漫画『火の鳥(宇宙編)』(ネタバレ)火の鳥シリーズの中でも屈指のトラウマストーリー

漫画

作品紹介

連載 1969年(漫画雑誌「COM」)
ジャンル 人間ドラマ
作者 手塚治虫
『火の鳥(宇宙編)』は、1969年、漫画雑誌「COM」にて連載された短編漫画です。作者は、日本でもっとも有名な漫画家の手塚治虫さん。
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この漫画のみどころ

この漫画は、手塚治虫さんの不朽の名作『火の鳥』の中の「宇宙編」。その名のとおり、宇宙空間での出来事をテーマにした作品です。

ということでこの漫画のみどころは、”宇宙の恐怖”を味わうことができるということです。

もちろん私は宇宙に行ったことが無いので、「宇宙に行ったことない奴が、いっちょ前に宇宙の恐怖を語るな!!」と言われてしまえば、「ぐぬぬ…」としか言えません(T_T)

まあそこは、”私がイメージする宇宙の恐怖”として捕えてもらえればと思います。

『火の鳥』という漫画は、基本的に鬱ストーリーが多いのですが、この「宇宙編」は跳び抜けて悲惨なストーリーです。子供の頃に読んでショックを受けて、恐怖のあまり眠れなかった思い出があります。

 

私は、宇宙に対してとてつもない恐怖を覚えます。

例えば、自分が宇宙服を着て宇宙空間を漂うことになったと仮定しましょう。

宇宙という”無”しかない空間で、ただひたすらフワフワ漂う。自分の力で立つことも泳ぐこともできず、おいしいご飯も食べられず、YOUTUBEを見ることもできず…

ぼんやりした意識で、酸素が切れて窒息死するのを待つだけ…

あー、想像すると怖い!!どんなホラー映画を見るよりも怖い気がする。恐らく、窒息死する前に発狂するでしょうね。

 

そんなわけで、私の恐怖のツボをピンポイントで突いて来たのが、まさにこの「宇宙編」。

もちろん、それ以外にもトラウマ的シーンが何かと多いこの漫画。私が恐怖を覚えたシーンの数々を、箇条書きでまとめてみました(ネタバレ注意)。

恐怖ポイント

①木崎の脱出用カプセルが、メンバー3人のカプセルから徐々に離れていき、ついには通信が届かない位置まで離れてしまう。この後木崎は、酸素が尽きるまでの1年半、たった一人で宇宙空間を漂うことになる。想像すると怖すぎる。
②城之内の脱出用カプセルが故障し、まるで衛星のように、彗星の核の周囲を永久に回るだけの存在となり果てる。木崎は、超低確率で助かる可能性があるが、城之内は完全にアウト。私だったらその場で自殺する。
③城之内たちの任務。城之内たちは、ペテルギウス第三惑星ザルツから地球に資料を届けるためだけに、622年かけて航海する。この任務のためだけに一生をかける。なんちゅー非人道的な任務…
④フレミル星での牧村の虐殺行為。妻のラダを撃ち殺してその足を焼いて食べ、その後は住民全員をレーザーで焼き殺した。完全にサイコパス。
⑤流刑星での生活。これまで流刑星に辿り着いた人間は、星の環境に適合するため、植物の形にメタルフォーゼしてもらっている。この姿だと、永久に生きられるらしい。いくらなんでも、植物になって永久に過ごすなんて絶対に嫌だ。
⑥牧村の生涯。牧村は、かつての蛮行の罰を受けて、大人↔赤ん坊のサイクルを繰り返しながら流刑星で永久に生きることとなる。何もない荒野で、話す相手なんか一人もいない状態で、今後を永久に生きるなんて「5億年ボタン」より強烈。
⑦ナナが植物の姿にメタルフォーゼ。流刑星で牧村の世話をするため、自ら望んで植物の身体になる。牧村は不老不死なので、植物の姿にならないとナナが先に死んでしまう。
⑧赤ん坊の串刺しシーン。赤ちゃんになった牧村を、猿田は槍で串刺しにする。そして、赤ん坊の肉塊がまだ先端に刺さっている状態で、猿田はその槍を崖下に投げ落とす。いくら漫画とはいえ、赤ん坊の串刺しはグロテスク過ぎる…
⑨最後のナレーション。「はるか宇宙のはて…もう二度と探し出せない銀河のかたすみに、流刑星があって、そこには、永久に閉じ込められたナナの姿が嵐の中にゆれていることだろう、われわれの罪を一手にうけて…」

 

