「悪魔のいけにえ」の作品紹介
作成 | 1974年 |
ジャンル | ホラー(R18) |
監督 | トビー・フーバー |
キャスト | マリリン・バーンズ、アレン・ダンジガー、テリー・マクミン ポール・A・パーティン、ウィリアム・ヴェイル |
みなさん、ホラー映画と聞いたら、何を思い浮かべますか?名作と言われている映画は数多くありますが、ホラー映画の金字塔と言ったら、やはりこの「悪魔のいけにえ」を抜きにして語れないでしょう。
「悪魔のいけにえ」のココがヤバい
この映画は、1974年に作成された映画ですが、内容が余りにも怖すぎて過激だということで、ヨーロッパでは21世紀になるまで上映が許可されなかったという逸話を持っています。
また、BGMや効果音を一切使用していなというところも特徴で、最近のホラー映画でありがちな
不気味なBGM「ジャンジャンジャーン」
でかい効果音「バーン!」
役者「うぎゃー!!!」
映画見てる人「うぎゃー!!!」
みたいな感じではありません。また、スプラッター映画のように、内蔵グチャグチャ!みたいなグロテスクな描写もありません。じゃあ言うほど怖くないのか?というと、全くそんなことありません。マジで怖いです。
トップ画像に写っている、チェーンソーを持った不気味なこの男、悪役の「レザー・フェイス」ですが、その顔には、人間から剥ぎ取った顔の皮が被せられています。もうその発想だけで怖いですよね・・・
役者の演技力とストーリーのみで、見る者に淡々と恐怖と狂気を伝えてくれる映画が、この「悪魔のいけにえ」なのです。一部では「面白くない」という意見もあるようですが、私はホラー映画としての完成度はかなり高い、そう評価しています。
では、内容を見てみましょう。
「悪魔のいけにえ」の考察及び感想
エンディングの後、その後どうなった的なエピローグもありませんので、純粋にサリーが体験した恐怖と狂気のみのエキスを抽出して描かれた映画です。ホラー映画としてはかなり完成度の高い作品ではないかと思います。
冒頭でも書きましたが、グロテスク表現は一切出てこないので、グロ耐性が無い方でも問題なくご覧頂けると思います。
この映画、「エドゲイン事件」という実事件を基に作成されたという噂があるようです(監督は否定)。このエドゲイン事件ですが、調べてみるとかなりの猟奇的殺人事件ということがわかります。興味のある方は調べてみるのもいいと思います。
また、上映禁止になるほどの問題作である反面、当時からかなりの話題になった人気映画でもあるので、続編がたくさん作られている映画でもあります。続編に関しても、機会があれば紹介していきたいと思います。
「悪魔のいけにえ」のストーリー(細部)
テキサス州で猟奇殺人事件発生
映画は、テキサス州内で起こった墓荒らし事件を伝えるラジオ放送から始まります。
その事件とは、墓の中から死体を掘り起こし、複数の死体をまるでモニュメントのように組み立てるという、かなり常軌を逸しているものでした。
そこからオープニングが始まるのですが、そのオープニングもまた不気味な雰囲気を漂わせており、その時点で既に怖いです。
ドライブを楽しむ男女
5人の男女がドライブを楽しんでいる場面からスタートします。
5人の関係は、この映画のヒロイン「サリー」、サリーの彼氏「ジェリー」、サリーの友人「パム」、パムの彼氏「カーク」、サリーの兄貴で足が不自由なため車椅子生活をしている「フランクリン」というものです。
メンバーの構成的に、サリーとジェリー、パムとカークが共同で行動することが多く、フランクリンは必然的に余ってしまいがちになります。
「俺はお邪魔虫か?」というセリフがあったりするので、本人は結構気にしているみたいですが、私は敢えて言いたい。フランクリンよ、このメンバーについてこようと思ったお前が悪いのでは・・・?
