漫画『火の鳥』シリーズ全巻を、個人的おススメ度と共に一挙紹介!!

漫画

『火の鳥』シリーズの中でも一番の名作は何か?

この記事は、こんな人におすすめです。

①初めて火の鳥を読むけど、何から読んでいいのかわからない人。

②火の鳥シリーズが大好きな人

③手塚治虫さんの漫画哲学に触れたい人

今回は、日本で一番有名な漫画家・手塚治虫さんの代表作『火の鳥』シリーズについて、その内容と個人的おススメなどを紹介していきます。

「火の鳥ってなんとなく聞いたことあるけど、よくわからない」
「火の鳥に興味があるんだけど、何の話から読んでいいのかわからない」

という方は、特に読んでほしいです。

また、「既に全巻読破してるぜ!」という方でも、復習の意味で読んでいただけると幸いです。

天才のエキスが詰まった作品

まず、『火の鳥』を端的に言い表すとすれば、天才・手塚治虫さんのエキスが最も凝縮された漫画。いわば、漫画というよりかは哲学書に近い存在なのかもしれません。

火の鳥の生き血を飲んだ者は不老不死の力が手に入る、という全般的な設定があり、全編を通じてこの”永遠の命をどう考えるのか”という点が大きなテーマとされています。

感覚的には「お!歳も取らないし絶対に死なないなんて、最高じゃん!」と考えてしまいがちですが、そんなにいいことばかりではありません。

この漫画には、人類の最後の一人になり、孤独の中に数億年を生きた主人公が登場します。

他にも、地球から何億光年も離れた名もない惑星で、たった一人、老化と退化を繰り返しながら永久にその場で生き続けなければならないという恐ろしい罪を背負った主人公もいます。

永遠の命とは、孤独との戦いでもあるのです。

このように考えると、永遠の命とは、メリットよりもデメリットのほうがはるかに大きいように思えます。

と、ここまで小難しいことを書いてきましたが、内容自体はとても読みやすく、小学生から大人まで幅広く楽しむことができます。

全ての話がどこかで繋がっている

『火の鳥』は、古代と未来まで様々な時代を背景にしながら構成されていますが、この漫画の面白い特徴として、登場する人物たちが、全話を通じてどこかしらで関係性を持っているという点が挙げられます。

主要人物の語られない過去が後のストーリーに書かれていたりするので、純粋にストーリー性を楽しむだけでなく伏線回収的な楽しみ方もできるのです。

(ただ一つ、『羽衣編』だけは、とある特殊な事情により他のどの話とも関係性を持たない独立した話という構成にされています)

特に、この漫画のキーマンとされているのが「猿田」という人物です。

猿田は、羽衣編を除くすべてのストーリーに主要人物として登場し、時には武将、時には科学者、時には盗賊と、様々な役柄のもと躍動します。

違う時代でも同じ顔と名前で登場するのは、猿田の先祖や子孫という設定になっているからです。

しかし彼は、醜い顔でのため女性とは無縁の人生を送り、弓に撃たれて死んだり、放射能に犯されたり、両腕を切り落とされたりと何かしら悲惨な目に合っています。

なぜ猿田はこんな不幸な目に合うのか?それには、ちゃんと理由があるんです。『宇宙編』を読めば、猿田の犯した罪の大きさ、そして猿田の役割を理解することができます。

おススメ度

というわけで、『火の鳥』各話の内容と解説、そして個人的おススメ度を紹介していきます。

おススメ度は、下表のような感じで書いていきます。完全に独断と偏見ですので、異論は認めます。

おススメ度の基準

★☆☆☆☆ → おススメできません…(;^_^A
★★☆☆☆ → 時間が余ったら読む程度でいいです
★★★☆☆ → 普通に面白いので読んでください
★★★★☆ → 相当面白いです、優先的にどうぞ
★★★★★ → 読まなきゃ人生損します

 

『火の鳥 黎明編』

おススメ度

★ ★ ★ ☆ ☆

 

あらすじ

祖国を邪馬台国に滅ぼされ、奴隷に身をやつしながらも卑弥呼に復讐する機会を狙いながら戦い続けるクマソの戦士ニギ。一方、ニギの姉であるヒナクは、裏切り者のグズリと共に火山の地中深くに閉じ込められ、生き残りをかけた極限の夫婦活動を営むこととなった。復讐に生きるニギと、ひたすら生き残ろうとするヒナクとグズリ。火の鳥は、どちらに微笑むのか?

