実は結構存在する、禁断の映画
映画というものは、人類が生み出した素晴らしい文化です。
映画文化が誕生して約120年。これまでに何十万本という映画が作成され、映画史に名を残す名作が数多く生み出されてきました。
一方で、過激すぎる、コンプライアンスに抵触する、宗教上の問題があるなどの理由により、放映禁止に追い込まれた映画も数多く存在します。
ひときわ異彩を放つ、放送禁止映画。しかしそれらは、我々の記憶に超烈なインパクトを残していったのもまた事実です。
今回は、その放送禁止となった映画の中で、今でも視聴可能な映画を選りすぐって紹介していきたいと思います。
この記事は、こんな方におススメです!
✔ 過激な映画が見たい
✔ ヤバい映画が見たい
✔ 普通の映画に飽きた
✔ 刺激が欲しい
放送禁止映画11選
ジョニーは戦場へ行った
政治に批判的な内容だったから
あらすじ
時は1939年。ジョニーは、恋人のカリーンにひと時の別れを告げ、戦場に赴く。
ところがジョニーは、戦場で負傷し大けがを負う。結果、四肢欠損のうえ顔面は原型をとどめないほどぐちゃぐちゃで、なおかつ五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の全てを失った状態で帰国することとなった。
何も感じることができず、しゃべることもできず、かといって死ぬことも許されない。
ただひたすら寝かせられているだけの存在となり果てた青年は、病院のベットの上で一体何を思うのだろうか?
しかし、あるクリスマスの日、そんなジョニーに奇跡が訪れる。
解説
とにかく衝撃的な映画です。これまで数々の戦争映画を見てきましたが、衝撃度でいえば間違いなくNo.1です。
あと、結末がかなりの鬱エンド。鬱態勢の無い方は結構きついかも。
表題を英語に直すと『Johnny Got His Gun』になるのですが、これは第一次大戦中の兵士募集ポスターに書いてあった『Johnny Get Your Gun』という言葉を批判しているものとなっています。
原作は小説なのですが、内容があまりにも政府に批判的という理由で発禁処分を受け、後年に映画化されたという経緯があります。
肉
内容が不謹慎すぎる
あらすじ
ある日、フランクの妻は体調不良により死亡する。
妻の死を悲しむフランクだが、子供3人に”あること”を強制しようと目論み、街から若い娘を拉致してくるなどの奇行を繰り返すようになる。
その頃、フランクの友人であり検視官でもあるダローは、死んだフランクの妻が、生前パーキンソン病(人肉を食べると発症するとされる病気)を患っていたことを発見する。
そんな中、フランクの長女アイリスは、死んだ母の日記を読んでしまう。その中には、パーカー家の呪われた歴史が綴られていた・・・
解説
表題を見てもなんとなく予想がついた方もいると思いますが、この映画は食人がテーマの映画です。
そして、フランクがやろうとしている”あること”とは、あまりにも人道から外れている行為なのです。
一番問題とされているのはラストシーンで、あまりにも過激な内容だったために、映画を見ていたお客さんたちの中で失神者が続出しました。
ゆえに、一部の地域では放送禁止とされた問題作なのです。
ノア ~約束の船~
宗教上の理由(「予言者」の定義)
あらすじ
