若くしてこの世を去った天才アニメ監督・今敏さんが残した5作品を紹介!

アニメ

短命のうちに生涯を終えた天才監督 今敏さん

今回は、天才アニメ監督・今敏さんについて深堀していきます。

今敏さんといえば、夢や妄想などの仮想空間と現実が混じり合う、斬新でどこか不思議な感じがする作風が一番の持ち味です。

これに関しては、ご本人が「イマジネーションと現実の融合」を作品の主要テーマとして掲げており、やはりこの独特な世界観は今敏さんにしか醸し出せないものなのでしょう。

しかし、今敏さんは46歳の時に膵臓癌により亡くなってしまっているんです…溢れんばかりの才能を持っている人だっただけに、本当に残念だったなと思います(´;ω;`)ウッ…

 

10年にも満たない短い実働期間でしたが、この間に今敏さんが監督として手がけてきた作品は、

『PERFECT BLUE』
『千年女優』
『東京ゴッドファーザーズ』
『妄想代理人』
『パプリカ』

の5作品です。

 

一体どのような内容だったのか?今敏さんの5作品を詳しく紹介していきます。

今敏さんの略歴

作品の紹介に移る前に、まずは今敏さんの略歴について紹介していきたいと思います。

今敏さんは、1963年、北海道釧路市に生まれます。

今敏さんが少年時代を過ごした1980年代は、『AKIRA』で知られる大友克洋さんをはじめとする個性的な漫画家が数多く輩出され、既存の漫画の枠組みに捉われない斬新な表現方法が生まれた時代でした(俗にいう「ニューウェーブ」)。

今敏さんは、この「ニューウェーブ」の影響をもろに受けて、漫画家を目指すことを決めます。地元の高校卒業後は、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科に進学、グラフィックの勉強に励んでいたそうです。

そして、大学在学中に投稿した自作漫画『虜 -とりこ-』が、週刊少年マガジンにおいて優秀新人賞を受賞。これがきっかけとなり、本格的に漫画家としての道を歩みながらも、大友克洋さんのアシスタントとしてアニメの仕事にも関わっていきます。

その後、大友克洋さんの『老人Z』『MEMORIES』、押井守監督の『機動警察パトレイバー 2 the Movie』などに製作スタッフとして参加。徐々に今敏の名が知れ渡っていくこととなります。

 

そして、下積み生活を終えた1997年(今敏さん当時34歳)、ついに『PERFECT BLUE』で監督デビューを果たします。

その5年後の2002年に『千年女優』をリリース。『PERFECT BLUE』並みの低予算で製作されたこのアニメは、スタッフの予想を裏切り大ヒット。第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞します(同時期にリリースされたジブリ作品『千と千尋の神隠し』とダブル受賞)。

さらに次の年の2003年、『東京ゴッドファーザーズ』をリリース。このアニメは、日本だけでなくアメリカでも評判となります。

2004年には、13部構成のTVアニメ『妄想代理人』の制作を手掛けます。この作品は、今敏さんの中では唯一の”映画ではない作品”です。

そして2006年、今敏さんの最後の作品となる『パプリカ』をリリース。この作品は、これまでの作品と比べても頭一つ抜けるくらい優秀な内容で、数々の賞を受賞することとなります。

 

大ヒット作品を連発し、アニメ監督としては乗りに乗っている今敏さんでしたが、2010年8月24日、新作『夢みる機械』を製作中、膵臓癌により46年の短い生涯を終えてしまいます。

逝去した翌日の25日、今敏さんのブログ「KON’S NOTE」にて、「さようなら」という題名でファンや製作スタッフに向けたメッセージが書き綴られています。

このブログは話題を呼び、一日で40万PVを集めたほどです。

「KON’S NOTE」→https://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565

 

それにしても、『夢みる機械』とはどんなアニメだったんでしょうか?本人が亡くなってしまったために完成版を見ることはもうできないですが、ファンとして一度見てみたかっというのが本心ですね…( ;∀;)

未完に終わった今敏さんの新作『夢みる機械』

今敏さんの5作品紹介

PERFECT BLUE(1997年)

主な受賞歴

・FANT-ASIA’97 PUBLIC PRIZE THE BEST (グランプリ)受賞
・ファンタスボルト’98 ベストアニメーション受賞

あらすじ

アイドルグループ「CHAM」に所属している霧越未麻は、グループを脱退し、女優としての道を歩むこととなった。未麻のマネージャーを務めるルミは猛反対するが、社長の田所の判断では逆らえなかった。

セリフがほとんど与えられなかったり、レ〇プシーンの撮影があったりなど、未麻にとって女優の道はとてもつらいものだったが、売れたい一心で、未麻は必死に活動を行っていた。

