『鬼灯の島』の作品紹介
連載 | 2007年~2009年(ヤングガンガン) |
単行本 | 全4巻(完結) |
ジャンル | ミステリーホラー |
作者 | 三部けい |
『鬼灯の島』は、2007年~2009年、漫画雑誌「ヤングガンガン」にて連載されたミステリーホラー漫画です。
作者は、『僕だけがいない街』などで有名な三部けいさん。
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『鬼灯の島』のみどころ
『鬼灯(ホオズキ)の島』は、人間不信になりそうなくらいに疑心暗鬼になってしまう、そんなミステリーホラーです。
孤島・鬼灯の島にある唯一の施設である鬼灯学園。この学園には、過去に重いトラウマを経験したことのある6人の子供たちが集められるのですが…
登ってはいけない階段、学園全体を不自然に囲っている金網、机に残されていた血痕、ところ
どころに現れる女の子の幽霊、そして、「死ニタクナイ」「殺サナイデ」などの悲痛なメッセージが一面に書きなぐられている謎の小部屋。
この島には何か巨大な謎が隠されているようなんですが、大人は何も教えてくれない。どうも、大人は子供に何かを隠しているらしいのです。
こんな感じで、何かを隠したい大人と謎を暴きたい子供たちの抗争が勃発するわけです。
そして、子供たちが調査を進めていくうちに次々と恐ろしい情報が明らかになるのですが、その情報源となる子供たちがまた個性的。
失語症の子、虚言癖の子、過食症の子、盲目の子、IQ150だけど大人を敵視する子。
しかも、未熟な子供なだけあって先入観などで物を言ったりすることもあり、信ぴょう性に疑問符が付くことも。
大人の言うことが一理ある時もあり、読み進めていくうちに、一体誰の情報を信じればいいのやら分からなくなっていきます。
最も、それがこの漫画の醍醐味なんですけどね。
ああなんじゃないか?こうなんじゃないか?と、予想を立てながら読んでいく感覚は、ミステリー小説さながらと言えるでしょう。
こんな感じで、謎が多くモヤモヤした気持ちが後半まで続きますが、安心してください。
4巻の最後には、タネ明かし的な後日談が用意されています。
ココを読めば、この漫画の全ての謎を解くことができるでしょう。
中には、「そりゃないっしょ…」と言いたくなるような超ウルトラC難度のトリックも飛び出しますが、そこはまあご愛嬌ということで(笑)
ミステリーということもあり、内容を理解しながらじっくりと読まないと面白くないので、全4巻というボリュームの割には読み応えがあると思います。
ミステリー好きにはおススメの漫画です。
『鬼灯の島』の登場人物
鈴原心
本作の主人公。小学4年生。
鬼灯学園の転入生。
母は、「ちょっと出かけてくるから」の言葉を最後に蒸発。それ以来、妹の夢を必死に守ってきた。
鈴原夢
心の妹。5歳。
盲目だが、聴覚が異常な程に発達し、足音を聞くだけで誰がどこから来ているかが分かる。
宮澤初音
11歳。失語症。
小さい頃はよく歌を歌っていたが、両親の虐待にあい言葉を話せなくなった。
八海太
10歳。過食症。
両親が事故で死んだあとは、現実逃避のため常に食べ物を食べるようになった。
須藤力也
12歳。ガキ大将気質。虚言癖。両親は服役中。
両親の服役を隠したいがために、嘘を付き始めたのが虚言癖のきっかけ。
藤井秀一郎
10歳。IQ150の天才。
母親に無理心中を図られるが、なんとか生き残る。それ以来、大人に対して不信感を抱くようになる。
ノブ
元鬼灯学園の生徒。
原因不明の死を遂げているが、大人たちに殺されたらしいという説が有力。
甲斐雪乃
鬼灯学園の教師。保健体育が専門。なかなかいいケツをしている。
一見すると子供たちの味方のように振る舞っているが、その実は…?
桑舘
鬼灯学園の教師。算数担当。
甲斐先生はもちろんのこと、11歳の初音さえも性の対象として見ており、パンツを盗み取っては匂いを嗅いでいる変態。
臼井
鬼灯学園の教師。
剣道の達人で、雪乃先生に稽古をつけることもある。
豊田
鬼灯学園の園長。
歳の割には矍鑠としている。
『鬼灯の島』のストーリー(細部)
鈴原心と夢の二人は、新しく鬼灯学園の生徒となることになった。
新しい学園生活に夢を膨らませる二人だったが、入園初日にガキ大将の須藤から言われた言葉は
「大人の言うことを信用するな、死にたくなかったら」だった。
須藤が言うには、心達がこの学園に来る前ヒサノブという生徒がいたが、学園の秘密を知ってしまったがために存在を消されてしまったらしい。
ヒサノブが消されてしまった理由、それは、ヒサノブにかけられた保険金にあったらしい。この学園の運営費用は、保険金によって賄われているという噂だ。
ヒサノブは、そのために殺されてしまったというのだ。
さらに追い打ちをかけるように、その後須藤が学園から姿を消してしまった。
須藤も、あのヒサノブと同じように、保険金目的で殺されてしまったのか?
「学園を脱出する準備を始めよう」
秀一郎の呼びかけに応じて、子供たちは夜陰に紛れて学園を脱出する。
以後の展開
さて子供たちは、大人に気付かれず無事に脱出…できるわけもなく、当然のごとく見つかってしまいます。
子供たちを逃がしたくない大人たちは、当然子供たちの後を追います。
ここから始まる大人と子供の駆け引き。次々と判明する島の秘密。
そして、時折現れる女の子の幽霊。この幽霊は、かつて学園で消されてしまった子供の霊だとでも言うのだろうか?
是非とも最後まで読んでみてくださいね。
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