【考察】「ジョニーは戦場へ行った」(ネタバレ)トラウマ級の鬱エンド!

問題作、衝撃作、上映禁止等

作品紹介

作成 1939年
ジャンル 戦争
監督 ダルトン・トランボ
キャスト ティモシー・ボトムス、キャシー・フィールズ

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この映画のココがやばい

戦争を批判する映画は、この世にたくさん存在します。

しかし、この映画ほど視聴者に衝撃を与える映画は他に類を見ません私も、これまでにかなりの種類の戦争批判映画を見てきましたが、受けた衝撃の大きさで言えばこの映画がナンバーワンです。

映画のもととなったのは、アメリカの作家『ダルトン・トランボ』が1939年に著した「Jonny Got His Gun」という小説で、ベトナム戦闘が泥沼化した1971年、戦争を批判するという趣旨のもと映画化されています。

この映画の内容は、第一次大戦をモチーフとしており、題名「Jonny Got His Gun」も、当時の兵士募集フレーズ「Jonny Get Your Gun(ジョニーよ、銃を取れ)」を批判するという意味が込められています。

そしてなによりも、この映画の最大の特徴はトラウマ級の鬱エンドです。あまりにも鬱過ぎて、映画を見終えたあとしばらく立ち上がることができませんでした。

実話を基にしているというこの衝撃作、この内容についてのレビューを記事にしてみました。

以下、ネタバレの内容が含まれますので、まだ映画をご覧になっていない方は注意してください。

ストーリー(細部)

病床からスタート

この映画は、とある病院の病床のシーンからスタートします。ベットに横になっている患者は、どうやら戦闘において負傷した兵士のようです。

担当医と思われる軍医ティラリー大佐はこう発言します。

「(この患者は)大脳が損傷し、体を動かすことができない。意識はあるようだが、死ぬまで何かを感じることはない。研究材料として生かすことにする。」

開始早々この軍医は、マッドサイエンティストのような雰囲気を醸し出していますが、どうやらこの患者はかなりの重傷を負ったようです。

この患者こそ、本作品の主人公である「ジョニー」です。ジョニーは、まだハッキリしない意識の中で、過去の思い出を回想します。

過去回想(出征前)

ここで、ジョニーの出征前のシーンに時間が巻き戻ります。これはどうやら、ジョニーの回想の中のようですが・・・。

ジョニーと抱き合っているのは、ジョニーの恋人「カリーン」です。二人はまだ若くて初々しく、お互いに恥じらいがあり、まだ肉体関係には至っていないことがわかります。

これから出征をし、恋人に会うのはこれが最後になるかもしれないジョニーは、この夜、初めてカリーンを抱くことになります。

カリーンは、ジョニーが出征してしまうことに断固反対し、何度も「戦場に行かないで」と懇願します。しかしジョニーは、国と民主主義を守るためとして、出征する決意を変えることはありません。

 

こうしてジョニーは、戦場に行くことになりました。

病床2

ここで再び病床のシーンに戻ります。本映画は、この後もジョニーの病床シーン(現在)と、ジョニーの回想シーン(過去)が交互に映し出されることになります。

病床で目が覚めたジョニー、ベッドに寝かされていることは理解できますが、周囲の音が全く聞こえないことに気が付きました。なぜ音が聞こえないこかを考えているうちに、もっとショッキングなことに気が付きます。

自分の片手が無くなっているのです。

一体なぜ片っぽのが無くなってしまったのか?誰かが切り落としたのか?ジョニーは、自分の身体に起きた出来事に混乱しますが、声が出せないうえ、首を僅かに動かすことしかできないため、周囲には全く伝わりません。

そうしているうちにジョニーは、残っている片腕だけでなく、両足までも切り落とされてしまいます。

両手両足を切り落とされて、ジョニーは失望します。どうか夢であってくれ・・・そう強く願うようになります。

過去回想(父との会話)

ここで再び過去の回想シーンに移ります。

まだジョニーが幼い頃、父と交わした会話のシーンです。

ジョニーの父親は釣りを趣味としており、自慢の釣り竿が自分の命の次に大事にしていたものでした。幼いジョニーは、釣竿をめでる父親に「僕の命より大事か?」と聞くと、父親は「それは当然だ」と答えます。