ところが、未麻が女優に転向して以来、自宅のFAXに「裏切者」と書かれた紙が送られてきたり、ファンレターが爆発したりなど、奇妙な事件が頻発ようになった。

さらに、脚本家やカメラマンなど、未麻の近しい人物が次々と原因不明の死を遂げていく。

この悲劇の連鎖は、未麻本人と何か関係があるのだろうか?未麻は次第に精神を病んでいき、夢の現実の区別がつかなくなっていく。

解説

今敏さんの処女作にして、「日本のサイコホラーアニメ史上で最高傑作と評される作品です。

低予算で作られたこともあってややアニメーションが雑と感じる部分もありますが、ストーリーは秀逸。噂にたがわず、サイコホラーとしての完成度はかなりハイレベルなだと思いました。

そしてラストのどんでん返しは、全く想像できませんでした。至る所に伏線が散りばめられており、初見は「どゆこと??」となってしまいますが、真犯人が分かると「あー、この伏線はこういう意味があったのか!」とすべてがつながります。

精神を病んだ未麻が、妄想と現実の区別がつかなくなっていく様は、まさに今敏ワールド炸裂といったところでしょう。

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千年女優(2001年)

主な受賞歴

・第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞
第6回ファンタジア国際映画祭・最優秀アニメーション作品賞&芸術的革新賞
・第33回シッチェス・カタロニア国際映画祭・最優秀アジア映画作品賞
・2003年度東京アニメアワード・劇場映画部門最優秀作品賞
・第57回毎日映画コンクール・大藤信郎賞
・第8回アニメーション神戸作品賞・劇場部門

あらすじ

映像制作会社「VISUAL STUDIO LOTUS」の社長・立花は、稀代の大女優・藤原千代子へのインタビューを試みる。

千代子は、自身が歩んできた女優としての道のりを語る中で、なんとも不思議な体験談を話し始める。

千代子は若かりし頃、絵描きの男に恋をした。絵描きの男はやがて、「一番大事な箱」を開けるためのカギを千代子に残して、どこか遠くへと旅立っていったのだ。

千代子は、いつか絵描きの男と再会してそのカギを渡そうと、戦国時代から近未来までの約1000年間を駆け巡った。

千代子が語る、このあまりにも非現実とも思える体験談は、はたして現実か妄想か?

解説

千代子が自分の過去を語るだけ、というごく単純なストーリーなはずなのですが…

千代子の回想シーンの中に立花とカメラマンの井田が入り込み、次第に現実と過去と未来が混ざり合っていくなど、斬新な方法でストーリーが進行するとても不思議なアニメです。

いってみれば、前作の『PERFECT BLUE』で発揮された今敏ワールドが10倍くらい強化されたような感じです。

そして、最後のオチに「ズコー!」となった人は、私以外にもいるのでは?(笑)

油断すると時系列が変わらなくなってしまうので、集中力を高めて一気に観ることをお勧めします。

私自身、考察記事を書くために何度も見直していますが、未だにどうしてもわからない伏線が一つあるのです(;・∀・)

もし分かった方は、コメントで教えていただけると嬉しいです。

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東京ゴッドファーザーズ(2003年)

見出しタイトル

・第23回(平成15年度)藤本賞奨励賞:丸山正雄
・東京国際アニメフェア2004アニメアワード・コンペティション劇場映画部門優秀作品賞
・第58回(2003年度)毎日映画コンクールアニメーション映画賞
・Future Film Festival:最優秀作品賞
・平成15年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門:優秀賞
・第36回シッチェス・カタロニア国際映画祭:最優秀アニメーション映画観客賞
・第18回デジタルコンテンツグランプリ:経済産業大臣賞

あらすじ

ある夜、ギン、ハナ、ミユキのホームレス三人組は、ゴミ捨て場に捨てられている赤ん坊を発見する。

一体、誰がこんなひどいことをしたのか?怒りを感じながらも、3人は赤ん坊の親を探す旅に出る。唯一の手掛かりは、赤ん坊と一緒に置かれていたロッカーの鍵。

早速ロッカーを開けてみると、そこには、幸せそうに微笑む男女の写真そして、”みどり”とかかれた錦糸町のBAR「SWIRL」の名刺が入っていた。

捜索を続けるうちに、徐々に明らかになっていく3人の過去。会いたくても会えない、そんなもどかしい想いを再認識していく。

奥さんと別れて以来娘と会っていないギン、オカマバーを追い出されたおかまのハル、家出少女のミユキの3人が送る、笑いあり涙ありのハートフルな物語。

解説

今敏さんの名前が海外にまで知れ渡るきっかけとなったのが、この作品です。日本だけでなく、アメリカ、イタリア、スペインなどでも高い評価を得ることとなりました。

この作品は、「イマジネーションと現実の融合」、いわゆるちょっと不思議な感じのする他の作品とは異なり、普通に人間ドラマを描いたもの。

テーマは「親子の愛情」。さらに言えば、父と娘の絆に焦点を当てた作品です。母親の愛情がテーマの作品は比較的多いのですが、父親がメインというのは少し珍しい気がしますね。