解説

火の鳥シリーズの第一作目。『黎明編』を読めば、火の鳥というコンテンツの世界観を概ね理解することができます。時代背景は弥生時代で、日本史で有名な人物ベスト5に入るであろう卑弥呼が、悪役的な立場で登場します。人間の命とは何なのか?人は何のために生きるのかを考えさせてくれる一作です。

『火の鳥 未来編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ☆

 

あらすじ

核戦争が勃発し生物が残らず死に絶えた世界で、火の鳥から永遠の命を授かった山野辺マサトは、たった一人で何億年もの時間を過ごさなければならなかった。マサトは、「死滅した生命を蘇らせる」という重大な使命を背負っていたのだ。孤独と戦いながらも研究を続けたマサトはある日、生命の神秘に触れることとなる。

解説

今よりもずっと未来のお話。人間は、永遠の命を手に入れたらどうなるのか?そう、マサトのように、世界が滅んだ後もたった一人で生き続けなければならないのです。この孤独に、人間は絶えることができるのでしょうか?世界の破滅、人類の滅亡、生命の誕生など、宇宙の根幹に触れるようなスケールのでかいストーリーは、手塚治虫さんならではの妙技と言えるでしょう。

『火の鳥 ヤマト編』

おススメ度

★ ★ ☆ ☆ ☆

 

あらすじ

王の古墳造りに反対をするオグナは、クマソの王・川上タケルを討つために無理やり出陣を命じられる。ところがオグナは、敵である川上タケルの持つ人間的魅力と見識の深さを目の当たりにするばかりか、川上タケルの妹・カジカと相思相愛の仲になってしまう。ヤマトに戻るべきか?クマソに残るべきか?悩めるオグナに、火の鳥は語り掛ける。

解説

時代背景は古墳時代。ストーリー自体は決して悪くない(むしろ面白い)のですが、要所要所にギャグ要素を盛り込み過ぎて、やや節操がない感じになっちゃっているのが残念。個人的には、ヤマト編に登場するカジカちゃんは、火の鳥シリーズNo.1ヒロインだと思っています。

『火の鳥 宇宙編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ★

 

あらすじ

2577年、オリオン座ペテルギウス付近の宇宙空間において、城之内たち隊員5名が乗った宇宙船に隕石が衝突。睡眠中だった4人が飛び起きてみると、ミイラのように干からびた牧村の死体が操縦席に座っていた。そして牧村の手元には、「ボクハコロサレル」というダイイングメッセージが残されていた。誰が牧村を殺したのか?犯人が分からぬまま、生き残った4人は緊急脱出用カプセルに乗り込み、それぞれ宇宙空間へと脱出していく。

解説

火の鳥シリーズの中でもダントツの鬱ストーリーを誇る『宇宙編』。私が火の鳥にハマるきっかけとなったのも、この『宇宙編』を読んだからでした。猿田が不遇な目に合う理由も、本編を読めばわかります。宇宙の恐怖、そして発狂したくなるほどの孤独。鬱耐性の無い方は要注意です。個人的には、絶対におススメしたい一作。

『火の鳥 鳳凰編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ★

 

あらすじ

一流の彫刻師である茜丸は、我王に利き腕を斬られて一度は挫折するものの、不屈の精神で復活を遂げる。その後、朝廷から鳳凰の木像を掘るよう命じられ、火の鳥を探すため宛てのない旅に出る。一方、人を殺すことを何とも思わない大悪党・我王は、不思議な女性・速女と出会い、強引に夫婦の契りを結ばせる。そしてこの速女との出会いこそが、後に我王の人生観を大きく変えることとなる。