頭のおかしいヒッチハイカー
ここで5人は、道端で手を挙げるヒッチハイカーを発見し、車に乗せることになりました。ところがこのヒッチハイカー、ちょっと頭がイっちゃってるやつだったのです。
フランクリンと会話をするヒッチハイカーですが、常にヘラヘラニヤニヤしてて挙動不審。さらに、「俺は動物を殺してばらす、そして全て食う」といかにも楽しそうに話すのです。
なんだこいつ?と不審に思う5人ですが、その男は、フランクリンからナイフを借りると、笑いながら自分の手を切り出したのです。
さらに男の奇行はエスカレートします。男は、ポラロイドカメラを取り出すと、サリーたちを撮影し始めました。そして出来上がった写真を、急に車内で燃やし始めました。思ったよりも火勢が強かったため、ちょっとしたボヤ騒ぎに。
極めつけとして、その男は、フランクリンの腕を急に切りつけてきたのです。
5人はたまらず、その男を強引に車から降ろすことにしました。
ガソリンスタンド
その後5人は、ガス欠気味の車に給油をしようと、通りがかりのガソリンスタンドに寄ることになりました。スタンドの経営者が出てきて、「今はガソリンスタンドとバーベキューを同時に営業しているが、生憎ガソリンは空っぽ」と説明します。
ガソリンが来るのは明日ということなので、それまで待つしかありません。
パムとカークの悲劇
時間を持て余すことになった5人は、それぞれ周囲を散策することになり、パムとカークは2人で川の方へ遊びに行きました。
すると二人は、古い家を発見します。自家発電機も動いているため、「もしかしたらガソリンを分けてもらえるかも知れない」、そう思ったカークは、一人でその家の扉を叩きます。
しかし、いくら声をかけても誰も出てきません。「何かおかしい」そう思いながら家の中に入っていくと、突然人間の皮を顔にかぶった大男(レザー・フェイス)が現れ、カークを鈍器で殴り殺してしまいます。
カークがなかなか帰ってこないので、パムも一人で家の中に入ることにしました。
家の中をうろうろしていると、パムは人骨でできた変な美術作品な並ぶ不気味な部屋を発見します。頭蓋骨なんかも普通にぶら下がっています。
その部屋の不気味さにショックを受けるパムでしたが、再びレザー・フェイスが現れ、パムを連れて行ってしまいます。そして、肉を吊るすための大きな釣り針みたいな物に、パムの背中からグサー!(ひえー)
そしてさらに、先ほど殴り殺したカークをパムの眼前に並べ、チェーンソーで解体を始めるのでした。
パムとカークを探しに行くジェリー
パムとカークが夜になっても帰ってこないので、ジェリーは二人を探しに行きます。
そしてジェリーは、カークが殺された例の家にたどり着きますが、そこで悲劇が起こっていることなど知る由もありません。
家の中に入ると、大きなBOXのようなもの(冷蔵庫)があり、なにやらガタガタ行ってます。なんだろう?とBOXを開けると、なんと中にはパムがいました。まだ生きていたんですね・・・
すると、またあのレザー・フェイスが現れ、今度はジェリーを殴り殺してしまいます。
ジェリーを探しに行くサリーとフランクリン
今度はジェリーが帰ってきません。よって、サリーとフランクリンはジェリーを探しに行くことになりました。(ここまで、絵に書いたような「ミイラ取りがミイラ」になっています)
いここまでくると、なんとなく展開が読めますが・・・。
ジェリーを探しにいった二人は、あの家を見つけます(やっぱり)。すると突然レザーフェイスが現れ(やっぱり)、チェーンソーでフランクリンを惨殺してしまいます(やっぱり)。
サリーは逃げ続けますが、レザー・フェイスはチェーンソーを唸らせながら追いかけてきます。ひたすら逃げた先に見つけたのは、昼間に寄ったあのガソリンスタンドでした。
ガソスタ店主よ、おまえもか?!
サリーは、ほうほうのていでガソスタに逃げ込みます。
すると、あの店主が出てきて「大丈夫か、もう安心だ」と声をかけてくれます。おー、この状況でこんなに優しい言葉をかけてくれるなんて、これは抱かれてもいい。
「警察を呼んで」と頼むサリーでしたが、「電話がないから車で直接行く。車を回してくるから待ってて」と店主は返します。
スマホ全盛期と今となっては、電話がないということにびっくりしてしまいますよね。
店主が車を取りに行っている間、サリーは何気なく店の奥にあるバーベキュー場を見に行きます。
するとどうでしょう、なんとそのバーベキュー場には、丸焼きにされた人間がいくつも吊るされているではありませんか。
そうです、この店主こそ、あのレザー・フェイスの父親だったのです。
サリーはさらに逃げ出そうとしますが、店主についに捕まってしまいます。
狂気の沙汰の食卓
サリーが気が付くと、食卓の椅子に座らされている状況でした。
そしてその食卓には、ガソスタの店主、レザー・フェイス、そしてなんと冒頭で登場したあのヒッチハイカーもいるではありませんか。お前も仲間だったんかーい?!