セリフ一つ一つまでよく作り込まれていて、本当に感動します。特に、娘を持つ男性が見たら、感情移入して余計感動すると思います。

「見れて良かった」と心から思える作品と言えるでしょう。

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妄想代理人(2004年)

主な受賞歴

※ 劇場版アニメではないため、受賞歴は無し

あらすじ

くの字に折れ曲がったバットを持ち、金色のローラースケートを履いた少年が、唐突に表れては人を襲う。世間では、そんな不思議な事件が頻発する。

いつしか人々は、その神出鬼没の少年を「少年バット」と呼ぶようになった。

「辛い現実から逃げ出したい」

そんな現実逃避の願望を叶えるかのように、少年バットは決まって心の弱った者のところに現れ、手に持ったバットで獲物を殴り倒していくのだった。

少年バット事件の捜査を担当する猪狩と馬庭は、この奇妙な事件の真相にたどり着くことができるのか?

そして、個性的な登場人物たちが織り成す複雑な相関図の先に見えてきた真実とは?

解説

今敏さんの作品では唯一、劇場版アニメではない作品。全13話構成となっており、WOWOWで3カ月間かけて放映されていたTVアニメです。

前半は、サスペンスドラマさながらの犯人追跡劇。

中盤は、メインとは関係ないアナザーストーリーを挟みながらも物語は進行し、徐々に核心に迫っていきます。

後半は、やはり今敏ワールドが炸裂。現実と妄想が入り乱れた摩訶不思議な世界に誘われます。

そして、意味深なのはなんといっても最終話。意味を完璧に理解できる人などいるのでしょうか?

読解力自信ニキは、是非とも挑戦してみてください。

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パプリカ(2006年)

主な受賞歴

・第12回アニメーション神戸 作品賞・劇場部門
・第14回Chlotrudis Awardsベストデザイン賞
・第25回ポルト国際映画祭Critics’ Award受賞
・第35回モントリオール・ニューシネマフェスティバルPublic’s Choice Award受賞
・第8回ニューポート・ビーチ・フィルム・フェスティバルFeature Film Award受賞
東京アニメアワード2007 優秀作品賞劇場映画部門、個人部門音楽賞(平沢進)

あらすじ

サイコセラピーマシンは、人の夢に入り込むことができるという、正に夢のような機械。

千葉敦子は、夢の中を自由に駆け巡る女性「パプリカ」となり、悩みを抱える人の深層意識に入り込んでは精神治療を行っていた。

しかしある日、夢の世界に外部から侵入することができる”DCミニ”が敦子の研究所から盗まれるという事件が発生した。これにより犯人は、人の意識を破壊する「夢テロ」をいつでも実行できるのだ。

そして敦子の周りでは、”DCミニ”により意識を侵食され、精神に異常きたす者が続出するようになる。

犯人を見つけるため、夢の世界を守るため、敦子は今日も夢の世界へと向かう。

解説

今敏さんの作品の中では、最も評価が高いとされる映画です。これまでに紹介した4作品と比較しても、「イマジネーションと現実の融合」の作風が最も発揮されている作品と言えるでしょう。

とにかく不思議なアニメです。

夢と現実を行き来しているうちに、その境界線が曖昧になっていき、視聴者はもちろんのこと登場人物たちでさえも、今いる世界が夢なのか現実なのかが分からなくなっていくのです。

置いてけぼりを食らうと「?????!!!」という状態でラストを迎えてしまうので、注意が必要です。

それにしても、夢の中の世界がなんともシュールで面白い♪

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まとめ

ということで、日本のアニメ界に多大な影響を残した今敏さんとその作品を紹介してきました。

実は、今敏さんが死の直前まで手掛けていた『夢みる機械』ですが、マッドハウスがプロデュースの基、遺作として完成させようとする動きがあったそうなのです。

ところが、2017年に予算の問題で製作を断念。制作を引き継ぐ会社が現れない限り、完成版がリリースされるとは無いと思われます。

もし生きていれば、これまで以上に独創的なアニメを作り続けてたであろう今敏さん。若くして亡くなってしまったのがつくづく残念です。

 

ということで、独創的なアニメを作り続けてきた今敏さん。まだ見たことが無い人は、一度見てみてくださいね!

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