヒントが記されているとされていた。

 

ハリマオとは、第二次世界大戦中にマレー半島で暗躍した盗賊団の首領で、ため込んだ財宝は約800億ドルとまで言われていた。

財宝の隠し場所のヒントを握るのが、猿、鷹、馬の3体の像だ。

ルパン一味は、ハリマオの財宝を手に入れるため、残りの2体の銅像も手に入れようとしていた。

 

ところがある日、ドーバー海峡を結ぶ海底トンネルで事故が発生し、死者・行方不明者が400人を超えるという大惨事が起こる。

青ざめたのは、ロイス保険の引受人であるアーチャー卿。アーチャー卿には、この事故に関する保険金を支払う義務がある。

しかし、アーチャー卿の全財産を持ってしても、今回の事故で発生した膨大な保険金を支払うことは不可能だった。

そこでアーチャー卿は、担当弁護士であるラッセルと協議し、ハリマオの財宝を手に入れて保険金の支払いに充てることとなった。

 

アーチャー卿は、孫のダイアナ、秘書の峰不二子(実はルパンが送り込んだスパイ)とともに、ハリマオの財宝を手に入れるべく3体の銅像を探す旅に出る。

中盤

ここアムステルダムには、ルパン一味とアーチャー卿の一行が訪れていた。

街にそびえたつミルネヴァ城のどこかに、”鷹の銅像”が隠されているのだった。

 

ルパン一味が城の中を探索すると、地下に通じる秘密の階段を見つける。

罠を搔い潜りながら奥へと進んでいくと、ルパンはついに鷹の像を見つける。しかし、あと一歩のところで像をダイアナに奪われてしまう。

 

ここで、ルパンたちと同じく鷹の像を奪いにかかる第三の勢力が現れる。それが、カルト集団「ネム・ヒムラー」だった。陣頭指揮を執るのは、「ネム・ヒムラー」幹部のゲーリング

アーチャー卿一行とゲーリングの間で激しい銃撃戦が行われるが、結局は数で勝るゲーリングが勝利し、鷹の像は「ネム・ヒムラー」の手に渡る。

 

その後、ルパンの奮闘により鷹の像を取り返すことに成功するが、逆に猿の像をアーチャー卿一行に奪われるという激しい争奪戦が繰り広げられる。

結局、ルパン一味とアーチャー卿一行は、ハリマオの財宝を7:3で分け合うという条件で共闘することになる。

 

ルパン一味とアーチャー卿一行は、残る”馬の像”を目指して新たなる旅に出る。

終盤

ルパン一味とアーチャー卿は、”馬の像”を目指してタイを訪れていた。

 

道なきジャングルを進むと、そこには遺跡があって、中にはアーチャー卿思い出の場所があった。

第二次世界大戦中、戦争に従事していたアーチャー卿は、ハリマオに助けられてこの場所に匿われていた。

その後、ハリマオは熱病に犯され、死期が迫っていると悟ったその時、財宝のカギを握る3体の像を幹部に託し、隠し場所の秘密をアーチャー卿にだけ教えていたのだった。

 

ここで、衝撃的な事実が明らかになる。

アーチャー卿の顧問弁護士であるラッセルの正体が、実は「ネム・ヒムラー」統領のヘルマン・フォー・ディートだったのだ。

ヘルマン・フォー・ディートは、ハリマオの財宝を手に入れるため、アーチャー卿の顧問弁護士に成りすまし、ユーロトンネルを爆破してアーチャー卿に多額の不在を背負わせていた。

 

そして、ルパンとダイアナが馬の像を手に入れた時、ゲーリングが再びルパンたちの前に立ちはだかる。

しかし、ルパンはゲーリングを排除し、3つの像をすべて手に入れることに成功する。

ルパン達が向かったのは、リコバル諸島の海底寺院

ラストシーン

海底寺院に潜入したルパン一味とアーチャー卿一行は、3体の像を使用し、謎を解きながら奥へと進んでいく。

そして最深部まで行ったとき、発見したのはなんと純金の巨大潜水艦!

