『ペインレス』作品紹介
製作 | 2012年(スペイン、フランス、ポルトガル) |
ジャンル | サスペンスホラー |
監督 | フアン・カルロス・メディナ |
キャスト | アレックス・ブレンデミュール、トーマス・レマルキス他 |
『ペインレス』は、2013年、無痛症の少年を題材にして作られたスペイン、フランス、ポルトガルの合作映画です。
『ペインレス』のみどころ
この映画の見どころは、無痛症の少年たちを題材とした、恐ろしくも悲しいストーリーです。
まず、映画の出だしが衝撃的。ある少女が全身に灯油(らしきもの)をかけられて、火だるまにされてしまいます(多分死んだ)。
この衝撃的残酷シーンで、目を背けてしまった人、逆に一気に映画に食らいついた人もいるでしょう。
さて、冒頭で書いた無痛症ですが、この映画の肝となるキーワードですので簡単に解説しておきます。
無痛症とは、正式名称を「先天性無痛無汗症」と言い、痛み、熱さ、寒さを感じることができず汗をかくこともできないという病気のこと。
そのため無痛症患者は、日常的に火傷や骨折などを繰り返しており、身体に障害を来すこともある。
現代の医療では、無痛症を完全に治療する方法は見つかっていない。
そして、この映画の背景にもなる1900年代ヨーロッパでは、無痛症の子供を非常に危険な存在として捕えていたようです。
映画出だしの火だるまになった少女。実は、この少女がこうなってしまった原因は、実は無痛症の少年にあります。
自分の腕が燃えているのに全く熱さを感じない無痛症の少年。熱いどころかむしろ、なんだか面白い。そこでこの少年は、近くにいた少女に遊び感覚で火をつけたんです。
もちろん、少女は健常者です。火だるまになると同時に熱くて泣き叫ぶわけです。
要は、無痛症の子供たちは、”究極に他者の痛みを感じれない者”として危険視されていたわけですね。
映画に戻りましょう。
そんな無痛症の子供たちですが、危険ということで親元から無理やり引き裂かれ、まるで刑務所の独房のような場所に閉じ込められます。そして、世間の隔離&研究対象として何年もそこで過ごすのです。
これが本当に可哀そう…私など、幼い娘が二人いますが、自分の子供に置き換えて考えてみると涙が出てきます(T_T)
「おいおい!いくら無痛症とはいえ、子供に罪はないだろ!?」と叫びたくなりますが、当時の世界は過酷だったんだなと痛感します。
そんな無痛症の子供が、世界から虐げられながらも独房の中で十数年過ごして成人するとどうなるか?とんでもないモンスターが誕生するんです。
(モンスターと言っても、SF映画ではないので見た目は普通の人間ですけど笑)
とにかく、観ていて辛くなるくらい悲しい映画です。しかし、ホラー要素もあり、ストーリーもしっかりしています(現代と過去を行き来する感じで面白い)。
「なんだか今日は暗い気分になりたいな」というあなた、是非ともペインレスをご覧ください!
『ペインレス』のストーリー
医師のダビッド・マルテルは、妊娠6か月目の妻アネイスを助手席に乗せて車を走らせていた。すると、ダビッドの突然の体調不良により車は単独の大事故に。
ダビッドと胎児の命は奇跡的に助かったものの、アネイスは帰らぬ人となった。
追い打ちをかけるように、ダビッドの身体に悪性のリンパ腫が発見される。このままでは余命半年。ダビッドが命を繋ぐには、肉親からの骨髄移植しか方法はない。
そんなダビッドは、両親のもとに訪れるが…
時は遡り1931年、スペインでは、痛みを感じることができない異常体質の子供たちが集められ、とある収容施設に送られた。
この収容施設で子供たちは、研究材料として独房の中での生活を強いられていた。
そんな子供たちの中で一人、ベニグノという子供は、幼いながらも子犬の外科手術を縫合までこなすという卓越した才能の持ち主だった。
そしてこの収容施設は、時代の移り変わりと共にその環境を大きく変えていくことになる。
以後の展開
現代では、ダビッドは両親の元を訪れて骨髄移植の依頼を、過去では、戦争や内乱などにより激変する時代に翻弄されるベニグノの悲惨な生活が続きます。
一見すると関係がなさそうに見える、この異なる時間軸で進む二つのストーリー。
終盤に差し掛かるうちに、やがて点と線がひとつになります。
そして、感動と狂気が入り混じったラストシーンを是非ともご覧になってください。
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