『火の鳥 太陽編』の作品紹介
連載 | 1969年(漫画雑誌「COM」) |
単行本 | 全16巻(完結)中14~16巻 |
ジャンル | 人間ドラマ |
作者 | 手塚治虫 |
『火の鳥 太陽編』は、1969年、漫画雑誌「COM」にて連載された短編漫画です。作者は、日本でもっとも有名な漫画家の手塚治虫さん。
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『火の鳥 太陽編』のみどころ
『火の鳥 太陽編』は、火の鳥シリーズの中では一番最後の作品なのですが、フィニッシュを飾るにはふさわしい、読み応え十分の内容といえるでしょう。
ストーリーが良く作りこまれていて、この漫画をそのまま映画でリメイクしたら、アカデミー賞を争うのではないかと思えるほどです。
順を追って解説していきましょう。
皆さんは、夢を見ているとき、夢の中ではその夢の内容が現実であるかのように錯覚してしまうと思います。
目が覚めた時、「あれは夢だったのか…」と安心したりがっかりしたり、誰もが体験することです。
では、その夢の世界がもうひとつの現実だったとしたら?つまり、二つの現実の世界を生きる人間だとしたらどうでしょうか?
太陽編は、まさにそんな感じの不思議なストーリー。主人公の犬神は、夢を見るたび、まるでスイッチが切り替わるかのように二つの現実を切り替えながら生きる人間なのです。
一つめの現実は、7世紀の日本。白村江の戦いで倭軍敗れた場面から、この漫画は始まります。
663年、朝鮮半島の白村江付近で行われた、唐&新羅連合軍VS日本&百済連合軍による戦闘。
朝鮮半島における覇権争いにおいて、日本の古くからの友好国である百済が劣勢に立たされていたため、倭国は朝鮮半島への派兵を決意。のべ5万人近くの軍人が遠征に加わった。
しかし、健闘も空しく倭国&百済連合軍は敗北を決し、朝鮮半島は新羅が統一することとなった。
この戦いは、日本史上初の国外戦闘とされている。
乱世編もそうですが、時代のチョイスが相変わらず渋い!白村江の戦いを持ってくるあたり、日本史好きにはたまらないですね。
主人公は、オオカミの皮を顔に被った”狼男”として、日本に存在する八百万の神々を排除し新たに仏教を普及させようとする国家に対抗していくのです。
そして二つ目の現実は、未来の日本。地上で陽気に暮らす”光”一族と、地下での陰気な生活を余儀なくされた”シャドー”一族に区分けされた日本です。
”光”に地上の生活を奪われた”シャドー”は、地下生活に身をやつしながらも、常に反撃の機会を狙っているわけです。
ここでも主人公は、”シャドー”の特殊工作員として、”光”一族を弱体化させるための工作活動や情報収集を行っているのです。
もちろん、主人公がこの二つの時代を生きるのは、ある重要な意味を持っています。ストーリーの最後には、その謎が解き明かされていくことになります。
そして、この漫画のもう一つのポイントは、「宗教と戦争」について考えるきっかけを与えてくれるというところです。
大昔から今日まで、宗教を巡る戦争は常にどこかで勃発しています。
そもそも宗教とは人間を幸せにするために生まれたものなのに、なぜその宗教を巡って殺し合いをしなければならないのか?
誰もが思ってしまうその疑問に、この漫画は次の一言で答えています。
「宗教とか人の信仰って、みんな人間が作ったもの。そして、どれも正しいの。ですから、正しいもの同士の争いは止めようがないでしょ?」
この言葉は、なかなか的を射ていると思いましたね。
そうなんです。宗教戦争に限らず全ての戦争って、いつだって正義対正義の戦いなんです。お互いが自分のことを正義だと思っているんです。
かつて日本が経験した大東亜戦争だって、今現在世界を騒がせているロシアのウクライナ侵攻だってそうなんです。
勘違いしてはいけないのは、決して宗教自体が悪いわけではないというところです。この漫画でも主張していますが、問題なのは、宗教と権力が結びついた時。
権力者にとって宗教は、民衆を従わせるための都合のいい道具になってしまうんですね。
私はこれまで、13年間自衛隊で勤務してきました。そのため、そこそこの国防感覚は身に着けているものと自負しております。
正直、戦争について語ろうとする映画や漫画を読むと「それはちょっと違うんじゃないか?」と思ってしまうことが多かったのですが、この太陽編に関しては概ね同意しています。
(あくまで私の個人的な感想ですので、あしからず)
とまあ小難しいことをいろいろと書いてしまいましたが、基本的には読みやすい漫画です。そして、やはり内容が面白いです。
また、14巻から16巻までの単行本3冊にかけてのボリュームで、読みごたえも十分。
是非ともお勧めしたい漫画です。
『火の鳥 太陽編』の登場人物
ハリマ/坂東スグル
本作の主人公。
古代では、名をハリマ。百済王一族の兵士。敗戦時、顔の皮を剥がされて狼の皮を被せられる。
このことがきっかけで、霊界の住民ともコミュニケーションが取れるという特殊能力が備わる。
未来では、名を坂東スグル。シャドーの所属する腕利きの諜報員。
おばば
百済の住民。ハリマの世話人で、ハリマと共に日本に移り住む。
医術の心得があり、ハリマが死にかけるたびに薬草を処方して命を助けている。
マリモ
句族の長ルツべの娘。普段は狼の姿をしているが、人間の姿に変わることもできる。
ハリマに命を助けられて以来、ハリマを愛するようになる。
大海人皇子
第38代天智天皇の弟。日本に仏教を取り入れるという天智天皇の政策に反対している。
ハリマのことを買っている。
おやじさん
シャドーの指揮官。光族を地上から追い払うため、革命を起こそうとしている。
ヨドミ
光一族の兵士。スグルと同い年の17歳(若っ)。
戦闘能力はかなり高い。
『火の鳥 太陽編』のストーリー(細部)
白村江の戦いにおいて、倭・百済連合軍は敗退。百済軍の兵士として戦っていたハリマは、顔に狼の皮を被せられ、狼男として生きることを余儀なくされた。
ここでハリマの命を救ったのが、百済に住む偏屈な老人おばば。
ハリマとおばばは、敗走し暴徒と化す倭軍兵士から逃げるため、船を濃いで海に逃げ出し、日本に流れ着くこととなる。
この頃日本では、唐からもたらされた仏教勢力が、古代より日本に住み着いていた神々を排除しようとしていた。そしてこの仏教の布教拡大は、天智天皇による政策であることが分かった。
ハリマは、日本の神々を守るため、仏教勢力に対抗していくこととなる。
ところで、この頃からハリマは、不思議な夢を見ることが多くなる。見知らぬ世界で自分が銃を持ち、誰かと戦っている夢だ。
実はこの夢は、己の運命に大きな影響を与えるということに、この時のハリマは気付いていなかった。
以後の展開
この後もハリマは、人間の権力闘争に関与しつつも、仏教VS神という人間の目には見えない世界の戦争に巻き込まれ、命がいくつあっても足りないような生活を送っていきます。
そして、怪我を負うごとに気絶し、あの不思議な夢を見るのです。
ハリマの見る夢は、日が経つうちに、どんどんリアルさを増していきます。
どっちが夢でどっちが現実なのか、わからなくなるほどに。
なぜハリマには、こんなにもリアルな夢を見ることができるのか?
この理由は、最期の30ページくらいでようやくわかってきます。
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