漫画『シグルイ』(ネタバレ無し)グロテスク過ぎる時代劇斬り合いもの。時代劇版「刃牙」。

漫画

『シグルイ』の作品紹介

 連載 2003年~2010年(チャンピオンRED)
単行本 全15巻(完結)
 ジャンル 時代劇アクション
 作者 山口貴由

『シグルイ』は、2003年~2010年、「チャンプオンRED」にて連載された漫画です。「シグルイ」とは、江戸時代中期の書物「葉隠」にある「武士は”死狂い”である」という一説を抜粋している。

なおこの漫画は、南條範夫さんが著した時代小説「駿河城御前試合」を基として書かれている。

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『シグルイ』のここがヤバい

 

シグルイの最大の特徴は、時代劇とアクション要素とグロテスクさを絶妙なバランスで融合させたところです。

まず、時代劇の観点から見るとなかなか見事。武士のしきたりや心構え、庶民の生活など、細かいところまで調べて描いているなという印象を受けました。

特に印象的だったのが、序盤早々”陰腹”により死亡した徳川忠長の部下。

みなさん、陰腹(かげばら)って知ってますか?私は、この漫画を見て初めてこの言葉を知りました。

武士は、真に殿を諫めようとするとき、陰腹をしていたようです。つまり、殿さまの前に出る前に、死なない程度に切腹しておいて、痛みを堪えながら命がけで意見するわけです。

その他にも、武士のしきたり的なエピソードがいろいろと出てきます。

 

次に凄いのが、アクション要素です。

この漫画では、登場人物たちは常に斬り合ってます。80%は斬り合いのシーンと思っていいと思います。

そしてこの斬り合いが、作者の画力も相まってなかなかの迫力。腕や足が引きちぎられる、首が宙に舞う、内臓が飛び出るなど日常茶飯事。地獄絵図のような斬り合いシーンの連続です。

超有名格闘(ギャグ?)漫画「刃牙」の時代劇バージョンと考えると分かりやすいと思います。

 

 

そしてなによりも、超グロテスク(-_-;)

そもそも作者の山口貴由さんは、作風的に肉体が破壊されたり手足が吹き飛んだりという描写が得意ということ。さきほどのアクション要素でも触れましたが、戦いに敗れて惨殺される武士が続出。

顔を斬られて、顔がちょうど半分になってしまう姿や、脳みそがこぼれ落ちる様子など、「おえっ!((+_+))」となってしまうような描写がかなり多いので、グロが苦手な方は閲覧要注意です。

特に壮絶なのが、ストーリー中盤で訪れる伊良湖清玄と岩本虎眼の一戦(若干のネタバレごめんなさい)。

一回見たら、しばらく脳裏に焼き付いて離れないと思います。

 

また、こういう系の漫画ではお約束なんですが、登場人物はほぼ全員イ〇れてます。まともな思考を持った人物は、一切登場しません。

藤木源之助なんかは比較的まともに見えますが、強くなりたいという意識が強すぎてもはや変態です。伊良湖清玄も、最初は女子をナンパしまくるなど人間臭いところがありましたが、後半は剣術に命を懸けすぎてまるでもはや殺人鬼です。

岩本虎眼なんかは、序盤から終盤まで常に狂ってます、いろんな意味で。

そんな個性的すぎる人物たちが紡ぎ出す物語。平和に終わるわけないですよね笑

 

と、これまでいろいろ書いてきましたが、貶していません。全部誉め言葉です。

私、こういうぶっ飛んだ映画や漫画が好きなんです(*^_^*)

 

全巻合わせて15巻とそこそこボリュームがありますが、頑張れば一日で読破できます。

是非とも一読ください!

『シグルイ』の登場人物

藤木源之助

本作の二大主人公のうちの一人。岩本虎眼の弟子で、虎眼流の剣術を使う隻腕の剣士。

極限まで鍛え抜かれた身体は超人的で、素手で人間の頭部を吹き飛ばせる程である。

過去、伊良子清源との試合に負けている。

伊良子清玄

本作の二大主人公のうちの一人。破足かつ盲目の剣士。剣術のセンスはピカイチ。

甘いマスクが特徴で、抱いた町娘は数知れない。

岩本虎眼の奥さんにも手を出す。

岩本虎眼

虎眼流剣術の創始者。手の指が6本ある。

あまりの強さゆえ、「濃尾無双」とたたえられている。

虎眼が編み出した必殺技”星流れ”は、虎眼流道場の中でも限られた者しか見ることができない。

高齢のため、言動がおぼつかず突然失禁するなど相当にモウロクしているが、ごく稀に意識を取り戻す瞬間があり、その時には主要人物を集めて道場の運営について指示を出す。

牛股権左衛門

虎眼流道場の師範代。源之助の兄弟子にあたる。

怪力の持ち主で、巨大な棹のような武器を振りまわす。

三重

岩本虎眼の一人娘。

虎眼道場の後継ぎと結婚する運命を背負っている。

いく

岩本虎眼の妾。

美人だが、道場生たちは虎眼の存在を恐れて近づこうとしない。

『シグルイ』のストーリー(細部)

某年4月、駿河藩において真剣による御前試合が行われようとしていた。

出場する剣士は、西方より虎眼流の使い手藤木源之助。隻腕の剣士ではあるが、その実力は相当なもので、身体全体からオーラがにじみ出ていた。

一方東方は、伊良湖清玄。破足かつ盲目の剣士だ。彼は、地面に剣を突き立て、その剣先を左足の指で挟み込むという世にも奇妙な構えをしていた。

明らかに普通ではないこの御前試合の雰囲気に、会場はざわめき立つ。

隻腕の剣士と、盲目・破足の剣士。果たして、どんな修羅場をくぐればこんな姿になるのか?

 

そしてこの二人には、とある因縁があった。

時は、7年前まで遡る…

今後の展開

この後は、藤木源之助と伊良湖清玄の因縁について描かれていきます。

7年前、虎眼流道場で無双する藤木の前に伊良湖が現れ、伊良湖が藤木を破ります。

それ以来、藤木と伊良子はライバルのような関係に。

んで、虎眼流の跡取りを誰にするかという話になった時、一度は「伊良子でいいんじゃね?」となるのですが、ここで伊良湖といくの不倫関係が暴露されてしまうのです。

ここからは虎眼流は、ハチャメチャな状態に。

そして暴走する伊良湖の前に、最強の男岩本虎眼が立ちはだかる…

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