漫画『絶望集落』(ネタバレ無し)性と暴力の塊と化した猿が人間たちを虐殺する最恐パニックホラー

漫画

『絶望集落』の作品紹介

 連載 2020年~2021年(マガジンポケット)
単行本 全3巻(完結)
 ジャンル パニックホラー
 作者 蔵石ユウ

『絶望集落』は、2020年~2021年にかけて、マガジンポケットで連載された蔵石ユウさんの作品です。

蔵石ユウさんの作品には、過去に本ブログでも紹介した「食料人類」があります。

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『絶望集落』のみどころ

この漫画のみどころは、「令和の世でこの内容を連載していいのか?」と思いたくなるほどの、常軌を逸したパニックぶりです。

「絶望集落」という名が示すとおり、内容があまりにも悲惨すぎて読者は絶望を味わうことができるでしょう。

この漫画の”絶望”の立役者は「猿」。

猿と聞けば、動物園にいるようなかわいらしい猿を連想する人も多いかもしれません。

 

ところが、この漫画に登場する猿は「経立(ふったち)」と呼ばれる、動物園にいるあのかわいらしい猿とは全く異なる存在。

経立(ふったち)とは?

柳田邦夫作「遠野物語」に登場する、青森県、岩手県に出没する妖怪。長く生きた猿や鶏が、経立に変身すると言われている。

 

個人的イメージで言うと、「バイオハザード」というゲームに登場する「ハンター」に近いと思っています。

ハンター

そしてこの猿たちが、なんともまあぶっ飛んでる訳なんです。

 

とりあえず、狂暴です。狂暴すぎて人間では手を付けることができません。

通常肉食動物が狩りをする時、自分が食べる分だけの必要最小限度に獲物を殺します。食べる目的以外でみだりに生き物を殺すのは、人間だけであると言われております。

ところが、この猿たちは人間たちよりはるかにタチが悪い。まるで快楽殺人者のごとく人間やその他の動物を殺していきます。

さらに、戦闘能力がバカ高いです。車に追いつくくらいの脚力と、人間の頭部を握りつぶせるほどの腕力を有しています。そのうえ、ナイフを突き立てたくらいでは全く歯が立たない程の防御力さえ併せ持っています。

その上、性欲が猿並みです。いや、実際に猿なので”猿並み”とは言わないのかもしれませんが、とりあえず性欲がものすごいです。

TVで女性のアナウンサーを見ながら数人でシコシコ。人間を見ると、男女関係なくレ〇プを始める。それだけでは飽き足らず、鹿を殺した後に鹿をレ〇プ。

こんな狂暴かつ性欲お化けの猿たちが集団で襲ってくるわけですから、そりゃあ絶望しますよね。

 

ちなみに、一番悲惨な死に方をしたのは、序盤に登場するTHE咬ませ犬キャラの警察官でしょう。

彼は、猿に片腕を○○〇された後、顔面の皮を○○〇され、目玉を○○〇され、腹部から○が出るほどのダメージを負います。

さらに、そんな瀕死の状態でレ〇プされるという、まさに「死んだほうがマシ」と思えるような殺され方をします。

 

このように、最高にぶっ飛んでいて(誉め言葉)面白い漫画なのですが、唯一残念なのは、打ち切りにより中途半端な終わり方をしているということです。

打ち切りになった理由は明確にされていませんが、作者の蔵石ユウさんが新作漫画「食糧人類Re: -Starving Re:velation」の連載に力を入れるためだと噂されています。

とはいえ、内容の衝撃度は間違いなく群を抜いているので、読んで損をすることはないでしょう。

全3巻という読みやすい巻数でまとまっているので、是非とも読んでみてください。

『絶望集落』の登場人物

三沢

本作の主人公。

姉が何者かにレイプされたことを知り、その犯人探しに躍起。

正義感は強いが優柔不断なタイプで、周囲に振り回されながらも人間たちが生き残れる道を探していく。

田上

三沢の親友。

田舎暮らしを退屈と感じており、高校卒業後に上京できることを楽しみにしている。

三沢由紀江

三沢の姉。猿に恋人を食い殺されたうえ、自身はレ〇プされるという壮絶な体験をする。

ショックのあまり、錯乱し自ら命を絶とうとする。

鶴田知海

三沢の同級生。代々マタギの家系に生まれ、登校前には祖父とともに山を見回るのが日課となっている。

猟銃を扱うことができるため、この漫画においては猿に対抗できる数少ない人物の一人として数えられている。

川田

ヤンキー軍団のリーダー的存在。

自分が生き残るためなら手段を択ばないタイプ。

佐山

空手の全国大会出場経験者。人間側では一番戦闘能力が高いと見られる。

自己顕示欲が強くて、自分の言うとおりに周囲をコントロールしたがる。

猿(経立)

狂暴度と性欲がMAX状態で人間に襲い掛かる化け物。

驚異的な攻撃力と生命力を有しており、並みの人間ではまともに太刀打ちできない。

「絶望集落」のストーリー(細部)

三沢田上は、近所にあるショッピングモールの中でたむろっていた。

二人の住む町は、田舎町のため娯楽施設が少なく、若者が楽しめる場所といえばこのショッピングモールしかないのだ。

事実、このショッピングモールには大勢の村人が集まってくるのだった。

 

そんな中、代々マタギの家系にある鶴田知海は、山を見回り中にとある異変に気付く。

クマ、狐、鹿、猪、アナグマなど、森に棲む動物たちが忽然と姿を消しているのだ。

「山が死んだみたい」鶴田がそう呟いた刹那、森の奥から半裸の若い女性が歩いて来るのを認めた。

その女性は、なんと三沢の姉・三沢由紀江だった。

由紀江は錯乱状態にあり、「同行人が大勢の猿にバリバリ食べられた」と何度も繰り返していた。

しかし、取り調べを行った警察官は、この由紀江の供述を信じようとはしなかった。

 

その後警察では、マタギとして活動している知海の祖父同伴のもと、由紀江が供述していた山中で現場捜査を行うこととなった。

そして、山中に放置されている不審な車の中を覗き込んだ知海の祖父と警察官たちは、とんでもないものを目にしてしまう。

今後の展開

さて、知海の祖父と警察官たちの運命や如何に!?

…て、賢明な読者の方ならもう想像つきますよね。もちろん、惨殺されます。

そしてこの事件を皮切りに、猿たちはいよいよ本気を出してきます。

男、女、老人、子供、赤ん坊関係なく、すべての人間をターゲットにして殺戮、レ〇プを繰り返していきます。

対応に困った人間たちは、町にあるショッピングモールへ避難するのですが…

一か所に大勢の人間が集まる、という人間たちの選択が、事態を最悪の方向へを向かわせてしまうのです。

しかも、経立は猿だけではありません。猪、クマなどなど、猿とは比べ物にならないくらいの戦闘能力を持った経立が登場します。

まさに、パニックがパニックを生む展開。

人間たちは、生き残れるのでしょうか?

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