ノアは、妻のナーマと3人の子供(ハム、セム、ヤフェト)と共に幸せに暮らしていた。ところがある日、ノアは世界が大洪水に飲み込まれる夢を見る。
「これは、神から与えられた予言に違いない」
そう思ったノアは、祖父のメトシェラのもとを訪れる。すると、緑色の物体を渡される。
ノアがその緑の物体を土に植えてみると、荒野にたちまち木が生い茂るという奇跡が起きる。
ノアは、やがて来る大洪水に備え、巨大な箱舟の建造に取り掛かった。
そんな中、ノアの父アベルを殺したカインが、箱舟を奪おうと大軍勢を連れて現れる。
今、ノアとカインの、生存をかけた壮絶な戦いが始まる。
解説
この映画は、ラッセル・クロウなどの超一流スターをキャストに迎え、最新のCGを惜しみなく使用した力作ではありますが、宗教上の理由により、国によっては放送が禁止されてしまった映画です。
日本人にはあまり馴染みがありませんが、本作はキリスト教の「旧約聖書」を基にして作られています。
その中に、「予言者」という言葉が出てくるのですが、実はこの「予言者」というものは、宗派によっては解釈が異なる存在なのです。
従って、国によってはタブー視されている映画なのです。
ちなみにこの映画は、最低な映画を表彰するというラジー賞にノミネートされるという不名誉な記録も持っています。
確かに、宗教上の問題を差し引いて見てみても、「うーん・・・残念」と思いたくなるような内容になっています。
悪魔のいけにえ
怖すぎワロタ、過激すぎワロタ
あらすじ
サリーたち5人の男女は、車に乗ってテキサス州を旅行中。
途中、ガソリンが無くなりスタンドに寄ってみると、店主がやってきて「ガソリンは切らしている。明日になればやってくる。」と説明する。
サリーたちは、仕方なくこのスタンドで明日まで待機することとした。
しかし、これが5人を襲う悲劇の始まりであったことは、誰も想像しなかった。
解説
画像にもあるこのチェーンソーを持った男が、全米を恐怖のどん底に陥れたレザー・フェイスです。顔には、死体から剥ぎとった人皮を付けています。
レザーフェイスは、チェーンソーを振り回しながら青年たちを惨殺していきます。
内容があまりにも過激で、あまりにも怖すぎたために、上映を禁止する地域が多かったということです。
しかしこの映画は、ただ怖いというだけではありません。ホラー映画として完成度もかなり高く、近代ホラーの金字塔として君臨している名作でもあります。
確かに、内容を見てみると、今のホラー映画の基礎的な演出やストーリー構成が包含されているように見受けられます。
勇気がある人は、是非とも一度ご視聴あれ。
カッコーの巣の上で
ロボトミー(脳)手術を映画の題材にするのはあかんやろ・・・
あらすじ
前科5犯の凶暴な男マクマフィーは、精神病棟に入居することとなった。本来は健常者であるはずのマクマフィーは、刑務所から逃れるために精神病のフリをしていたのだ。
精神病棟の中では、ラチェットという看護師が強権を振るっており、職員をはじめ患者に至るまで全員が口答えできない状況にあった。
そんなラチェットに反抗するかのように、マクマフィーは持ち前の自由奔放さを爆発させる。
そんなマクマフィーの行動が、少しずつ周囲を変えていった。うなだれて生活をしていた患者たちの目が輝き、自分の意見を主張するようになっていった。
一方、病院側はマクマフィーを危険人物と扱うようになる。
マクマフィーは、患者たちに「自由」を伝えることができるのか?
