【考察】「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」(ネタバレ)ハレー彗星、そしてバベルの塔。ロマンあふれるルパンたちの冒険!

アニメ

作品紹介

制作 1985年
ジャンル アニメ
監督 鈴木清順吉田しげつぐ
キャスト 山田康雄増山江威子小林清志井上真樹夫納谷悟朗

『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』は、1985年、劇場版ルパンシリーズの第3作目として作成された映画です。

なお、山田康雄さんがルパンの声優役を務めた最後の作品となっています。

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このアニメのここがみどころ

このアニメのみどころは、1986年4月、76年ぶりに地球に最接近したハレー彗星が題材となっているところです。

映画が放映されたのが1985年7月ですので、実際にハレー彗星がやってくる約半年前にリリースされたということになります。

当時は、76年ぶりにハレー彗星やってくるということで、世界中で話題になっていたようですね。

この映画は、そんな1980年代の時事ニュースを取り上げた作品です。

 

本作は、伝説と言わせるバベルの塔が実はニューヨークの地下に存在し、しかもそれがすべて黄金で出来ているというロマン溢れる内容となっています。

ストーリーは、ルパン一味がニューヨークマフィアのマルチアーノ一家と争いを繰り広げながらバビロンの財宝を追うといったもので、どちらかというと、アクションシーンが多め。

ロゼッタが歌うマザーグースの子守歌も、印象的で耳に残ります。

次元や五エ門も、いたるところで大活躍。そんな本作をご覧ください。

世界七不思議のひとつ「バビロンの空中庭園」

表題にもある『バビロン』という言葉ですが、バビロンとは紀元前に存在した国の名前の事を言います。一体、どのような国だったのでしょうか?

 

バビロンの存在は、紀元前18世紀にまで遡ります。

当時、メソポタミア文明の主要都市として栄えたのがバビロンだったのです。その後1000以上国体は継続しますが、紀元前5世紀頃、ペルシャによって滅ぼされてしまうのです。

 

バビロンで有名なのは、世界七不思議のひとつとされる「バビロンの空中庭園」です(実際に空に浮遊しているというわけではない)。

バビロンの国王であるネブカドネザル2世によって作られたとされていますが、現在でもその痕跡らしきものは全く見当たらず、本当に存在したのか、どのような外観だったのかなどすべてが謎に包まれているというのです。

ハレー彗星とは?

ハレー彗星とは、76年ごとに地球に接近する彗星の事です。

ハレー彗星の歴史は古く、紀元前の古文書からも、当時の人間がハレー彗星を見たということが記録されています。

 

最接近時は、肉眼でもその姿を見ることができるようですが、都市部など光量の多い地域では見えないようです。

その周期の長さから、人間は一生涯のうちにハレー彗星を一度でも見れればいいほうで、二度見ることができる人は稀だそうです。

 

なお、次回地球に最接近する時期は、2061年と言われています。

私はぎりぎり生きているかもしれません(^^♪

登場人物(メインキャラクター以外)

ロゼッタ

酒好きな謎多き老女。気分が良くなると、不思議な歌を歌う。神出鬼没。

本人曰く、かつて世界の偉人たち(アレキサンダー大王、ナポレオンなど)と恋人関係にあったらしい。

逆算すると、2500年以上生きていることになるが、真偽は定かではない。

 

ルパンの事を愛している。

マルチアーノ

ニューヨークマフィア・マルチアーノ一家の2代目ボス。

マフィアのボスという肩書だが、父親である初代マルチアーノが手掛けていたバビロンの財宝の発掘事業に本腰を置いており、暗黒街の仕事はコワルスキーに一任している。

 

普段は毅然と振る舞っているが、実はマザコンで、感情が高ぶった時は「ママー」と言いながら指をしゃぶるなど幼児行動を起こす。

恋人(?)は、峰不二子。

コワルスキー

マルチアーノの若頭。マルチアーノから絶大な信頼を得ており、暗黒街の仕事はすべて任せられている。

先代からの忠臣で、一家の中でも発言力はかなり高い。

いざとなると、自ら先陣をきって行動を起こすなど勇猛な一面もある。

部下からは恐れられている。

コワルスキーの子分

ウィリー、陳、マイク、ボウズの4人。

コワルスキーから、ルパンを殺すようにと勅命を受ける。

五エ門や次元に変装するなど工夫をするのだが、ルパンたちには軽くあしらわれてしまう。

ICPO婦人警官コンテストの出場者5人

ICOPが主宰する婦人警官コンテストに出場した5人。

アメリカ代表のキャラメール、中国代表のチンジャオ、ソ連代表のザクスカヤ、アフリカ代表のサランダ、イタリア代表のラザーニア(なお、優勝はラザーニア)。

 