さらに父親は、「民主主義を守る戦争であれば、息子をささげる」とも言います。ジョニーは、「なぜ若者が殺し合いをしなければならないのか?」と聞くと、父親は「大人は家を守る、だから若者は殺しあう」と答えます。

いまいち釈然としないジョニーでしたが、回想シーンはここで途切れ、再び現在の病床に意識は戻ることになります。

病床3

再び病床で目が覚めたジョニーは、食道に繋がっているチューブを通しての食事しかできませんでした。

「こんな生活はいつ終わるのだろうか?」そう思うジョニーは、自分の身にさらに衝撃的なことが起こっていることを理解します。

食べ物を噛みたくても、自分には顎や歯が無いことに気が付きます。それだけではありません。舌も、口も、鼻も、目も、顔についているものすべてが無くなっているのです。

食べ物を食べられないばかりか、誰かに自分の意思を伝えることもできず、ジョニーはもがき苦しみます。「誰かに助けてほしい」そう思うようになります。

 

そんなある日、新しく来た婦長さんがジョニーの病室にやってきて、窓すら締め切っている状況を見て騒然とします。

若い看護婦に「なぜ窓を閉めているのか?」と聞くと、「外から見られないようにです」と答えます。しかし婦長は、「窓を開けなさい」と命令します。

若い看護婦が窓を開けた瞬間、太陽の光がジョニーの顔に差し掛かりり、ジョニーは感動します。ジョニーにとってみれば、太陽の光を浴びてかすかな温かみを感じることは、この病室に来てから初めての出来事だったのです。

病室の窓が開け放たれたことによりジョニーは、朝と夜の違いを認識することができるようになりました。そこでジョニーは、頭の中でカレンダーをつけることにしました。

頭の中で日の経過を数え続け、それは1年間続きました。しかし、日の経過はわかるものの、正確な月日までは知ることができませんでした。

過去回想(混同)

このあたりから、ジョニーの過去回想は夢と過去が混同し、非現実的な様相をまとい始めます。

ジョニーは、自分の父親と母親が、目、鼻、口、顎、手足すべてを失った自分を、見世物小屋で見世物にするという夢を見ます。もちろん、そんなことはありえないことなのですが、ジョニーの精神状態が不安定になっていることがわかります。

病床4

ここで、ジョニーにとってはとてもうれしい出来事が起こります。担当の看護婦が交代となり、今までは機械的に接していた看護婦から、優しさあふれる看護婦になったのです(これまでは「看護婦は患者に感情移入をするな」という上官からの指導があった)。

新しい看護婦は、手足と顔が無くなり、ただベッドで寝ているだけの存在になり果てたジョニーの姿を見て、ジョニーに激しく同情し、額に手を置くのです。ジョニーは、たったそれだけのことでも「この看護婦は優しい人だ、カリーンと一緒だ」と理解します。

ジョニーの絶望的ともいえるこの入院生活の中で、この看護婦の登場は、暗闇の中で一筋の光を見るような出来事だったのです。

過去回想(父との会話)

ここで再び過去の回想シーンです。出征前、自分の父親と友人ともに、釣りに行った時のことを思い出します。

友人が釣竿を忘れてきたため、ジョニーは自分の釣り竿を友人に渡し、自分は父親の釣り竿を借りることになりました。しかしジョニーと友人の二人は、小舟に乗って沼を漕いでいるうちに、父親が”ジョニーより大切にしていた”釣竿を失くしてしまうのです。

ジョニーは、父親に「釣竿を失くしてしまった」と告白します。どれだけ怒られるか・・・と思いきや、父親は「たかが釣竿じゃないか」とだけつぶやき、ジョニーを叱責することは一切なく、ジョニーをぐっと抱きしめるのでした。

ジョニーの父親は、口では息子を卑下するようなことを言っていても、実は息子のことを誰よりも愛している男でした。

病床5

一方、病床では、相変わらずジョニーの苦悩が続いています。しかし、なんとここで衝撃的な出来事が起こります。

新しく来た看護婦が、ジョニー身体の中で唯一残っている胸に指で何かをなぞる仕草をするのです。ジョニーは、ほとんどの感覚は失われてしまったものの、胸に何かが触れていることはわかるのでした。