解説
本作のテーマとなっているロボトミー手術は、脳の一部である前頭葉を切り取ることによって、うつ病などが改善されると言われていた治療法です。
しかし、あまりにも患者の人権を無視した治療法であると言われ始め、今では行われていません。
この映画ができた1970年代は、ちょうどロボトミー手術をタブー視する過渡期だったのです。
そんな時期に、このデリケートな題材を扱ったということで、一部放映禁止作品として指定されています。
映画自体は、ストーリーがかなり秀逸で感動します。名作です。
ジャック・ニコルソンが何ともハマり役なんですよね。
ピンクフラミンゴ
内容が不快すぎる
あらすじ
『世界一お下劣な女』を自称するディバインは、風変わりな家族や同居人と共に、雑木林の中に置かれているトレーラーの中で暮らしていた。
しかし、そんなディバインに対して強烈な対抗心を燃やしている人物がいた。変態的な趣味を持つマーブル夫妻だ。
マーブル夫妻もまた、「自分たちこそが世界一お下劣である」と自称しているのだ。
そんなマーブル夫妻は、どちらがよりお下劣かを決めるべく、ディバインに挑戦状を叩きつける。
今、ディバインとマーブル夫妻の間で、世界一を決めるお下劣大戦争が勃発する。
解説
一応コメディということなんですが、とにかく下品です。不快です。最大級のトラウマとして、見た人の記憶に残り続けるでしょう。
一度見てみれば、説明不要で「あー、こりゃ放映しちゃダメなやつだ」と、誰しもが理解できると思います。
人物同士の会話も品がないし、モザイク係がほとんど仕事をしないため男女問わず陰部は丸見え、ストーリーも胸糞で、褒める要素がほとんどありません。
このような映画は、映画の歴史上後にも先にもピンクフラミンゴだけだと断言できます。
ある意味、貴重な映画。
フリークス
本物の身体障害者を役者に使っているから
あらすじ
サーカスの見世物小屋に所属する小人症のハンスは、同じ小人症のフリーダという婚約者がいながらも、健常者で絶世の美女クレオパトラに恋をしてしまう。
しかし、実はクレオパトラは打算的な女で、ハンスに近づいているのも金銭目的だった。もちろんハンスは、そんなクレオパトラの本性に気付いていない。
ある日クレオパトラは、ハンスが膨大な財産を持っているという噂を聞きつけ、ハンスと偽装結婚することによりその財産を自分のものにしようと企む。
かくして、ハンスとクレオパトラの結婚式が執り行われることになったのだが・・・
解説
この映画は、1939年というかなり古い時代に作られた映画ですが、小人症、シャム双生児、四肢欠損など本物の身体障害者を役者に起用しており、倫理上の問題を指摘されて放送禁止となった作品です。
当時のニューヨークタイムズは、「これは人間に見せるべき映画ではない」とまで酷評しています。
監督のドット・ブラウニングは、この映画がきっかけとなり、二度と映画監督として仕事をすることができなくなってしまいました。
なお、ストーリー的には勧善懲悪もので、「フリークス(奇形者)を馬鹿にするな!」という監督からの強いメッセージが伝わるものとなっています。
少女椿
エロ過ぎる、グロすぎる
あらすじ
母親に無残な死に方をされたみどりは、サーカス団に引き取られることになった。
そこには、怪力自慢の赤座、男の娘のカナブン、劇団員の全員と肉体関係を持つ紅悦、両手が欠損している鞭棄など、一癖も二癖もありそうな者ばかりだった。
みどりは、そんな個性的なメンバーからいじめられ、つらい毎日を過ごしていた。
そんな中、ワンダー正光という不思議な術を使う紳士がサーカスに加わり、いじめられているみどりを団員から守るようになる。
ワンダー正光は、みどりにとって、どんな願いでもかなえてくれる夢のような存在だった。
そんな時、みどりに転機がおとずれる。
解説
漫画『少女椿』が原作のこの映画、結構エロシーンが多めです。男×女のシーンもそうですが、男×男のシーンも一部出てきます。
あと、後半の方で、ワンダー正光が超能力を使って観客をグチャグチャにするというなかなかグロいシーンが出てきます。
一応R-18指定ではありますが、うーん確かにこれは過激だなという印象です。
エロ過ぎる、グロすぎるということで、一部の地域では放映禁止となっています。
また、最後は難解な終わり方をしています。
いったいあれはどういう意味なのか?理解できた人がいたら、是非ともコメントください。
パッション
処刑シーンが残酷すぎる・・・
あらすじ