解説

時代背景は平安時代。「人はなぜ生きるのか?」という、人類の永遠の課題について考えさせられる一作。茜丸と我王の運命の交錯が、あまりにも秀逸過ぎるストーリーを作り出しています。なんといっても、我王と速女の別れのシーンは、火の鳥屈指の名シーンとして語り継がれるでしょう。個人的には、火の鳥シリーズの中でも一番の名作と思っています。火の鳥に興味があっても無くても、死ぬまでに一度は読んで欲しい。

『火の鳥 羽衣編』

おススメ度

★ ☆ ☆ ☆ ☆

 

あらすじ

一人の男のもとに、世にも美しい羽衣を纏った女性がやってきた。男は、女性が水浴びをしている隙に羽衣を隠し、返してほしかったら妻になるように申し向ける。この不思議な女性の正体は、なんと1500年後の日本からやってきた未来人だった。

解説

火の鳥シリーズでは、それぞれの話が何かしらの関連性を共有しているのですが、この『羽衣編』だけは、とある大人の事情により完全に独立した話になってしまいました。神話『羽衣伝説』をモチーフにした話の内容も、「火の鳥関係あんの?」と疑問符が付いてしまう。どこかで見かけたら読む程度でいいかと思います。

『火の鳥 復活編』

おススメ度

★ ★ ★ ☆ ☆

 

あらすじ

交通事故により死亡したレオナは、脳みそを含む身体のほとんどをロボットに作り替え、生き返ることとなった。しかし、手術の副作用としてレオナは、生物がまるで無機質に感じてしまうという怪奇現象に悩まされることとなる。そんな時、無機質な世界で生きるレオナは、たった一人美しい女性を発見する。その女性の名はチヒロ61298号。工業用のロボットだ。なぜチヒロだけが、レオナにとって人間に見えるのか?やがてレオナは、チヒロに恋をする。

解説

時代背景は近未来。人間とロボットの関係性について考えさせられる一作。脳みそまで機械化されたレオナは、自分が人間なのかロボットなのかわからず、思い悩む日々を過ごします。そしてついには、人間とロボットを融合するというサイコパスな発想まで飛び出します。たとえ空想科学とはいえ、人間とロボットが融合するとどうなるのか?人間の禁忌に触れたような背徳感を感じることができるでしょう。

『火の鳥 望郷編』(閲覧注意)

おススメ度

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あらすじ

地球が嫌になり逃げだしたロミとカインは、悪徳業者にだまされ、廃頽した星に棲むことになった。しかも、その後カインは事故により死亡。あとには、ロミとお腹の中の子供だけが残された。生き残る手段はただ一つ、ロミがやがて成長するであろう自分の子供と交配し子孫を残すこと。育児の一切をロボットに任せ、ロミは冷凍睡眠へと向かう。

解説

人間が地球外に棲み始めるくらいの未来。近親相姦、カニバリズムなどのヤバい行為がてんこ盛りの問題作。電波ストーリーも相まって、読んでいるとなんだか気持ち悪くなってきます。個人的には受け付けなかったのですが、「見る人が見たらある意味高尚な話かも…」という可能性にかけて、おススメ度は?????としました。怖いもの見たさで読むのもありかもです。

『火の鳥 乱世編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ☆

 

あらすじ

時は平安時代。平清盛が率いる平家が絶頂の時を迎えていた。そんな平家の武士たちに、家を焼かれ親を殺され恋人まで連れ去られた弁太は、武士に強い恨みを抱いていた。そんな時に弁太が出会ったのは、打倒平家を掲げる源頼朝の弟・源九郎義経。「共に平家を倒そう」固く手を握り合った二人だったのだが…

