作品紹介
連載 | 2016年~2018年(ヤングマガジン) |
ジャンル | ホラー |
著者 | イナベカズ、蔵石ユウ |
『食糧人類』は、2016~2018年にヤングマガジンで連載されていたホラー漫画で、2015年の「第1回次にくる漫画賞(web漫画部門)」にノミネートされています。
著者のイナベカズ&蔵石ユウのコンビは、人間とゾンビとの戦いを描いた大ヒット漫画「アポカリプスの砦」と同じメンバーです。
✔ グロテスクな漫画が見たい
✔ 絶望のどん底に叩き落されたい
✔ 刺激の強い漫画が見たい
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この漫画のみどころ
この漫画の凄いところは、殺され方のへこだわりです。
標題で予想がつく方も多いと思いますが、この漫画は、本来捕食側であるはずの人間が逆に食糧にされてしまうというものです。
そのため、人がたくさん死にます。こんなに人が死ぬ漫画があるのか?ってくらい、人が死にます。
当然、死亡シーンも数多く描かれるのですが、そのワンシーンワンシーンに作者の強いこだわりが見られるのです。
グロテスクといえばグロテスクなのですが、単純に内蔵ドバー!みたいな感じではなく、「普通そんな死に方しないよね?」っていうような珍しい死に方が多いのです。
まず、私が読んでいて最初に「やべぇ・・」って思ったのが、作業員がバケモノに全身の皮を剝がされた挙句頭から食われていくシーン。
バケモノは、まるでバナナの皮を剝くかのように、器用に人間の皮を剥いでいくんです。当然、皮を剥がれた人間は、科学室にある標本のようになってしまうのですが・・・
ただ人間が食われていくだけの漫画であれば、パクつかれてはい終わりっ!って感じにすればいいのに、敢えて”皮を剥ぐ”というひと手間を加えているところが、さすがというところ。
あと、なんといってもバケモノが登場したときの絶望感が半端ないです。
ネタバレになりますが、バケモノに対して抵抗する手段を人類は持っていません。従って、ほぼ無抵抗に虐殺されていきます。逃げるしかありません。
「絶望のどん底に叩き落されたい!」というドMな方には、是非ともおススメです(笑)
ということで、私が「これはヤベェ・・・(語彙力低下中)」と感じた死亡シーンをまとめてみました。
結構グロテスクなので、閲覧注意でお願いします。
✔ 皮を剥がれた上に、頭から食われていく作業員(第5話)
✔ 生きたまま下半身から食われていくナツネ(第9話)
✔ 顔の前面3分の1程を、縦方向にかじり取られる男(第20話)
✔ 頭部の上半分を、横方向にかじり取られる男(第20話)
✔ 鼻から顎にかけてかじり取られる山根教授(第34話)
✔ ショットガンの連打を受け、顔に大穴が開いたナツネ(第9話)
✔ なすすべなく食われていく民間人たち(第47話)
✔ 卵を植え付けられ、顔面から産卵する男(第48話)
登場人物
伊江
本作の主人公。将来は画家になるという夢を抱く、一般的な高校生。
瞬間記憶能力を持ち、一度見た風景は、映像として正確に覚えることができる。
カズ
伊江と同級生であり、親友でもある。将来は気象学者を志望している。
元々は、体育会系でサバサバしたタイプの人間だったが、地下工場で謎の液体を飲んだことにより、愚鈍な肥満児になり果てた。
山引
地下工場に送り込まれて3日間、脱出口を探し続けている若い男。
長髪をポニーテールのようにして束ね、クールな雰囲気を醸し出す美男子。男女両方ともいける両刀使い。
頭は相当キレるが、やや変わった思想の持ち主。
ナツメ
山引と共に地下工場をさ迷い歩く若い男。
感情的になりやすく、暴力に訴えることが多い。
どうやら、この地下工場において”どうしてもやりたいこと”があるらしい。
幼少期、母親と二人暮らしをしていたが、壮絶な形で死に別れをしている。
小倉
地下工場に密かに住み続ける、挙動不審の中年男性。
地下生活が長くほとんど人と会話をしていなかったためか、思考力は低下し、言葉がどもって上手く喋れない。
以前は、ルポライターを目指す熱血青年だった。