 

ルパン達は、潜水艦へと乗り込む。そこに、「ネム・ヒムラー」の戦闘ヘリ部隊が襲い掛かる。

ヘルマン・フォー・ディートが自ら潜水艦に乗り込み、ルパン達を追い詰めるが、戦いの最中、正体がラッセルであることがアーチャー卿にバレてしまう。

さらに、アーチャー卿は銃で撃たれて重傷を負ってしまう。

 

一巻の終わりと思われたその時、不二子がヘルマン・フォー・ディートにキスをする。

女嫌いのヘルマン・フォー・ディートは発狂し、その隙をついてルパンは逆転の一発をお見舞いすることで勝利を収める。

 

沈みゆく潜水艦。

ルパン達は艦を脱出しようと試みるが、アーチャー卿だけは「ハリマオの財宝と共に運命を共にする」と言い残し、黄金の潜水艦と共に海の底へと沈んでいく。

1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)

忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。

✔ ハリマオが隠した財宝には、800億ドルもの価値があるとされ、ルパンはその財宝を狙っていた。
✔ 一方アーチャー卿は、事故により多額の保険金支払いの義務を負っていた。その支払いのため、どうしてもハリマオの財宝を手に入れる必要があった。
✔ ルパン一味とアーチャー卿の間で、ハリマオの財宝の取り合いが始まる。
✔ ここで、謎の集団「ネム・ヒムラー」が財宝の争奪戦に加わる。さらに、アーチャー卿の顧問弁護士であるラッセルの正体は、「ネム・ヒムラー」の党首ヘルマン・フォー・ディートだったことが判明する。
✔ この第三者の出現により、ルパンとアーチャー卿は協力して財宝を探すことで合意する。
✔ ルパン&アーチャー卿は、3体の像を手に入れ、ハリマオの財宝(金の潜水艦)を見つけだす。
✔ ヘルマン・フォー・ディートは、金の潜水艦に乗り込み、ハリマオの財宝の所有権をかけた最後の戦いが始まる。
✔ 結果、ルパンは勝利。しかし、金の潜水艦は、アーチャー卿と共に海の底に沈んでしまう。

興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!

考察及び感想

銭形警部が窃盗罪!?

なんと、銭形警部が盗みを働くシーンがあります。

ルパンが宿泊しているホテルの部屋に踏み込んだ際、「インスタントラーメンの蓋抑えに丁度いい」という理由で、猿の銅像を自分の物にしてしまったのです。

えー、これは俗にいう窃盗罪ですね・・・

 

警察官という身分でありながら、銭形警部はとんでもないことをしてしまったようです。

「ネム・ヒムラー」のモデルはナチスドイツ

本作に登場する謎のカルト集団「ネム・ヒムラー」。

あの軍服のようなモデルの制服と、兵士が着用するヘルメット、そしてハーケンクロイツの憲章。

モデルはナチスドイツだと考えられます。

「ヒムラー」という言葉も、なんとなくヒットラーを連想させます。

 

もしかしたら、「ネム・ヒムラー」はナチスドイツの系譜を組む団体、という裏設定があるのかもしれませんね。

「007」のモデルとなったデュシュコ・ポポフ

アーチャー卿は、第二次世界大戦中はスピットファイアのパイロットでゼロ戦とやり合い、その後イギリス諜報部で50年務めていたというかなりの強者です。

それでいて、世界的な資産家になったのですから大したものです。

さらに、不二子に対してデレデレしたり、かとおもえば屈強な兵士たちを素手で殴り飛ばしたりなど、かなり矍鑠としたおじいちゃん。

そんなアーチャー卿は、一体何歳なのでしょうか?(笑)

 

それはそうと、アーチャー卿は自身で「007の映画は私がモデルとなって作られた」と豪語していました。

映画「007」のジェームズポンドは、デュシコ・ポポフという実在したイギリスの諜報員をモデルに作成されているので、これはつまり、アーチャー卿のモデルはデュシコ・ポポフだったと言い換えることもできます。

負債はどうなったのか?

本作の最後、金の潜水艦が海底に沈みくゆ様子を眺めながら、ルパンはダイアナを晩御飯に誘うという、いかにもルパンらしい終わり方をしているのですが、私は気になって仕方ないことがあります。

 

結局、アーチャー卿が抱えていた多額の負債はどうなるのか?

 

アーチャー卿は死亡しますが、支払い義務が消えるとは思えません。

頼りにしていたハリマオの財宝も、海の底に沈んでしまいました。

返済の義務は、本作に登場してこないアーチャー卿の息子か、下手すれば孫のダイアナにまで回ってくるのかもしれません。

負債額は、約70億ドル・・・

とても一般人に払うことができる額とは思えません(T_T)

 

やがてダイアナを訪れる不幸を思うと、胸が痛くなります。

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