解説

源義経と武蔵坊弁慶の、歴史上実在した二人の生涯を描いたお話。とはいえ、二人が固い忠義で結ばれていた史実とは違って、人間模様に少し工夫が凝らされているところがこの話の面白いところ。前半はほのぼのした感じで進むのですが、後半は戦シーンが多くなり殺伐とした雰囲気に変わっていきます。読み応え十分な一作。

『火の鳥 生命編』

おススメ度

★ ★ ★ ☆ ☆

 

あらすじ

TV局敏腕プロデューサーの青居は、視聴率狙いのため、クローン人間を大量生産しハンターに殺させるという世にも恐ろしい企画を立ち上げる。青居はその後、クローン技術を授かるために”鳥”と出会うが、薬指を切り取られて気絶。目が覚めてみると、青居のクローン人間が大量に製造されていた。自分のクローンが殺されていく現実を見て、青居は何を思うのだろうか?

解説

時代背景は近未来で、クローン人間を題材としたお話。クローン動物やクローン植物は作られているのに、なぜクローン人間だけはタブーとされているのか?その理由を、手塚治虫さんの解釈で、ストーリーに乗せて解説してくれています。短い話ですが、十分すぎるインパクトを持っています。

『生命編 異形編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ☆

 

あらすじ

左近介は、数百年を生きていると噂される八尾比丘尼の首を斬り落とした。しかし、左近介が帰ろうとすると異常気象が発生し、どうしてもその場所から離れることができない。まるで運命が、左近介をこの場所に留めているかのように。その後も、次々と訪れる訪れる怪奇現象、衝撃、そして恐怖。左近介の身には、一体何が起きているのか?

解説

時代背景は中世日本。いわゆる”ループもの”といわれるもので、左近介は既に、同じことを永久に繰り返さなければならない運命を背負っているのです。”ループもの”は、”永遠の命”を大きなテーマに掲げているこの『火の鳥』とは相性がいいですね。左近介が八尾比丘尼を斬る→左近介が八尾比丘尼のフリをして生活する→時間が遡及する、となると、次に起こる出来事は?

『火の鳥 太陽編』

おススメ度

★ ★ ★ ★ ★

 

あらすじ

白村江の戦いで敗れ、顔に狼の皮をかぶせられてしまったハリマは、神界の者と会話ができるという特殊な能力を授かる。その後もハリマは、日本に古来から在り続ける八百万の神々のために、異国の新興宗教勢力と戦いを続ける。また、ハリマは時折奇妙な夢を見る。見たこともない世界で、銃で人を撃ち殺す夢だ。やがてこの夢は、ハリマの二つ目の現実としてリアリティーを増してく。

解説

主人公のハリマ(未来では坂東スグル)を中心として、飛鳥時代と近未来を行き交いながらストーリーが進んでいく、『火の鳥』シリーズの最終作として相応しいスケールの大きい一作。一見すると全く関係ない二つの現実が、最後には一つになっていく過程がなんとも見事。宗教とは何なのか?戦争とは何なのか?ということについて、深く考えさせられます。手塚治虫さんの才能を認めざるを得ない秀作。

まとめ

No. 題名 時代背景 おススメ度 巻数(全16巻)
黎明編 弥生時代 ★★★☆☆ 1~2巻
未来編 未来 ★★★★☆ 3巻
ヤマト編 古墳時代 ★★☆☆☆ 4巻前半
宇宙編 未来 ★★★★★ 4巻後半
鳳凰編 奈良時代 ★★★★★ 5~6巻
羽衣編 中世日本 ★☆☆☆☆ 6巻後半
復活編 未来 ★★★☆☆ 7~8巻
望郷編 未来 ????? 9~10巻
乱世編 平安時代 ★★★★☆ 11~12巻
10 生命編 未来 ★★★☆☆ 13巻前半
11 異形編 中世日本 ★★★★☆ 13巻後半
12 太陽編 飛鳥時代&未来 ★★★★★ 14~16巻

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