コンテストの後、5人は銭形警部の部下となり共にルパンを追うことになる。

が、ストーリーにはあまり関係してこない。

 

なおチンジャオは、追跡の最中、五エ門に一目ぼれする。

ストーリー

序盤

ルパン一味は、古代バビロニア人が残したとされるバビロンの黄金を手に入れるため、ニューヨークを訪れていた。

しかし、バビロンの黄金は、ニューヨークマフィアのマルチアーノ一家が総力を挙げて探索している財宝でもあった。

そのためルパンは、常にマルチアーノ一家から命を狙われる生活を送っていた。

 

ある夜、ルパンは謎の老女ロゼッタと偶然にも再会する。

そこでルパンは、紀元前5世紀にバビロンがペルシャに滅ぼされた際、神様が現れて財宝を隠したのだという話を聞く。

そしてロゼッタは、何も言わずに燭台を置いていく。この燭台には、バビロンの黄金に関するヒントが隠されているに違いなかった。

 

マルチアーノ一家がバビロンの財宝を探しているのには、訳があった。

かつてマルチアーノの父は、ニューヨークの巨大ビル・マジソンスクエアの地下から、バビロニア文字が書かれた粘土板を発掘した。

それ以来、マルチアーノの父は裏稼業から足を洗い、財宝の発掘に専念することとなった。しかし、運悪くもヒットラー率いるナチスドイツの邪魔などが入り、発掘は思うように進まなかったという経緯がある。

マルチアーノにとって、バビロンの財宝を探し当てることは悲願でもあった。

 

ロゼッタの話を聞いたルパンは、早速不二子に変装してマルチアーノの本部に侵入し、倉庫に保管されているバビロニア文字がかかれた粘土板の撮影に成功。本格的にバビロンの財宝の探索に動き出す。

中盤

ルパンは、撮影した粘土板の解読を急いでいた。

ここで、再びロゼッタが現れる。かつてルパンのもとに置いていった、燭台を取りに来たのだった。

ロゼッタは、「神様はほうき星に乗って現れる、バビロンの黄金を見物しに」という謎の言葉を残し、燭台をもって去っていく。

 

一方、マルチアーノ一家によるルパン殺しも本格派する。

コワルスキーの子分たちは、電車で移動中のルパンたちを襲おうとするが、運悪くもルパン逮捕を目論む銭形に遭遇し、あっけなくやっつけられてしまう。

 

その後ルパンは、不二子と合流し、バビロンの黄金の発掘を進めるタルティーニの話を聞く。タルティーニの発掘作業には、マルチアーノが全額出資をしているという。

10日ほど前、タルティーニは、バビロンの遺跡から南の方向において”第二のバベルの塔”を発掘した。

この”第二のバベルの塔”は、地中に深く埋まっており、塔のてっぺんがわずかに地表に現れているような状態であった。

ルパンは、塔の中に侵入を試みる。

 

塔の中には、数々のトラップが仕掛けられているが、ルパンは難なく突破していく。

ここで、ルパンは不思議な穴を見つけると、幻覚と幻聴に包まれる。

 

その穴には、ロゼッタ(超絶若返りVer.)がいた。

ロゼッタは、実は神様に遣わされた使者で、遠い昔、ほうき星に乗って地球に降り立った

それ以来ロゼッタは、この遺跡の中に眠っている。ほうき星が地球に接近する76年ごとに目を覚まし、バビロンの黄金を探し回っているのだという。

 

ルパンは、幻覚・幻聴から解放されると、さらに遺跡の奥へと進む。そして、黄金のライオン像を見つけ出す。

ルパンは嬉々としてライオン像を外に持ち出すが、そこに待ち構えていたのはマルチアーノ一家。ここで、両者による壮絶な奪い合いが始まる。

最終的にライオン像を手に入れたのは、なんと不二子だった。不二子は、一人抜け駆けをしてライオン像を独り占めしたのだった(この後不二子は、ライオン像と共にマルチアーノ一家に捕まってしまう。)。

 

しかし、ルパンは「バビロン中の黄金を集めたのが、あのライオン像のわけがない。もっと大きい財宝があるはずだ」として、再びニューヨークへ向かう。

終盤

ルパンは、地下から発掘された粘土板が円状になっていることに気が付いていた。

その中心を計測すると、ニューヨークにあるマジソンスクエアガーデンがあったのだ。

 

ルパンたちは、マジソンスクエアガーデンの地下をさらに掘り進めていく。すると、ルパンたちはついに大量の金塊を発見する。

ロゼッタが探し求めていた黄金のバベルの塔とは、マジソンスクエアガーデンの地下にあったのだ。

 

