【考察】「ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~」(ネタバレ)ルパン声優陣一新後の第1作目

アニメ

作品紹介

制作 2011年
ジャンル アニメ
監督 滝口禎一
キャスト 栗田貫一小林清志浪川大輔沢城みゆき山寺宏一

『ルパン三世 血の刻印』は、2011年、ルパン三世TVスペシャルシリーズ第22段目として放映されたアニメです。

なお、今回から、石川五エ門、峰不二子、銭形耕一の3人が、新しい声優に変わっています。

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このアニメのみどころ

なんと今回は、ルパン声優陣が一新されてから初のTVスペシャルシリーズなのです。

 

ルパン役の栗田寛一さん、次元役の小林清二さんは変わらずですが、

石川五エ門役が、井上真樹夫さんから浪川大輔(『鬼滅の刃』の鋼鐡塚役など)さんへ、

峰不二子役が、増山江威子さんから沢城みゆきさん(『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎役など)へ、

銭形耕一役が、納谷悟朗さんから山寺宏一さん(『ドラゴンボール超』のブロリー役など)へ、

それぞれ交代になっています。

 

このアニメが放映された2011年時点で、井上真樹夫さんは72歳(2019年に80歳で逝去)、増山江威子さんは75歳、納谷悟朗さんは81歳(2013年に83歳で逝去)ですので、だいぶ高齢化されてますよね…

やむなしの交代だったと思います。

 

声優の交代は、オールドファンからすれば悲しい出来事かもしれません。しかし、実際に内容を見てみると、確かに違和感は感じますが、従来と比べても全く遜色なく見ることができました。

最後のほうなどは、声優が後退したことなど全く忘れてしまうくらい自然に見ていたくらいです。

 

肝心のストーリーは、800歳まで生きたとされる日本の伝説的人物”八百比丘尼”の財宝を巡り、ルパンたちが大奮闘。

そして、ゲストヒロインとしては最年少の14歳JC麻紀ちゃん登場!

※補足 八百比丘尼伝説とは?

八百比丘尼は、日本史上における伝説の人物で、人魚の肉を食べたことにより不老不死の身体を手に入れ、800歳まで生きたとされる尼のこと。地方によって言い伝えの内容が微妙に異なっており、出生に関わる細部は不明。歳をとっても体は常に瑞々しく、常に16~17歳くらいの見た目だったという。

愛知県春日市の円福寺というお寺の境内に『八百比丘尼堂』があり、ここが八百比丘尼誕生の地とされている。

 

登場人物

麻紀

本作の幼きゲストヒロイン。14歳。

好奇心旺盛で、ルパンのような泥棒になることを夢見る不思議な少女。

両親は既に亡く、孤児院で育てられた。

孤児院時代、友達と打ち解けられなかった本人に唯一優しくしてくれたのが美沙だった。

それ以来、美沙を姉のように慕っている。

美沙を藤堂から取り戻すことに執念を燃やす。

美沙

本作のゲストヒロイン。

学生の頃、親の借金の肩代わりとして藤堂の使用人を務めることとなった。

怪我をしても一瞬で傷が治り、どんなことがあっても死なないという万能活性細胞の持ち主で、800年を生きたという八百比丘尼の血を受け継いでいる。

しかし美沙は、この不思議な体を「呪われた体」と呼び、忌み嫌っている。

氷室

表向きは医療機器メーカーの社長だが、裏の顔は武器密輸商人。

世界中に戦争を起こさせ、金儲けをしたいという恐ろしい思想の持ち主。

裏の仕事は景浦に任せればいいのに何かと現場に顔を出してくる、ある意味面倒くさい上司。

一見クールに見せかけといて、いざとなればすべてをかなぐり捨てるその様子は、『ルパン暗殺指令』のジョンとキャラが被っている…ように見えるのは私だけだろうか?

景浦

氷室の右腕で、プロの殺し屋。日本刀の二刀流。

五エ門と互角以上の戦いをするなど、なかなかの使い手。

眉毛が無い。

藤堂

別名”熊殺しのおマサ”と呼ばれる、裏社会を牛耳る大物。和装のおばちゃん。

使用人の美沙に対しては、「気が利かない!」などと罵倒したり、景浦に襲われそうになったときは美沙を盾にしたりと、いろいろとひどい扱いをしている。

ストーリー(細部)