サリーは悲鳴を上げ続けますが、ガソスタ店主以下3名は終始ヘラヘラしているだけ。
この空間は、サリー以外、狂った殺人鬼しかいません。
まともに会話もできません。ここの描写は、正に狂気そのものだと思います。
そして店主は「ジイさまを連れてこい」と息子に命令します。ここでジイさまが登場するのですが、見た目はまるでミイラ。
そしてついに、サリーを殺しにかかります。先ほど登場したジイさまがハンマーを握り、サリーは膝を付いた状態で頭を差し出されます。しかしジイさまは、高齢であるためうまくハンマーを扱えません。
ここでサリーは、一瞬の隙をつき、ついにこの家を脱出することに成功します。外はいつの間にか夜は明け、朝の太陽が昇っています。
脱出!
家を脱出するサリーですが、なんとヒッチハイカーがしつこく追いかけてきます。サリーは道路付近まで逃げますが、ここでヒッチハイカーに捕まってしまいます。
またあの家に逆戻りか?と思いきや、ここで大型トラックが走ってきて、ヒッチハイカーはそのトラックに轢かれてしまいます。
続いて追いかけてきたのは、チェーンソーを持ったレザー・フェイス。
チェーンソーを振り回しながら、今度こそサリーを殺す気マンマンですが、たまたま通りかかった軽トラックの荷台にサリーは乗り込み、命が助かったところで、この映画はエンディングとなります。
1分で振り返るストーリーまとめ(忙しい人向け)
忙しい人向けに、本作のストーリーを1分で把握できるようにまとめてみました。
✔ 途中、ガソリンが無くなったためスタンドに立ち寄ると、「ガソリンは明日にならないと来ない」と言われる。5人は、明日まで待つことにした。
✔ 5人が付近を散策していると、チェーンソーを持った大男レザー・フェイスが現れる。そして5人は、一人ずつレザー・フェイスに惨殺されていく。
✔ 唯一生き残ったサリーは、スタンドの主人に助けを求めるが、なんとその主人もレザー・フェイスの仲間だった。
✔ サリーは、狂った家族たちに捕獲され、一緒に食事を採るよう強制される。
✔ サリーは、一瞬のスキを見つけて屋敷を脱出し、通りがかりのトラックに救出される。
興味が湧けば、ストーリー(細部)も読んでいただけると嬉しいです!!
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コメント
最後の方(殺人一家の食卓)のサリーずっとうるさくてつまらんかった。当時は新鮮でB級ホラー(スプラッター?)の基礎を作ったのかもしれんけど、サリーが叫べば叫ぶほど白けていったってのが正直な感想。何より気に入らないのは、サリーが助かったのは運が良かっただけってことと、殺人一家が思ったより間抜けだったってことかな。もっと頭使って殺人一家を出し抜いた上で助かってほしかった。
唯一良かったシーンは学生の1人がレザーフェイスに頭殴られた時に痙攣する所がリアルだったってことぐらいかな。
このくらいで怖がってたら現代のホラー観たら絶命するやん。「テリファー」くらいやってくれないとつまらん。
具体的なコメントをありがとうございます。おっしゃるとおり、今のホラー映画と比べたら見劣りしてしまう点は否めないと思います。ガス欠たまたま立ち寄った場所で、凶悪な何かに襲われるというシチュエーションなんか、今の感覚からすれば50番煎じくらいいってそうなパターンですからね笑
ただこの映画は、1974年というホラー映画黎明期においてはとても斬新だったようで、近代ホラーにつながる礎を築いたところはとても価値の高い映画だと(私は)評価しています。
またのコメントをお待ちしています(*^_^*)