裕子というガールフレンド(?)がいる。
裕子
小倉のガールフレンド。
といっても人間ではなく、紙に書かれた女性の絵を、小倉が「裕子さん」と呼んで擬人化しているだけ。
人格は小倉が担当している。
ストーリー(序盤だけ)
地球は、極度の温暖化時代を迎えていた。
3月になるというのに毎日が猛暑日で、人々は汗だくになりながら薄着で町を練り歩くという異様な光景が見られた。
人間の住むことができる場所は激減し、人口は減少の一途を辿っていた。
そんな時代にありながらも、高校生の伊江は、親友のカズとともにファーストフード店にて小腹を満たしながら将来の夢について語り合うなど、ささやかな幸せを噛みしめるようにして生活していた。
しかし、そんな伊江の平凡な生活は、急遽終わりを告げることになる。
伊江がカズと一緒にバスの乗って移動をしていると、急に意識が膿漏となり、気絶してしまう。
次に目覚めた時、伊江はトラックの荷台の上にいた。その荷台には、伊江と同じように気絶させられた人間が大勢積まれていた。
そこで伊江は、ショッキングな場面を目撃する。
それは、まるで作業現場のような場所で、カチコチに冷凍された人間が、まるで材木を切り刻むかのように電動のこぎりで真っ二つにされているところだった。
慌てふためく伊江をよそに、作業員らしき人物が数人やってきて、伊江を地下室へと放り込む。
地下室では、大勢の人間が天井から吊るされた管を口に含み、何か液体のようなものを一心不乱に飲んでいた。そして、そこの人間たちは例外なく、異常なほどの肥満体質だった。
そこに、親友のカズがいた。
カズは、管から出る液体を既に飲んでおり、言動が落ち着かない。さらに、あのスリムだった体系が肥満体系へと変わりつつあった。
そして、
と言って、謎の液体を伊江に勧めるのであった。
飲みたくなる衝動に駆られる伊江だったが、その時、伊江に静止を呼びかける二人の人間が現れる。
それが、山引とナツネだった。
彼らの話によると、ここは人間の飼育室(肥育場)らしいのだ。
そして、カズや他の者たちが飲んでいる謎の液体は、飲むものの思考を抑制し、極度な肥満体質に変えてしまうという恐ろしいものだった。
ここで、飼育場の扉が開く。
山引とナツネは途端に顔色を変え、伊江に
と指示する。
伊江が言うとおりにしていると・・・
なんとバカでかいバケモノが現れて、太り過ぎて身動きが取れなくなった人間たちを次々と惨殺し、大きな口で食い荒らしていく。
そのバケモノは、あっという間に数人を食いつくすと、満足したように部屋を出て行った。
なんとこの飼育場は、このバケモノたちのエサとして、人間を飼育するための場所だったのだ。
山引とナツネは、作業員に変装して飼育場から脱走しようとする。伊江は、既に思考が鈍り始めているカズを連れ、山引たちと行動を共にすることとした。
4人が施設内をさ迷っていると、小倉という挙動不審な男に出会う。
小倉は過去、取材のためこの場所を訪れ、施設にまつわる秘密に触れてしまう。
恐ろしくなった小倉はその場から逃げ出し、以来自分でもわからなくなるくらいの長い間、この施設に隠れ住んでいるという。
その小倉の口から語られる話の内容は、4人の想像を遥かに超えるほど恐ろしいものだった。
その後の展開
この後も4人は、恐ろしいバケモノたちと対峙しながらも、少しずつ施設の謎について解き明かしていきます。
その間にも、無抵抗な人間たちは次から次へとバケモノに食われてしまいます(”こだわり”の食われ方)。
その後も、マッドサイエンティストが作り上げた人造人間が登場したり、ナツネや山引の壮絶な過去が明らかになるなど読み応えある展開が続き、最後は人類が超絶ピンチに陥ります。
そして伊江たちは、人類に差し迫った大ピンチを救うため、まるで悪夢のような方法を取ることに・・・
というように、最初から最後まで目が離せない展開が続きます。
最後の最後は、マジでカオスです。漫画とはいえ、よくぞそんな発想ができたものだ・・・
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