序盤

今回のルパンの獲物は、闇オークションに出品される『人魚の鱗』。ルパンは、裏社会を牛耳り”熊殺しのおマサ”と恐れられている藤堂昌江から、盗みの依頼を受けていた。

出品者は氷室。表向きは医療機器メーカー社長だが、裏の顔は武器密売人。景浦というプロの殺し屋を操り、裏社会に参入する腹の黒い男だ。

有言実行、ルパンは早速人魚の鱗を盗み出す。

 

実は、藤堂はただの骨董品収集家ではない。人魚の鱗を手に入れれば伝説の財宝が手に入る、そう古文書で読んだのだ。

しかし、それらをすべてお見通しなのが氷室。氷室が出品した品物は偽物で、藤堂をおびき寄せるための罠。氷室も、藤堂と同じく古文書に記されている宝を狙う一人だった。

氷室は、藤堂と使用人の美沙を共にその場で殺してしまう。しかし、なぜ氷室がわざわざそんなことをしたのかは不明だった。

 

氷室が狙っているのは、”八百比丘尼の財宝”。800歳まで生きたとされている伝説の巫女が、日本のどこかに財宝を隠したというものだ。

古文書によると、”鱗”は二つ必要らしい。つまり、ルパンがもう一つの鱗である”竜の鱗”を手にれることができれば、氷室に財宝を取られなくて済むということだ。

ルパンは、早速竜の鱗を盗み出す。次は、氷室が持つ”人魚の鱗”

 

その頃、14歳の麻紀という不思議な少女が、断るルパンをしり目に無理やりに泥棒の弟子入りを果たす。ルパンが何度断っても折れない、頑固な少女だった。

何故この少女は、頑なにもルパンの弟子入りを懇願するのか?

中盤

氷室の持つ人魚の鱗を盗むため、次元五エ門は氷室の自宅に忍び込む。

なんとそこには、藤堂と一緒に殺されたはずの元使用人・美沙がいた。

そう、美沙は怪我をしても瞬時に傷が治ってしまう特異体質の持ち主だったのだ。

結局次元と五エ門は、景浦の邪魔が入り自宅から自宅から撤退せざるを得なくなった。

 

一方ルパンは、しつこく付いてくる麻紀と一緒に竜の鱗を盗み出すことに成功する。

この後ルパンは、真紀から美沙の不思議な体の話を聞き氷室の狙いを看破する。

古文書にある「人魚を喰らい者」とは、永遠の命を持つ者(八百比丘尼伝説より)。つまり、伝説の財宝を手に入れるためには、死なない体を持つ美沙がどうしても必要ということ。

氷室が藤堂を巻き込んだ理由、それは、美沙という人間を手に入れるためだったのだ。

 

その頃氷室は、美沙の身体を使った人体実験を行っていた。氷室の狙いは、世界最強の武器を作ること。世界中を戦争に巻き込みむことで大儲けをしようとしてたのだった。

美沙は、警備の一瞬のスキをついて氷室の会社を脱出するが、逆に美沙が心配で外に探しに行った麻紀が氷室に掴まってしまう。

氷室は、「封印の地で待っているぞ」と言い残し、ヘリコプターで飛び去って行く。

 

実はルパンには、この古文書に書かれている財宝にちょっとした因縁があった。なんと、ルパンの祖父のルパン一世が、この財宝を奪おうとしていたのだった。

しかし、最深部まで到着したものの、財宝の獲得にはならなかった。ルパン一世が財宝を奪えなかったのは、彼の人生の中でこれだけだった。

ルパンは、祖父が奪えなかった理由をなんとしても知りたかったのだ。

終盤

氷室は、景浦、そして数人の部下を連れて伝説の地へと降り立つ。

麻紀を人質に採る氷室は、ルパンを洞窟に進入させて罠を解除させる。

ルパン、氷室、麻紀、美沙のの4人が奥に進んでいくと、祠のようなものが現れる。

祠の仕掛けを説くと、なんと奥からは八百比丘尼の遺体が出現する。驚くことに、死後数百年経っている今でも、八百比丘尼の遺体は瑞々しいままだった。

ここで、氷室から驚くべき告白がされる。なんと氷室は、美沙と同じく八百比丘尼の血を引く一族だったのだ。

 

氷室は、八百比丘尼の遺体から血を抜き取り自身の身体に注射すると、変態スーパーゴリラマッチョに変身する。

超人的な能力を手に入れた氷室は、ルパン、次元、五エ門、駆け付けた銭形の4人を瞬く間に張り倒す。

絶体絶命のピンチに陥るルパン達だが、ここで美沙が謎の覚醒を遂げる。何やら古風な言葉を使ったかと思うと、謎の超能力でゾンビと化した氷室を瞬殺。

しかし、この衝撃がもとで洞窟が崩れ出す(いつもの)。

 

