『家畜人ヤプー』の作品紹介
連載 | 2002年~2007年(コミックバーズ) |
単行本 | 45巻(完結) |
ジャンル | SFホラー |
作者 | 江川達也 |
『家畜人ヤプー』は、2002年から2007年、「コミックバーズ」にて連載されたのSFホラー漫画です。
原作は、日本文学における奇書中の奇書、沼昭三さんが著した小説『家畜人ヤプー』。
この作品は、他にも石ノ森章太郎さんによって漫画化されています。
『家畜人ヤプー』のココがヤバい
この漫画はかなりヤバいです(;’∀’)
読んだ時の衝撃度で言ったら過去で一番かもしれません。
人権団体の人が読んだら間違いなく発狂すると思います。
まず、この漫画の基となっている沼昭三さんの小説『家畜人ヤプー』がとんでもないぶっ飛んだ作品で、一般受けしない(私のようなキワモノ好きにはたまらない♡)内容なんです。
この漫画では、未来の地球『イース』というものがあって、この世界では極端な白人至上主義になっているのですが、白人以外(特に黄色人種)は『ヤプー』と呼ばれ、家畜以下の扱いを受けています。
さらに、超女尊男否の考え方が白人を含めた全ての人類の間にはびこっており、従ってヤプーの男子なんていうものは、もう死んだほうがマシなんじゃないかっていうくらいみじめな生き方を強要されているんです。
…というか、ヤプー男子はただの『物』として扱われているので、”生き方”という表現自体が適切性を欠くのかもしれません。
例えば、序盤に登場する、白人が椅子に座る際に使用する足置き台として存在しているヤプー。
このヤプーは、もとはちゃんとした若い健康的な人間だったのですが、歯を抜かれ骨を削られ、なにやら怪しい薬品に漬けられるなど非人道的な手術を受け、まるで台座のような奇形につくり変えられてしまったのです。
他にも、便器に作り替えられてしまったヤプーもいます。
この便器ヤプーは、白人が排泄しやすいよう都合よく奇形につくり変えられています。そもそも見た目が便器のような恰好をしており、まるでろくろ首のように首がにゅるにゅる伸びて白人の排泄箇所付近に口を運び、排泄物を日常的に摂取して生きています。
最もこの便器ヤプーは、白人の排泄物を”神からの授かりもの”と認識するよう思考を矯正されているので、彼らにとってはこの行為はむしろご褒美に感じるのですが…
しかもこの漫画では、便器ヤプーが排泄物を処理する過程を、舌の使い方から咀嚼のタイミングまで交えながら細かく解説してくれています。
ここまで細かく説明されたところで、得をする人間が果たしているのだろうか…?
ちなみにこの便器ヤプーは、全巻に渡って登場し大活躍(!?)することになります。
ここで紹介した二種類のヤプー以外にも、レパートリー豊かなヤプーたちが次から次へと登場しますので、いい意味で飽きることはありません。
さて、ここまで読んでみると、この漫画をただの悪趣味なヤバい漫画だと思っちゃうかもしれませんが、実は意外にそんなことはないんです。
このブログでも紹介している『ピンクフラミンゴ』『ソドムの市』などは、狂気をそのまま映画にしたっていう印象ですが、この漫画はちょっと違います。
なんというか、計算された狂気、という感じです。
意外なことに、日本を代表する大作家・三島由紀夫さんも、この小説を評価しています。
確かに、ただの狂気だけではこの内容は書けませんね。相当頭がキレる人間じゃないと…
人権侵害、スカトロ、グロテスクなど、一見するとかなりぶっ飛んだ内容の間に垣間見る高い文学性。
興味がある人は、是非とも読んでみてください。
『家畜人ヤプー』のストーリー
ドイツ人のクララは、柔道の達人で日本人の瀬部麟一郎とすでに婚約し、山の麓にある樵小屋で愛を語り合っていた。
そんなある日、樵小屋の真上に円盤のような謎の飛行物体が墜落する。
二人が恐る恐る円盤の中に入ってみると、そこにはボーリーンと名乗る若くて美しい女性がいた。
ボーリーンは、一見すると西洋人のように見えるのだが、どこか様子がおかしい。会話は噛みあわないし、彼女の近くには謎の奇形の生物がいる。
会話を交わすうちに、どうもボーリーンは未来の地球「イース」からタイムトラベルをしてきた未来人らしいということが分かった。
ボーリーンの口から語られるイースの文化は、クララと麟一郎を驚かせるには十分な内容だった。
そしてクララたちを最も燦然とさせたのは、イースでは家畜以下の扱いを受ける”ヤプー”という存在だった。
以後の展開
この後もボーリーンは、ますます饒舌にイースの文化について、そしてヤプーについて語り続けます。
次第に恐ろしくなるクララたちですが、ひょんなところから麟一郎が麻痺状態になり、この麻痺を治すためにはイースに行くしかないという状況に追い込まれます。
ここでクララは、麟一郎を連れてイースに行くことを決意。
最初は「麟一郎のため」と意気込んでいたクララでしたが、イースの文化に触れていくうちに、徐々にその考え方が変わっていくのです。
そう、イースの世界からすれば、麟一郎はどう見てもヤプーなのですから…
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