登場人物

牧村

天才的な技術者で、宇宙の旅には欠かすことのできない人材。

十数年前、不老不死の血を飲んでからというものの、身体がどんどん若返っていくという怪奇現象に悩まされている。

その他、数々の秘密を持っているが、詳細は不明。

ナナに惚れている。ナナを取り合って木崎とよく喧嘩をするが、喧嘩を吹っかけてくるのはいつも木崎の方。

実は、牧村の頭は機械で出来ており、カツラを外すとコンピューター部分が露呈する。なぜそのような状態になったのかは、ストーリーを追うごとに明らかになっていく。

ナナ

チームの中では唯一の女性隊員。美人で優しく、隊長を除いた全隊員から好意を寄せられている。

当初は木崎と恋人同士だったが、その後に出会った牧村の魅力に惹かれていった。

猿田

隊員の一人。ナナに惚れているが、自分がブザメンであることを自覚しており、気持ちを言い出せずにいる。

ナナに対して積極的にアプローチをする牧村に、「宇宙生活を円滑に過ごすため、ナナには手を出すな」と強くアドバイスしている。

木崎

隊員の一人。

ナナとは恋人関係にあったが、恋敵である牧村を殺害しようとする現場をナナに見咎められ、その日からナナに相手にされていない。

牧村に強いジェラシーを抱いており、ナナを巡っていつも喧嘩をしているが、人間的には尊敬しているという意外な一面も併せ持つ。

城之内

チームの隊長。

隊員たちがナナ争奪戦を繰り広げる中、城之内だけは加わらず、隊員同氏の関係修復に尽力している。

ストーリー(細部)

2577年、オリオン座ペテルギウス付近の宇宙空間において、城之内たち隊員5名が乗った宇宙船に隕石が衝突した。

冷凍室で睡眠中だった隊長の城之内、隊員のナナ猿田木崎の4人は飛び起きて、共に操縦室に向かう。

操縦室では、当番の牧村が操舵をしているはずだった。しかし、4人が操縦室に駆けつけてみると、なんとそこには、椅子に手足を縛りつけられ、まるでミイラのように干からびた状態で座る牧村の死体があった。

「宇宙ノイローゼさ」城之内は呟く。

隊員たちは、1年交代で起きて宇宙船の操縦を行うこととなっている。隊員は、1年間誰とも話さず、たった一人で孤独に過ごさなければならない。

この孤独に牧村は耐えられなかったのだと、城之内は言いたいのだ。

 

今宇宙船は大きなダメージを受けていて、既に航行不能状態に陥っている。燃料も枯渇し、これ以上この宇宙船に留まることは死を意味する。

城之内は、小型の緊急脱出用カプセルで直ちに脱出するよう隊員たちに指示する。

食糧は半年分、酸素は1年半分。撃ち出したら最後、方向転換すらできず、ただただ宇宙空間を漂うだけになってしまう。

隊員たちは、このカプセルでひたすら宇宙空間を漂い、数億分の一の確率で誰かに発見され救出してもらう意外に生き残る方法はなかったのだ。

隊員たちがカプセルに乗り込む中、城之内は衝撃的な物を目にしてしまう。なんと牧村の死体が座っている椅子に、「ボクハコロサレル」というダイイングメッセージが書き綴られていたのだった。

 

カプセルで宇宙空間に打ち出された4人。しばらくは無線でのコンタクトが可能だが、撃ち出した方角に誤差があれば、二度と戻っては来れない。

恐らくこの4人は、今後永久に顔を合わせることは無いだろう。

城之内は無線で隊員たちに呼びかける。

「牧村は誰かに殺されている。犯人は、この4人の中にいるとしか考えられない。正直に名乗り出てくれ。」

この城之内の呼びかけは、隊員たちに大きなショックを与えた。

お互いが疑心暗鬼になりつつあるその時に、なんと5つ目の脱出用カプセルが4人のカプセルの跡を付いてくる様子を猿田が認めた。これは、牧村用のカプセルのはずだ。

しかし、牧村は確かに死んでいた。牧村が乗っているはずがない。

城之内は牧村のカプセルに通信を試みるが、返事はない。

 

一体あのカプセルには誰が乗っているのか?不気味な思いを胸に宇宙を漂う4人に、ついに恐れていた出来事が襲い掛かる。

この後の展開

一体誰が牧村を殺したのか?犯人捜しをするために、4人のメンバーの間にはいろいろな推察が飛び交います。

そして、徐々に明らかになっていく牧村の過去。意外な素顔。

メンバーが一人また一人と脱落していく中、偶然辿り着いたのは”流刑星”という奇妙な星。

最後のあまりにも救われないラストには、大勢の人がトラウマを植え付けられたでしょう。

 

内容は、全部で150ページくらい。1時間あれば読み終えることができます。

しかし、短編とは思えない程中身はギュッと詰まってます。

是非とも、一度読んで”宇宙の恐怖”を味わってみてください。

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