しかし、もうすぐほうき星に乗った神様がやってきて、この黄金をすべて持って行ってしまうという。

76年ごとにやってくるほうき星、つまりハレー彗星が一番地球に接近する日は、25時間後に迫っていたのだ。

 

その後ルパンは、不二子がマルチアーノ一家に捕らえられていることを知り、マルチアーノの本部へと向かう。

ここでルパンは、マルチアーノとコワルスキーの二人と対峙することになるが、なんとコワルスキーは、「マルチアーノ一家は俺が仕切る!」と突然叫び、マルチアーノを殺してしまう。

そして、コワルスキーはルパンと不二子を地下の落とし穴へと落としてしまう。

 

その後、ルパンと不二子は自力で脱出。コワルスキーは、ルパンが落としたタバコ型爆弾に触れて爆死する。

ラストシーン

ハレー彗星が地球に最接近する時、ロゼッタはマジソンスクエアガーデンの頂上にいて、燭台を天にかざしていた。

ハレー彗星が流れてくる。

すると、ハレー彗星の中から宇宙船が現れて、不思議な力を使って黄金のバベルの塔をロゼッタごと根こそぎ浮かび上がらせた。

ルパンたちは、ロゼッタに追従する。

そこでロゼッタは、本当の姿を現す。老女だったはずのロゼッタは、見る見るうちに若返り、美しい女性に変わる(ルパンが”第二の塔”探索時、幻覚で見たロゼッタと同じ)。

 

ロゼッタは、大昔に神様が地球に落とした黄金のバベルの塔を見つけ出すため、地球に遣わされた宇宙人だった。

ロゼッタは、過去にアレキサンダー大王やナポレオンなど、時の権力者に黄金のバベルの塔を見つけ出させようとしたが、うまくいかなかった。

ルパンだけが、それをやってのけたのだった。

ロゼッタは、光る燭台を残して宇宙船へを帰っていく。

しかし、ルパンはみすみす黄金を持っていかれるつもりはなかった。

 

ここでルパンは、五エ門の斬鉄剣で燭台を真っ二つに斬る。すると、黄金のバベルの塔は浮力を失い、バラバラに崩れながら海に落下する。

「カエサルの物はカエサルに、地球のものは地球に」

黄金のバベルの塔は、形を変えながらも地球に戻ってきたのだった。

考察及び感想

ロゼッタはあれでよかったのか?

ロゼッタは、最後に燭台を残したまま宇宙船に帰り、黄金のバベルの塔を持ち帰ることに失敗しています。

ロゼッタは、神様から遣わされ、無くした黄金のバベルの塔を2500年以上かけて探していたということですので、バベルの塔奪還はロゼッタの使命だったはずなのです。

 

ロゼッタは、これでよかったのでしょうか?絶対に神様から怒られるでしょ!?

いや、何よりも、2500年かけて探していたものだったのに、こんな終わり方で満足なのでしょうか?

 

原因は、燭台を持たずに宇宙船へ帰ってしまったことにあります。あれを残してしまったがために、ルパンによって真っ二つに斬られ、浮力を失ったバベルの塔は落下してしまったのですから。

 

では、なぜロゼッタはわざわざ燭台を置いていったのか?

考えられることは二つ。

 

①ルパンに惚れていたため、置き土産のつもりだった。まさかルパンが斬鉄剣で斬るとは思っていなかった。
②「ようやく帰れる」と思ったら、バベルの塔なんてどうでもよくなってきた。めんどくさいから、燭台を置いて帰った。

 

私の予想は、②の方なんじゃないかと思ってます。

昔、居酒屋でバイトをしているとき、「お客さんいないからもう帰っていいよ」と予定より早く返されたことがありました。

その時は、稼げるお金は減っているはずなのに、「一刻も早く家に帰りたい」という気持ちが高ぶり、大概の事は目をつぶれるくらい気持ちが大きくなっていたものです。

 

ロゼッタも、きっと居酒屋でバイトしていた時の私と同じ気持ちだったのでしょう・・・

ルパン、つるっぱげ疑惑

終盤、ルパンと不二子が落とし穴に落とされ、バベルの塔の中から脱出する際、ルパンはカツラを外して酸素呼吸器を取り出します。

その際、磯野浪平を余裕で越える、キラリと光るルパンの頭部が露になります。

 

え!?ルパンってハゲだったのか!?

これまでずっとカツラを被ってたということなのか!?

 

この映画以外に、ルパンがカツラを外しているシーンを見たことはありませんので、事実関係ははっきりしませんが、見事にルパンのつるっぱげ疑惑が浮上です。

事実が分かれば、再び更新します。

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