一体何をしているのか?ジョニーは必死に看護婦の指の動きに集中します。すると、どうやらこの看護婦はアルファベットを綴っているらしいことを理解します。

そのアルファベットとは、「MERRY CHRISTMAS(メリークリスマス)というものでした。この看護婦のメッセージをもって、ジョニーは初めて今日がクリスマスであることを知るのです。

これは、日の経過はわかるものの月日が全く分からなかったジョニーにとって、正確な日が特定されたことだけでなく、このような姿になって初めて人とコミュニケーションがとれたということを意味します。

ジョニーは感激のあまり、頭を上下に動かします。これは、今ジョニーができる唯一の感情表現なのです。

 

看護婦がジョニーの胸に「MERRY CHRISTMAS」と綴り、ジョニーが感激するこのシーンは、数ある映画の中でも屈指の感動的シーンなのではないでしょうか?

私もこのシーンでは、胸が詰まる思いでした。

 

そこでジョニーはさらに思いつきます。身体の中で自分が唯一動かせる首を使い、モースル信号を送ることができれば、ほかの人ともコミュニケーションを取れるのではないかというのです。

病床6(ラストシーン)

ジョニーはさっそく実践に移します。

首を激しく縦に振り、「S.O.S」というモールス信号を送り続けます。その様子を見て医師は、鎮静剤の注射を打とうとするのですが、実はこれがモースル信号になっていることに気が付きます。

このことは、病院関係者にとってショックを与える出来事でした。

 

そこで今度は、ジョニーに対しモールス信号で「望みはあるか」と送ると、ジョニーは「見世物小屋で俺の見世物にしろ」と言うのです。

「それはできない(外に出すことはできない)」と返すと、今度はジョニーは「ならば殺してくれ」と言うのです。そうしてひたすら「殺してくれ」と繰り返すようになったのです。

医者側としては、ある意味研究用に生かしているといった側面があるので、殺すわけにもいきません。とりあえず生かしておこうという話にまとまります。

 

その後、なんとジョニーの唯一の理解者であるあの看護婦がやってきて、ジョニーの喉に刺さっている呼吸用のチューブを塞ぎ、望み通りジョニーの命を絶とうとするのです。

ジョニーは激しく喜びます。ああ、これでようやく楽になれる・・・

 

しかし、この看護婦の計画は未遂に終わってしまいます。

ジョニーが絶命する前に、他の医師にこの行為がばれてしまうのですそうしてこの看護婦は、退室を命ぜられます。恐らく、今後ジョニーの担当看護婦になることはないでしょう。

ようやく死ねると思っていたジョニーは、再び生かされることになります。絶望の淵に立たされたジョニーは、その後も「S.O.S」を発信し続けるのでした。

1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)

忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようまとめてみました。

✔ ジョニーは、戦場で負傷し、四肢折損、顔面欠落、五感欠損の状態で帰国。
✔ 絶望に苛まれながら、過去の出来事を思い出す。
✔ ある日、自分の胸部の一部だけ触覚が残っていることをジョニーは気付く。
✔ その日以来、首の振りでモールス信号を外部に送り続ける日が始まる。
✔ 後日、ジョニーがモールス信号を送っていることに医師が気付き、ジョニーとコミュニケーションをとることができるようになった。
✔ 医師がジョニーに望みを聞くと、ジョニーは「殺してくれ」と答える。
✔ しかし、ジョニーの望みはかなわず、研究用として今後も生かされてることとなる。

 

興味が湧いた方は、ストーリー(細部)も読んでいただけると嬉しいです!!

考察及び感想

手足が無く、目も鼻も口も無い兵士の話ということですが、グロテクスな描写はありません。過去の回想シーンにおいて少しだけ戦闘シーンが出てきますが、出血シーンなどもありません。その意味で、グロテクス耐性の無い方でも、十分観ることができると思います。

ただ、あまりにも残酷且つ救いがないストーリーですので、相当なショックを受けることは間違いありません。作者が伝えたい反戦の意識というのは、確実に伝わることと思います。

 

とても的な映画ですが、全体的に見て良くできた映画です。ストーリー構成もしっかりしていて、ラストまで一気に見ることができます。まだ見たことがないという方には、是非ともおすすめしたい作品の一つです。

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