脱出の途中、ルパンはルパン一世が書き残したメモ帳を偶然手に入れる。中身を呼んだルパンは、その場で大笑い。なんとルパン一世は、八百比丘尼(遺体)を見て一目惚れしたことで財宝を取らなかったという(遺体に恋をしたと?)。

この後ルパンは、八百比丘尼の魂と出会う。八百比丘尼はルパンを見て、ルパン一世がまた会いに来てくれたと思い込み、満足してこの世を去ってく。

ラストシーン

美沙は、洞窟の中で誰かの意識が乗り移っていた。そして、その誰かの悲しみと孤独を共有したという。

それは、八百比丘尼だったのだろうか?

そして美沙は、自身が持つ呪われた体が初めて役に立ったことに喜ぶ。そして、改めて麻紀が大切な家族なのだということを再認識する。

 

その後美沙は、自分の手に切り傷を認める。

いつものようにすぐ治るはず…そう思っていた美沙だったが、いつまでたっても傷は治らない。

そう、美沙は普通の身体に戻ったのだった。

「ルパンが呪われた体を盗んでくれた」

美沙と麻紀は、去っていくルパンに感謝する。

1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)

忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。

✔ とある闇オークションにて、『人魚の鱗』が出品される。これは、古文書に書かれている”伝説の財宝”を手に入れるための必須アイテムだった。
✔ しかし、出品されたこの品は偽物。出品者の氷室は、藤堂の使用人で不死の身体を持つ美沙を手に入れることが本当の目的だった。
✔ ルパンは、本物の『人魚の鱗』、そして『竜の鱗』を盗み出す。伝説の財宝を手に入れるためには、二つの鱗の他に美沙の身体が必要だった。
✔ 一方、孤児院出身で美沙を姉のように慕っている麻紀がルパンに無理やり弟子入り。麻紀は、美沙をなんとか助けようとしていた。
✔ ルパンは、麻紀を人質に採る氷室と共に伝説の地へ行くと、ついに財宝を目の当たりにする。財宝とは、800年生きたとされる八百比丘尼の肉体そのものだった。
✔ 氷室は、八百比丘尼の血を体に注入し、ゾンビみたいになる。しかし、八百比丘尼の魂の怒りに触れ、氷室の肉体が崩壊。
✔ 実は八百比丘尼の財宝は、ルパン一世が狙った中で唯一盗めなかった財宝だった。ルパンは、それがゆえにこの財宝にこだわっていた。

興味が湧いた方は、是非ともストーリー(細部)も読んでみてくださいね!!

考察及び感想

ルパンが泥棒をする理由

作中に麻紀は、「泥棒は悪で犯罪者で、ゆっくり眠ることもできないのに、なぜ泥棒を続けているのか?」とルパンに問いかけています。

この時ルパンは、「俺も良くわからない、また後で聞いてくれ」と答えます。

 

この後も、ルパンはこの問題について自問自答。

「お金が欲しければ隣の家に空き巣に入ればいいのに、なぜわざわざ困難なミッションに挑んでいくのか?これは、ルパン家に伝わる呪いなんじゃないか?」

 

ストーリーの最後、麻紀はこの答えを求めますが、最後までルパンは答えずじまい。

 

結局この問題は、視聴者が想像するしかありませんが、これは結局、一流を求める人間の性なんじゃないかと私は思うんです。

みなさんは、「100億円あったら、銀行に預けて利子だけで生活できるじゃん!」って考えたことはありますか?私はもちろん、毎日そんなことばかりを想像しています(笑)

しかし、100億円を稼ぎ出すような超一流の人は、100億円稼いだら1000億円、1000億円稼いだら1兆円と、どんどん高みを目指す生き物なんだそうです。「銀行に預けて利子で…」とは考えないらしいですね。

 

ルパンもそれと同じく、生きていくだけだったら空き巣でもなんでもすればいいんですが(犯罪ですが…)、高みを目指し続けた結果が今なのだと思います。

遺体に恋するルパン一世

ルパン一世は、八百比丘尼の瑞々しい遺体を見て、一目惚れしてしまったそうですが…

いくら美人とはいえ遺体に恋をするなんてことが、人間有り得るんでしょうか?

調べて見ると、死体に性的思考を持つ人間のことを死体性愛(ネクロフィリア)というみたいなんですが、ルパン一世もそれなんでしょうか?

人の性癖をとやかく言うつもりはありませんが、結構少数派だと思うます。

 

そして私は、一目惚れした…以上のことが何も行われなかったことを切に願っています。

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