キリストは、弟子たちと共に森の中を逃げていた。自らを「メシア(救世主)」と名乗ったという疑いがかけられ、ユダヤ教会から追われているのだ。
ところが、キリストはあっさりとユダヤ教会に捕まってしまう。キリストの弟子であるはずのユダが、金貨30枚でキリストの居場所を教会側に漏らしたのだった。。
ユダヤ教会としては、キリストを殺したいのだが、教会のルールにより死刑にすることができない。従って、州総監のもとにキリストを連れて行き、裁判にかけさせることとした。
判決は有罪で、ムチ打ちの刑。
キリストは、血だるまになるまで鞭に打たれることになる。
解説
この映画では、特にグロテスクな場面として、ムチ打ちと十字架磔のシーンがあります。どちらも、まるで演技とは思えないほどリアルで、目を覆いたくなるほど残酷です。
しかも、約120分という尺のなかで、処刑シーンは90分以上を占めるという徹底ぶり。
キリストが痛めつけられるシーンを永遠と見続けるという主旨の映画となっています。
あまりにも残酷でショックが強すぎるため、海外では処刑シーンを見ていた客がショック死するというとんでもない事件まで発生しています。
刺激の弱い方については、閲覧注意の映画です。
ムカデ人間
ストーリーと発想がヤバすぎる、過激すぎる
あらすじ
駐車場管理の仕事を行う発達障害のマーティンは、映画『ムカデ人間』の熱烈なファンだった。
そんなマーティンには、ある願望があった。それは、あの映画を模倣し、生きた人間を繋げて本物のムカデ人間を作りたいという恐ろしいものだった。
それからマーティンは、駐車場にやってくる客を襲って拉致し、一人ずつ倉庫へと監禁していく。
そして、12人の生贄が集まった時、その狂気の計画が実行に移されることになる。
解説
『ムカデ人間2』は、あまりにも過激な内容で世界中を騒然とさせた映画『ムカデ人間』の続編です。
前作においても、3人の人間の口と肛門を繋げて”ムカデ人間”を作るという、かなりぶっ飛んだストーリーでしたが、続編である本作は輪をかけてぶっ飛んでます。
あまりも過激な内容であったため、日本では上映禁止措置が取られており、現在視聴できるのは修正を加えたものということになります。
しかし、修正を加えたと言っても、見た時の衝撃度は超ド級。心臓が弱い方は、絶対に見ない方がいいでしょう。
個人的には、ピンクフラミンゴと双璧をなすぐらいの衝撃度でした。
勇気のある方は、是非ともご視聴あれ。
ソドムの市
同性愛、スカトロ、拷問、殺人、etc・・・・ちょっと内容がドギツすぎるよね
あらすじ
1944年、ナチスドイツにより国土を占領された北イタリアでは、若い男女が突然拉致されるという事件が頻発していた。
拉致された若者たちは、4人の権力者(大統領、最高判事、大司教、公爵)によって町はずれの屋敷内に監禁され、まるで家畜か奴隷のように扱われる。
そこから逃げ出そうとしたものは、容赦なく殺された。
毎夕に行われる乱交パーティーでは、同性性交、スカトロ、拷問など、極めてアブノーマルなプレイを強要される。
そして4人の権力者は、ついに踏み込んではいけない領域に足を踏み入れる。
目の前で繰り広げられる地獄の光景を目の当たりにして、あなたはまともな精神を保つことができるのか?
解説
この映画は4部構成になっていますが、
1部:地獄の門
2部:変態地獄
3部:糞尿地獄
4部:血の地獄
という表題が付いているとおり、正視に耐えられないレベルでショッキングな映像が流れ続けます。
ストーリーというものはあってないようなもので、最初から最後まで性的シーンの繰り返し。しかも、そのどれもが同性性交、スカトロ、拷問など超変態級のプレイばかり。
観る人の精神力を、容赦なく削りにくる映画です。
キワモノ系の映画が好きな人は、肝試し感覚で一度くらいはチャレンジしてもいいとは思います。
しかし、観た後には必ずこう思うはずです。
「もう二度と見たくない」
まとめ
以上、色々な理由により上映禁止となったことがある映画を10本集めてみました。
上映禁止となっただけあって、なかなか過激な内容の映画ばかりです。
しかい、内容が過激になるということは、監督からの強いメッセージが込められていることの裏返しということです。
それゆえ、一度見たら、その内容を忘れることは決してないでしょう。
なお、「この映画を見てみたい!」と思った方は、各項目最下段に貼られてあるリンク記事を読んでいただき、視聴方法を確認してください。
コメント